もうテントなんて要らない!? 車中泊×オートキャンプ場のススメ
昨今のキャンプでは、テントとタープを使ったオーソドックスなキャンプスタイルだけでなく、タープにインナーを取り付けるスタイルや、グランドシートを敷かずにタープにコットを入れてそのまま寝るスタイルなど、多種多様になってきました。
キャンプ歴40年の筆者は、「できるだけ荷物を減らしてできるだけシンプルに、できるだけみんなと過ごす時間を大切にしたい」。そんな思いで、20年ほど前からテントを張るキャンプスタイルをやめていました。
そんな僕だからこそ思う、『車中泊×オートキャンプ場』のメリットや、このスタイルをおすすめする理由、持って行くべきアイテムをご紹介していきます!
車中泊×オートキャンプ場のメリットとおすすめする理由4つ
まずは、20年ほど前からテント泊をやめた僕の考える「車中泊×オートキャンプ場」のメリットと、このスタイルをおすすめする理由について紹介します。
① 「キャンプ場では車内がガラガラになる」ことを活かせる
この写真は13年前にキャンプに出かける時に積んでいたギアたち。今の様におしゃれでも、きちんと整理されているわけでもなく、地味で雑然としていますね~。
これだけの荷物を車に積んでいたので、当然、車内はパンパンになってしまいました。
そこで目を付けたのが、これらの積み荷をキャンプ場で下ろした後の車内。パンパンの荷物を下ろした後の車内は、もちろんガラガラです。この空間を最大限に利用できるのが車中泊なんです。
この頃僕が乗っていたのは、トヨタ・ヴォクシーの『トランスX』。
このグレードをご存知な方は相当なアウトドア好き。
昔、車中泊用のヴォクシーがあったんです。
2列シート・フルフラット前提で作られた『トランスX』は、後ろのスペースが二段構造になっていて、上下に荷物が積めるようになっていました。
キャンプ道具を積むときも、こんな感じで無駄がないのが特徴です。
キャンプ場で荷物を下ろせばこの通り。ガラガラです。
さらに、リアのシートバックを倒してしまえば……
写真のように、長さ1800mmのフルフラットに早変わり。これを利用して、ベッドルームにしてしまいます。
ニトリで購入したマットを敷けば、家と変わらない寝心地が手に入るのです。
こんな風に、キャンプ場でガラガラになる車のスペースを利用して車中泊することで、テントや関連ギアなど様々な道具を持って行く必要がなくなるのが、車中泊のメリットのひとつです。
② 天候や季節に左右されず防犯面でも安心度が高い
オーソドックスなキャンプスタイルだと、グランドシート、テント、マット、シュラフなどなど……どうしてもかさばるギアが多いですよね。
さらにその日の天候によっては、使った後もそれぞれ洗ったり干したりと、メンテナンスやケアが大変になってしまうことも。
もちろん、雨天での撤収作業もかなり骨の折れる作業です。
それすらも楽しめるのがキャンプの醍醐味のひとつではあるのですが……。
その点車中泊であれば、雨が降っても濡れても問題なし。露や雨による濡れ物を車内に入れる必要もなく、帰りも気持ちよく撤収できるのでおすすめです。
また、どんなに風が吹いても倒れることもなく、防犯面でも安心して眠ることができます。
③ 車の特性を活かして多様なスタイルを楽しめる
僕が現在乗っているトイファクトリーの『ROBO』は、キャンプギアを荷室に積んでいても、ベッドやダイニングスペースは確保されるデザイン。
普段から車中泊で半月以上旅をしていて、気になったキャンプ場があれば飛び込みで行ってみたりと、自由気ままに行動ができるのが最大のメリットなんです。
しかもこの『ROBO』、サイドオーニングを装備しているので、テントやタープと言った大型の幕を持たずに旅することができ、メンテナンス等の手間もありません。
その上、トイファクトリーのキャンピングカーには断熱処理が施されているので、夏涼しく冬暖かく、テントで寝るよりもずっと快適なんです。
そしてもう1台、僕はJeepの『ラングラー』を持っているのですが、こちらももちろん車中泊をすることができます。
以前記事にも書きましたが、ラングラーの荷室は形状が複雑で隙間ができてしまうため、キャンプに出かける時の荷積みには工夫が必要。
隙間にパズルの様にうまく積み込んでいくのが最近楽しくなってしまっていますが(笑)
設営のためにギアを下ろせば、この様にフルフラットで広大なスペースが確保可能。
左右はロールバーがあって若干タイトですが、これなら充分大人2人が寝ることができます。
ROBOとは異なり、ダイニングを外に設置する形になりますが、僕はラングラーにもバットウイングオーニングを装備しているので、そのスペースに設営しています。
また、ルーフテントを導入する「車上泊」という選択肢があったりと、一言に「車中泊」と言ってもそのスタイルは多種多様。
車種や車の特徴を活かして必要なギアを選ぶことで、色んなキャンプスタイルが実現可能なのも車中泊の魅力です。
④ 浮いた時間を「やりたいことをする時間」として活用できる
設営や撤収の時間が浮く分、みんなでワイワイ食事をする、家族でのんびりと過ごす、バイクやカヌー、登山などのアクティビティを存分に楽しむなど、時間を目一杯使えるのが何よりのメリットです。
記事冒頭でもお話しした通り、僕は「できるだけ荷物を減らしてできるだけシンプルに、できるだけみんなと過ごす時間を大切にしたい。」という思いで、20年ほど前からテントを張るキャンプスタイルをやめました。
もちろんテントやタープを張って楽しむのもキャンプの重要な要素ですが、その時々で何を優先したいかが変わることもあるはず。
選択肢のひとつとして「車中泊」という方法を持っておくことで、アウトドアのバリエーションが広がってより豊かなキャンプ時間を楽しめると思います。
ゴミや騒音などは周囲への配慮を忘れずに!オートキャンプ場で車中泊する際のマナー
ここからは、オートキャンプ場で車中泊をする際のマナーについて解説していきます。主に気をつけたいマナーは以下の4つ。
- エンジンをかけっぱなしにしない
- ゴミを放置しない
- ドアの開閉音に注意
- 車内の音漏れも気にかける
周りに迷惑をかけず、楽しく快適に車中泊を楽しむためにも、ぜひチェックしてくださいね。
エンジンをかけっぱなしにしない
エンジンのかけっぱなしは、大気汚染や騒音の観点からNG。オートキャンプ場での車中泊に限らず、車を運転する人なら誰しもが気をつけたいマナーですよね。
また、積雪がある地域では、マフラーが雪でふさがれて一酸化炭素中毒となる危険性もあるので、エンジンのかけっぱなしは安全面の観点からも避けてください。
夏や冬の車中泊では、暑さ・寒さ対策のために車載エアコンを使いたくなりますが、基本的にはグッズを使って対策するようにしましょう。
▼エンジンのかけっぱなしがNGな理由について、詳しくはこちらの記事で紹介しています。
【車中泊でエンジンのかけっぱなしが危険な理由】 夏や冬を快適に過ごすためのコツも解説
▼車中泊の暑さ・寒さ対策はこちらの記事も参考にしてください!
夏の車中泊は暑さ対策が必須! 快適に過ごせるグッズ10選紹介や場所選びのマル秘テクを伝授
【冬の車中泊・寒さ対策グッズ5選】電気毛布やポータブル電源など冬に必要なおすすめ防寒グッズを紹介!
ゴミを放置しない
ゴミの放置はマナーの観点からはもちろん、屋外に生ゴミを放置すると野生動物のエサとなってしまうケースもあるため、アウトドアシーンでは常に意識したいマナー。車中泊キャンプで出たゴミは車内で保管し、持ち帰りましょう。
キャンプ場によってはゴミ回収をしてもらえることもあります。有料・無料などの違いがあるので、利用する前に確認してくださいね。
車内でゴミを保管する際に、消臭効果があるゴミ袋があると、ニオイが気になりにくいためおすすめですよ。
▼こちらの記事ではゴミ問題を解決するために便利なアイテムを紹介しています!
キャンプのゴミ問題を解決! クイックキャンプ『トラッシュボックス』は超優秀なゴミ箱
【キャンプのゴミ問題】残り汁ってどうやって捨ててる? カップ麺の残り汁を燃えるゴミとして捨てる方法を伝授!
強力圧縮でゴミを3分の1に!SIDFEEL『コンプリモフランク』の実力を検証レビュー【キャンプ大賞2022】
ドアの開閉音に注意
ドアの開閉音は、夜間や早朝などの静かな時間に「バンッ!」と強く閉めると、周囲に音が響いてしまいます。周りが車中泊している人だけならまだしも、テント泊の人にとってはかなり気になる音量。
「周りに音が聞こえている」という意識をもって、ギリギリまでドアを近づけてから押し込むなど、なるべく音が出ないように閉めるのが大切です。
また、スマートロック機能を搭載している車の場合、大音量のアラーム音が鳴ることも。アラームの作動条件や解除方法をチェックしておけば、いざというときにも慌てずに済みますよ。
車内の音漏れも気にかける
外での焚き火を終えたあとに、車内で音楽や動画を流しながらのんびりする時間も車中泊キャンプの醍醐味です。ただ、車内の音は思っているよりも外に聞こえるもの。音量が大きすぎて、隣のテントに聞こえてしまっていたということも考えられます。
また、複数人で車中泊をする場合、車内での会話が聞こえてしまうケースもあるでしょう。車内はプライベート空間のため、つい大声になりがちですが、キャンプ場で定められている消灯時間以降は特に気をつけたいですね。
ルールを守って楽しもう!オートキャンプ場で車中泊する際の注意点
ここからは、オートキャンプ場で車中泊する際の注意点についても見ていきましょう。主な注意点は以下の4つ。
- 車中泊が許可された場所で楽しむ
- 道具の盗難
- ヘッドライトの点灯
- 施設ごとのルールもチェック
順番に解説していきます!
車中泊が許可された場所で楽しむ
オートキャンプ場でも、なかには車中泊を禁止している場所もあります。禁止の理由はさまざまですが、主にマナーの面での事情が多い様子。
到着してから「車中泊禁止だった…」とならないよう、念のため車中泊の可否を確認しておくのがおすすめです。
また、車中泊キャンプでは屋外にテーブルや椅子を出して楽しみますが、高速道路のSAやPA、道の駅など、キャンプが許可されていない場所でのキャンプ行為は絶対NG。車中泊キャンプは、オートキャンプ場や、アイテムの設営が許可されているRVパークなどで行いましょう。
▼車中泊の場所選びについては以下の記事もチェック!
【車中泊のおすすめ場所4選と選ぶポイント】おすすめな場所を厳選紹介!
道具の盗難
テント泊の場合、就寝時には車内にアイテムを移動できます。一方の車中泊キャンプでは、車内が就寝スペースとなるため、屋外にアイテムを置かざるを得ないケースも。カーサイドタープを利用していても、全閉できない限り盗難のリスクはゼロではありません。
車種にもよりますが、シートの下に収納したり、ルーフボックスを取り付けたりと、収納スペースをうまく活用・拡張して、盗難を防ぐ工夫が必要です。
▼防犯対策やもしものための「保険」については以下の記事が参考になります!
【420人にアンケート!キャンプの防犯対策】盗難被害3%超 被害の実態と対策方法は?
キャンプに行く前に…盗難・防犯対策忘れてない?筆者が気を付けていること・失敗談を紹介
【ライター体験談】 キャンピングトレーラーが丸ごと盗難⁉ キャンプの防犯&保険
ヘッドライトの点灯
設営などの短時間だとしても、ヘッドライトを照明代わりにして自サイトを照らすのは避けましょう。クルマのヘッドライトは、下向き(ロービーム)で40mと定められており、周囲のサイトまで照らしてしまい、迷惑がかかってしまいます。
また、オートライト機能にも注意が必要です。発進前から点灯していたり、エンジンを切ってもすぐには消灯しなかったりと、運転者の意図しないタイミングでライトが点いてしまうケースも考えられます。
「できるだけ明るい時間帯にキャンプ場に到着する」「暗くなってからは車を動かさない」といったことも意識してみてくださいね。
施設ごとのルールもチェック
キャンプ場ごとのルールも忘れてはいけないチェックポイントです。車を移動していい時間帯や消灯時間、車内での火気使用の可否が決められているキャンプ場もあります。
先述した車中泊の可否や、ゴミ回収の有料・無料も含め、知らず知らずのうちにルールを破ってしまったとならないよう注意してくださいね。