【ワークマン】フルタングナイフの詳細をチェック
それでは、ワークマンの三千円台の国産フルタングナイフの詳細をご紹介していきます。実際にどんなものが出来上がったのでしょうか。
ナイフのスペック確認
それでは、スペックから見ていきましょう。
まず、ナイフと言っても種類は様々ですが、これはシースナイフという折りたためない固定の刃がついたタイプで、たためないのでシースが付いています。
とにかく頑丈さが売りですが、フルタング構造をしているので、より堅牢性が高い作りとなっています。
フルタングといえばバトニングで薪割りするというイメージをする人が多いと思いますが、実はそもそもナイフで薪割りをするというのは強い負荷がかかるので本来向いてる行為ではありません。
ただ薪割りするのであれば、先ほどのタングが細いナロータイプよりも、こういったフルタング構造の方がより耐えられるという構造です。
今回のこのナイフも、当然薪割りという作業も想定内に入れた作りになっています。
刃の断面はスカンジグラインドというシンプルな研ぎやすい形状で、薪割りする際にも刃先を当てて押し広げられるような形をしてます。
刃の持ち手に近いところの構造がくぼんでいることで、砥石に当てた時に研ぎやすさもあると思います。
似たようなナイフと比較
もう一つこの刃の厚みもポイントになります。
こちらは3mm厚となっていて先ほどのモーラのヘビーデューティーと比較しますと3.2mmと3mmです。
商品名 | 刃厚 |
---|---|
ワークマン フルタングナイフ | 3mm |
モーラナイフ ヘビーデューティー | 3.2mm |
モーラナイフ コンパニオン | 2.5mm |
キャプテンスタッグ | 3mm |
ユニフレーム | 3.2mm(3.5mm厚を加工) |
刃の厚みに関しては、実はもう少し厚くしたいという気持ちもあったんですが、関の刃物屋さんが家庭用の包丁とかも多く作っているところで、普段扱われている機械とか鋼材の中で得意とする中では、最大の刃厚が3mm厚だったという事情もあります。
やはりお願いする会社の得意とする中で作っていただいた方が、より良いナイフになるだろうと考え、刃厚は3mmとなりました。
一般的なキャンプ用ナイフの中で特別厚みがあるわけではないですが、逆に薄くもなく、薪割りの用途にも使ってもらえると思います。
ナイフのサイズは230mmで、シースに入れると250mmになります。
サイズ感としては小ぶりでも使い勝手がいいモーラナイフの大きさを参考にしました。
シース込みの重さは175.3gです。
ナイフの背
ナイフの背の部分はエッジが立たせてあるので、ファイヤースターターで火花を出したりするのもできる形になっています。
ちょっとだけ擦ってみますと火花が出ます。
鋼材
ナイフの鋼材ですが、一般的にはステンレスとだけ書かれている商品も結構多いんですけど、これはSUS420J2と書かれています。
わざわざ鋼材名を書いているから高級なものを使ってるのか・・・というわけではなく、やはり実用性のあるナイフを低価格でという目標で作ってくださってるので、高級なステンレス素材は使えない。それでも実用の範囲内で選んでくれていると思います。
試しにSUS420J2で検索してみると、日本製のフルーツナイフやベルモントさんのフィッシング出刃とか出てきました。他にも、電工ナイフや釣り用の出刃が出てきたり、中華包丁もありますね。
比較的お手頃な値段帯の刃物類に、一般的に使われてるステンレス鋼なんですね。
ハンドル
続いてハンドルを見てみましょう。
「安くて丈夫でかつ見た目にもある程度上質感が欲しい」…という無理難題の中で、シックなブラックのハンドルに仕上げてくれました。
ハンドルの上部はブレードがまだ出ていて、握った時に手が触れるラインに沿ってだんだん狭まってハンドルと同じ高さになっています。
職人さんが作っているところの画像とかありますかと聞いたら、ちょうどこの辺の最後の処理をしてるところを送ってくださいました。
ハンドルにはくぼみがある形状になっていますが、ナイフを握ると自然と人差し指と中指がかかりますので持ちやすく、ずれにくいです。
くぼみの形状がそのままシースのベルトでナイフを固定できる役割になっているので、引っかかって抜けません。
木材は樫の木から作られた硬い合板を使っているそうです。
シースは牛革
そして最後にシース。
最初はフェイクレザーでした。正直、私は本革製が良かったんですが、フェイクレザーで致し方ない。
迷った時は最初の目的に立ち戻ります。本革シースのナイフを作りたかったわけではなく、あくまでも、「お小遣いで買える範囲内の国産フルタングナイフを作る」のが目的だっただろうと。
ただ、先日送られてきた完成品が、最後の最後にして牛革製のシースに変わっておりました。
途中の試作品。そもそも色が茶色でした。
完成品はシックなブラックとなりました。
フェイクレザーですが、最近のフェイクレザーは本当によくできているので、本革と見間違えることもありますよね。ただ、よく比べるとやはり違う。フェイクレザーは、握るとちょっとギシギシ感があるんですよね。
試作品からの変化
試作品だとハンドルが少し短かったんです。
小ぶりでいい感じではあったのですが、握ると小指がギリギリかかるくらいで手が小さい人はいいかもしれないけどここは直してほしいなっていうことでお願いしました。
完成品では長くなりましてホールド感がとても良くなりましたね。
ちなみに、この試作品ではたくさん薪割りしましたが、やはり頑丈な作りなので小さいボディなのにガンガン割れました。