【応用編】もやい結び(ボーラインノット)を使った設営・撤収テクニックやほどき方のコツ
ここからは、もやい結びの応用編として、素早い固定や撤収が可能になるテクニックや、ほどき方のコツを紹介します。
素早い固定・撤収のテクニック
キャンプでは特に、素早く固定や撤収ができるとうれしいシーンがたくさんありますよね。そんなときは、もやい結びを応用しましょう!
まず、もやい結びで輪を作っておいて、木などの固定対象物に巻きます。
輪の中に、ロープの元を少しだけ入れて、ここにも輪を作ります。
この輪の中に、小枝などを通します。上の画像では赤いポールです。
ロープを引っ張って締め込めば完成です。
上の写真だと四角い木なので浮いていますが、現実の木は丸いのでピッタリ密着するまで締め込めます。ほどく際は、挟んだ棒を抜くだけでOKなので、素早く固定・撤収ができますよ。
ほどく時のコツ
ほどくときには、上記写真の点線で示した結び目を、矢印の方向に引くとゆるみやすく、簡単にほどけます。
また、よりほどきやすくする工夫として、最後の工程で先端をU字にして輪に通す方法も。
蝶結びのように先端を引っ張れば、簡単にほどけるのでおすすめですよ。
便利なロープワークはもやい結びだけじゃない!南京結び(トラッカーズヒッチ)や自在結び(トートラインヒッチ)も覚えよう
実はもやい結び以外にも、便利なロープワークはたくさんあります!ここでは、タープを張るときに便利な「南京結び(トラッカーズヒッチ)」や、張りの強さを調整できる「自在結び(トートラインヒッチ)」のやり方を紹介します。
南京結び(トラッカーズヒッチ)のやり方
南京結び(トラッカーズヒッチ)は、キャンプで使う場面は木を使ってタープを張る時のほか、荷台への荷物の固定や、洗濯物を干すロープを張る時などに使います。
引っ張る力を滑車の原理で強くすることができるので、万力結びとも呼ばれます。木などを支点にしてロープをピシッと張りたい時にうってつけです。支点となる安定したものが必須のため、もやい結びに比べると出番は少ないかもしれませんが、覚えておくと便利なロープワークです。
南京結びでは、まず輪を作ります。
続いて、輪の中に、ロープ先端側の中間を通します。
たわませた部分を引っ張ります。
これでループができました。ループの左側、人差し指のあるところが滑車の役割を担う部分です。
次に、くくりつけたい物に、ロープの先端を回します。
ロープの先端を、先ほど作った滑車の輪に通します。
固定物(ここでは赤いポール)方向にロープ先端を引っ張ると、張力がかかります。
もう1周巻いて引っ張ると、より力が強くかかります。
動画で見て頂いた方が、より分かりやすいはずです。
自在結び(トートラインヒッチ)のやり方
ロープの長さを自在に変えることで、張りの強さを調整できるロープワークが自在結び(トートラインヒッチ)です。もやい結びや南京結びに比べて、少々難易度が上がります。
実際のキャンプ中は、テントやタープの張り綱(ガイロープやストームロープと呼びます)を自在結びで結んでおくと、張りの強さを調整できます。
自在結びのやり方は、最初にペグやテントのループに、ロープの先端を通します。
ロープ先端を3回巻きつけます。
巻きつけた結び目は、ある程度絞って小さくします。
ロープの先端は、先に巻きつけた部分から少し離した位置で縛ります。
末端を引っ張って、解きやすい結び方で結びます。
できあがりです。
これも動画の方が断然分かりやすいので、ぜひ下の動画もチェックしてみてください。
長さを調整する際は、元側のロープと2つ目の結び目を持って、結び目をスライドさせるだけOKです。
ロープを短くしたい時は、1つ目の結び目の元部分を送りながら、2つ目の結び目を引っ張ります。文字で見ても、何のことやらさっぱり分からないでしょう。私もです!ぜひ動画でご確認ください。
トラッカーズヒッチとトートラインヒッチの合わせ技
トラッカーズヒッチでテンション(張力)を強くかけて、余った部分をトートラインヒッチで結んでみました。これによって、長さを自在に変えられて、強い張力もかけられる結び方になります。
タープやテントとはボーラインノットで結んでおけば、相当な力で張ることができます。むしろ力を入れすぎてタープやテントを破かないよう、注意が必要です。