「キャンプといえば夏」というイメージの方も多いはずですが、実は、冬キャンプには夏キャンプにはないメリットがたくさんあります。ただ、寒さという大きなデメリットがあるのも事実です。そこでこの記事では、冬キャンプを快適に楽しむための寒さ対策やキャンプ場での過ごし方のコツをご紹介します。
冬キャンプには魅力がいっぱい
冬キャンプには、冬だからこその楽しさやメリットがたくさんあります。例えば、以下のようなポイントは冬キャンプならではの魅力といえるでしょう。
- 冬は空気が澄んでいるため、景色や星空、夜景がひと際美しく見える
- 虫がほとんどいないので快適に過ごせる
- 冬はオフシーズンのためキャンプ場の予約が比較的取りやすい
- 夏に比べて人が少ないため、のびのび過ごせる
- 料金設定が夏場より安いキャンプ場もある
- 雪中キャンプなど冬にしか味わえない体験ができる
上記に加えて、焚き火の温かさがより感じられたり、食べ物のおいしさが身に染みたり、冬キャンプならではの風情があることから「夏より冬のキャンプが好き」というキャンパーも少なくありません。
しっかりと寒さ対策をする必要はありますが、そこさえ万全にしておけば、冬でも十分快適にキャンプを楽しめます。あなたもぜひ、冬キャンプの世界に足を踏み入れてみませんか。
▼こちらの記事では初心者向けに冬キャンプ始め方を解説しています!
【初心者向け】冬キャンプの始め方★寒さ対策は?必要なギアは?おすすめ冬キャンプ飯は?
【服装編】冬キャンプの寒さ対策としては「レイヤリング」が大切!
冬キャンプをする上で、服装による寒さ対策はマストです。
かといって、着込みすぎると動きにくくなります。また、厚着しすぎて汗冷えをおこすこともあるので、ただ「厚着をすればよい」というわけではありません。
冬キャンプでは「レイヤリング」の考え方を取り入れて、以下の3層での重ね着をしましょう。
- ベースレイヤー(肌着)
- ミドルレイヤー(中間着)
- アウターレイヤー(上着)
それぞれのレイヤーに、どのようなアイテムを選べばよいか詳しく説明していきます。
ベースレイヤー(肌着)
ベースレイヤーとは、直接肌の上に着る肌着のことです。
冬キャンプでは、汗を吸って乾きやすい吸湿速乾性や、保温性のあるものがおすすめです。たとえば、ユニクロのヒートテックやメリノウールなどのインナーなどを活用しましょう。
このベースレイヤー次第で体感温度も大きく変わるので、寒いときはより厚手にしたり、身体を動かすときには薄手のものを選んだり、微調整をするとより快適に過ごせます。
また、冬でも身体を動かすと汗をかくことは少なくないので、汗をかいた場合に備えて、着替えも用意しておきましょう。
ミドルレイヤー(中間着)
ミドルレイヤーとは、ベースレイヤーの上、アウターの下に着る中間着のことです。
薄手のフリースやトレーナー、長袖シャツ、セーターなどがミドルレイヤーにあたります。保温性に加え、通気性にも優れたものを選ぶのがおすすめです。
また、日中はアウターを着ずにベースレイヤー+ミドルレイヤーで活動することも多いため、動きやすさも重要なポイントですよ。
アウターレイヤー(上着)
ダウンジャケットなどの上着のことを、アウターレイヤーと呼びます。ジャケットやコートのほか、厚手のフリース、ベストなど保温性の高いものをアウターレイヤーに選びましょう。
特に真冬は、雪や風も伴う過酷な寒さになることが少なくないため、ゴアテックス素材など、防水性・防風性の高い素材を採用したアウターがあると安心です。
また、冬キャンプの醍醐味である焚き火を存分に楽しむためには、難燃性素材のアウターがおすすめです。難燃性素材で作られたアウターであれば火の粉がついても燃え広がりにくく、服を傷めないだけでなく、安全性にも優れていますよ。
【テント編】冬キャンプには「4シーズン用」を選んで寒さ対策しよう!
テントにはさまざまな種類がありますが、「3シーズン用」「4シーズン用」など、適した季節が定められているものが少なくありません。冬キャンプでは、4シーズン用のテントを選ぶようにしましょう。
3シーズン用テントは、春・夏・秋をメインシーズンとして作られているテントです。通気性のよいメッシュ生地が多く使われているため、暑い季節は快適ですが真冬に使用すると外から冷気が入ってきます。
一方、4シーズン用テントは、「フルクローズ仕様で隙間風が入らない」「ストーブ用のベンチレーションがある」などの機能が備わっており、冬のキャンプにも対応できます。
また、フライシートのすそに「スカート」と呼ばれるヒラヒラ部分があると、下部からの冷気も遮断できるので、より断熱性が上がりますよ。
▼冬キャンプ用のテントの選び方やおすすめ製品はこちらの記事で詳しく解説しています!
【冬キャンプのテント11選】コレを選べば間違いなし! シーンやスタイル別におすすめ商品をご紹介
【過ごし方編】電源付きサイト・電源なしサイトで寒さ対策は異なる!
電源付きサイトか、電源なしサイトかによっても、どのように寒さ対策をすべきかは変わってきます。ここでは、電源付きサイト・電源なしサイトに分けて、冬キャンプでの過ごし方を見ていきましょう。
電源付きサイト
電源付きサイトであれば、電源が必要な暖房器具も気兼ねなく使えるため、寒さ対策がしやすいです。とくにキャンプ初心者の方や小さなお子さま連れの方は、電源付きサイトを選ぶようにしましょう。
暖房器具にはさまざまなものがありますが、「ホットカーペット」と「電気ヒーター」は利便性が高くおすすめです。
ホットカーペットは地面からの冷気を防いでくれます。保温性のよいテントであればホットカーペットの熱でテント内が温まるため、他の暖房器具は不要なことも!
さらに、ホットカーペットの上にテーブルを設置し、その上から布団をかけると簡易こたつが完成します。
ヒーターなどの暖房器具に比べて消費電力も少ないこと、排気が出ないことで安全性が高いこともホットカーペットの美点。
また、セラミックヒーターなどの電気ヒーターは、テント全体を暖めるのに役立つアイテムです。暖房能力が高いので、寒い戸外からテントに入ってきたときなどに、冷えた体を即座に温めることができるでしょう。
ただし、使用電力が高いので場合によっては電源サイトの消費電力の上限を超えてしまうことも。製品によっては一酸化炭素中毒のリスクがある点にも注意が必要です。
電源なしサイト
電源なしサイトでの冬キャンプは、電源付きサイトと比べて少しハードルが上がりますが、工夫次第では快適に冬キャンプを楽しめます。
具体的には「ポータブル電源を持ち込む」「石油ストーブを使う」といった寒さ対策をするといいでしょう。
ポータブル電源があれば、電源なしサイトでも電化製品を使うことが可能です。ホットカーペットなどの暖房器具はもちろん、IHクッキングヒーターやホットプレートなど、便利なグッズを活用できるでしょう。
スマホを充電したり、パソコンをつないだりといったこともできるため、寒さ対策以外にも役立ちます。
また、ポータブル電源を持っていない場合には、電源が必要ない石油ストーブを持ち込んで、テント内を温めるのも一つの手です。ただし、石油ストーブは一酸化炭素中毒のリスクが高いため、テント内で使う際は「換気をする」「一酸化炭素メーターを使う」といった安全対策を徹底しましょう。
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【寝具編】冬キャンプの就寝時には寒さ対策の工夫がマスト!
冬キャンプでは寝るときの寒さ対策も重要です。寝ている間に低体温症になってしまう危険性もあるため、寒さ対策は万全に行う必要があります。
ここでは、冬キャンプの就寝時にできる寒さ対策をご紹介します。
グラウンドシートを敷く
グラウンドシートを敷いて、テントフロアが湿気や雪で濡れないようにしましょう。専用のグラウンドシートがない場合は、防水性のあるブルーシートでも代用できます。
ブルーシートは、フロアよりも少しだけ小さいサイズのものを選ぶのがポイントです。テントからはみ出てしまうと、はみ出た部分が受けとなってテントの下に雨や雪が入り込む原因となってしまいます。
また、グラウンドシートやブルーシートを敷くことで汚れや結露も防げるので、寒さ対策以外でも活躍してくれるアイテムですよ。
冬用の寝袋を使う
冬キャンプでは保温性の高い、厚手の冬用寝袋を使用しましょう。
特に、マミー型の寝袋は身体に密着する形状で断熱性も高くおすすめです。
寝袋だけだと寒い場合は、薄手のブランケットなどを寝袋の中に入れて使用するといいでしょう。就寝時は足元から冷えを感じやすいため、足元をブランケットで覆うのも寒さ対策として有効です。
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断熱性の高い銀マットを敷く
断熱性の高い厚手の銀マットをテント内に敷き詰めて地面からの冷気をシャットアウトすることで、底冷えを防げます。銀マットは熱を反射する効果もあるので、銀色部分を表にすれば保温性も高まりますよ。
また、銀マットの上に厚手のマットなどを敷くと、さらに地面からの冷気を防げます。
湯たんぽを寝袋の中に入れる
湯たんぽを寝袋の中に入れるのもおすすめです。
充電式の湯たんぽであれば、お湯を入れる手間がないので手軽に使えます。また、直火対応の湯たんぽは、冷たくなってきたらすぐに温め直しができるのでとても便利。
湯たんぽは寝るときだけでなく、椅子に座っているときなど1日を通して使えるので、冬キャンプでは重宝します。
ただし、湯たんぽを使用する場合は必ず付属のカバーをつけて、低温火傷に注意してください。
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冬キャンプがさらに快適に!寒さ対策におすすめの便利グッズ7選
最後に、冬キャンプでの寒さ対策におすすめの便利グッズを7つ紹介します。
【1】手袋やネックウォーマーなどの防寒グッズ
寒さ対策には、手首や首など、太い血管が通る場所を温めることも有効です。
手袋をしたり、レギンスを履いたり、厚手の靴下を履いたりと、ちょっとした工夫をするだけで体の冷え防止になります。
【2】使い捨てカイロ
使い捨てカイロは冬キャンプの必需品。とくに貼るカイロは便利で、腰に貼ったり、足に貼ったりするだけで長時間温かさが持続します。
活動中だけでなく、夜、寝る前に寝袋のなかにカイロを仕込んでおけば、寝るときには寝袋が温かい状態に!ただし、低温やけどのリスクがあるため、就寝中の使用は控えてくださいね。
【3】テントシューズ
テントシューズがあれば、テント内で過ごす際に底冷えを防げます。
特に、ダウンを使用したものは軽くて保温性も抜群です。ただ、ダウンは水に弱いデメリットがあるため、水濡れの可能性があるシーンでは注意しましょう。
化繊製のものは、軽さや保温性はダウンに劣るものの、耐久性があり価格もリーズナブルなので、予算や使用シーンに合わせて選ぶのがおすすめです。
また、防水加工がされて、滑り止め付きのテントシューズであれば、履いたまま外に出ることもできますよ。
【4】ブランケット
ブランケットが複数枚あれば、「ひざ掛けに使う」「就寝時に寝袋にプラスする」「上着代わりにする」など、何かと重宝します。
充電式で使えるヒーター機能が付いているブランケットも多く販売されているため、ぜひチェックしてみてくださいね。
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【5】真空断熱性のマグカップ
真空断熱構造のマグカップは保温性に優れていて、飲み物の温かさを長時間キープできます。寒さを感じたとき、温かい飲み物を飲むと身体が芯から温まるので、寒さ対策としても役立つアイテムです。
冬場だけでなく、夏場は冷たさをキープしてくれるので一つあればオールシーズン重宝しますよ。
【6】保温ボトル
保温ボトルがあれば、いちいちお湯を沸かすことなく、手軽に温かい飲み物を作れます。
お湯を確保しておけば、飲み物を作るだけでなく、調理や湯たんぽにも使えるので、時間があるときに保温ボトルにお湯を入れておくと時短にもつながるでしょう。
【7】ゴム手袋
温水が出るキャンプ場もありますが、多くのキャンプ場では冬場も冷水しか出ない場合が多いです。
皿洗いのとき、戸外の炊事場で、素手で食器や鍋を洗うと手が痛くなるほどの冷たさを感じ、「冷えた手から体温が奪われていく…」なんてことも。そんなとき、ゴム手袋があるだけで冷えを防げるので、一つ持っておくと便利です。
手袋によっては裏起毛付きで保温性が高いものもあるので、ぜひ冬キャンプに取り入れてみてください。
寒さ対策をして冬キャンプを楽しもう
冬キャンプは、澄んだ空気の中で美しい星空や静かな自然を楽しめるのが最大の魅力です。人が少なく、予約も取りやすいことも大きなメリットと言えるでしょう。
一方で、寒さは大敵で、寒さ対策が万全かどうかが、冬キャンプの楽しさや快適度を大きく左右する要となります。寒さ対策を怠ると「寒くて眠れなかった」「寒い記憶しか残らなかった」など、キャンプ自体が辛い思い出になりかねません。
今回ご紹介した寒さ対策を取り入れて、快適に冬キャンプを楽しみましょう!