こんにちは。ご当地ラーメンは佐野ラーメンが一番好きなくにぱぐです。今回も先月に続いて本格ラーメンのレシピです。しかもご当地ラーメンということで、千葉県の内房あたりで人気のある「竹岡式ラーメン」を取り上げてみます。この竹岡式ラーメンは作り方が特徴的で、材料なども極めて少なくて済み、そのくせなかなか美味しいです。今回現地で行ったのは何しろ「お湯を沸かし、麺を湯がいただけ」という簡単さ。後の下準備はすべて家でできるうえ、味は完璧にお店を再現できました。これはキャンプラーメン革命かもしれません。
「スープはお湯」「麺は乾麺」こんなキャンプ向けの本格ラーメンなかなかない!

筆者撮影
前回の記事でかなり簡素化したラーメンのレシピを紹介したのですが、知人から
「まだまだ材料が多い、やれる気がしない!」と
いうご意見を頂いたので、今回はさらに簡単に本格ラーメンを作れないか? と考えてみました。
とはいえお店で出ているようなラーメンでないと、インスタントと大差がなく、さすがに作る意味もなくなってしまいます。
そこで白羽の矢を立てたのが「竹岡式ラーメン」です。
竹岡式ラーメンというのは、千葉県富津市竹岡という地域から関東に広まった醤油ラーメンのことで、その元祖は今も人気がある「梅乃家」とされています。
竹岡式、となると多少広義になるのですが、元祖である梅乃家のラーメンの特徴として、乾麺(生麺ではなく、インスタント麺のように乾燥した麺)を使用し、また、スープはチャーシューを煮た醤油をお湯で割っただけ、という2点が挙げられます。
味わいは素朴ながらも独特な奥行があり、また、たっぷり盛り付けられたチャーシューの迫力もあって、かなりファンの多いご当地ラーメンとして知られています(本家梅乃家はいつでも大行列です)。
特徴である
「乾麺」「スープはお湯」。
この2点について見てみると、実にキャンプに向いたラーメンだと思いませんか?
下準備としてチャーシューさえ自宅で作ってしまえば、キャンプ場ではお湯を沸かして麺を茹でるだけですべての調理が完了します。
ラーメンであることを抜きにしても、ここまで簡単なキャンプ飯はなかなかありません。
そのくせボリューミーで暖かいスープ料理なので、冬場のキャンプ飯としてこれはかなりオススメできます。
※なお、今回、本家の味になるべく似せてはいますが、一部手に入りにくい調味料は、コスト低減のためにも別の方法に切り替えて紹介しています。
竹岡式ラーメンの食材と作り方
竹岡式ラーメンの食材(4人前)

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<麺>
- 都一の乾麺 …2つ(4食分)
※なければインスタントでも、スーパーの生麺でも可。
<チャーシュー・タレ>
- 濃口醤油 …1リットル
- 日本酒 …350ml
- 豚バラブロック、あるいは肩ロースブロック …800g
- 長ネギの青いところ …1本分
- 生姜(もしくはチューブ生姜) …1片(チューブなら8㎝)
- うま味調味料 …小さじ4
<その他の具>
- タマネギ …1/2個
- 味付メンマ …1パック
- 海苔 …4枚
- コショウ …少々
※いずれもお好みです。なくても構いません。
特徴的な乾麺ですが、梅乃家では「都一」というメーカーのものを使用しているようです。
この麺はインスタントとはまた少し違うコシがあります。
また、スープもよく吸うので、やはり「こだわり」は感じる麺だと思います。
ですので、できれば麺だけは通販で都一のものを買ってください。それだけでかなり本格的になります。
そこまでは無理ということであれば、適宜インスタント麺でも、あるいは生麺でも代用は効きます。
※代用の枠の中で言えば、どちらかというと生麺のほうがいいと思います。中太ちぢれ麺あたりがお奨めです。が、やはり都一の乾麺には適いません…。
また、醤油は、宮醤油の本醸造醤油というのが正式なもので、これでチャーシューを煮込めば日本酒はいらないそうです。
ただ、調べた限り、この醤油はメーカーからの購入しか入手方法がないため(通販はありますが、いわゆる大手の通販サイトでは扱いがありません)、価格なども含め、ややハードルが高いと感じました。
ですので一般的な濃口醤油を使った形にレシピをアレンジしています。
※これでもほぼ本家梅乃家と同じ味が出せました!
具はお好みですが、タマネギはあったほうがいいです。
タマネギは竹岡式に限らず、房総半島のラーメンではスタンダードなトッピングです。
竹岡式ラーメンの調理に必要な道具

筆者撮影
- 麺を茹でる鍋(今回はラージメスティン)
- お湯を沸かすケトル
- バーナー2つ(麺茹で用、湯沸かし用。麺茹では炭火がベスト。最悪1つでもOK)
- 麺を掴むトング
道具という道具は特にないのですが、「麺茹で」と「スープ用」のお湯は別々のものを使ったほうが美味しくなります。
(これはインスタントの袋麺でも同様のテクニックです)
ですので、バーナー2つを使い、1つで麺茹で、1つでスープ用のお湯を沸かすといいでしょう。
難しい場合は大きな鍋で麺を茹で、茹で終わったお湯でスープを作ればOKです。
なお、前述の都一の乾麺であれば、トランギアのラージメスティンで2つぴったり麺が収まります。携帯にも便利ですし、もちろん茹でるのにも適しています。
感動的なフィット感なので、もしあればお使いください。
なお、元祖の梅乃家では麺茹では炭火でやっているそうで、これも大きなこだわりです。
バーベキューのシメなどにラーメンを作る場合、炭火を使うとより美味しくなるのは間違いないでしょう。
前日にチャーシューを作ればだいたい終わりという竹岡式ラーメンの作り方

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1)
まずはキャンプ前日にチャーシューを仕込みます。
豚バラ肉(あるいは肩ロース肉)を、醤油、日本酒、ネギ、スライスした生姜(もしくはチューブショウガ)で煮込みます。
肉は全部醤油に浸からなくても構いません。

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2)
蓋はせず、最初は強火、沸騰したら弱火で煮込みます。30分煮込んだら肉を引っ繰り返し、さらに30分、トータル1時間煮込みます。

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3)
火を止めてさらに15分程度放置し、粗熱を取りながら味を浸みこませます。
筆者撮影
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4)
出来上がったチャーシューがこちら。これだけでもキャンプのおつまみに最高です。
出来立ては柔らかく切りにくいので、1つずつラップをかけて冷蔵庫で保存し、冷やして固めます。
そのままジップロックなどに入れてキャンプに持参しましょう。
また、タレは醤油のボトルに戻して運べば簡単です。その際、ネギや生姜はなるべく取り去って捨てるようにしてください(取り去らないと醤油ダレが傷みやすくなります)。
なお、醤油ダレも冷蔵庫で1日程度寝かせてから使った方が、できたてよりもぐっと旨味が増しますよ。

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5)
ここからはキャンプ場での調理です。
麺茹で用、スープ用のお湯(兼用でも構いません。その場合は大きな鍋で沸かすこと)が沸いたら、麺を茹で始めます。

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6)
タマネギとチャーシューをカットします。タマネギは細かいみじん切り、チャーシューは厚めにたくさん入れる感じがいいです。
また、メンマや海苔もここで盛り付けやすいように用意しておきます。

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7)
丼に、うま味調味料小さじ1、醤油ダレ30cc、お湯400㏄程度を入れます。
味が薄ければさらにタレを足し、濃ければお湯を入れます。

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8)
茹で上がった麺をスープに沈め、チャーシュー、メンマ、海苔、タマネギを乗せたら完成です。お好みでコショウをかけて食べます。
竹岡式ラーメンは「面倒なら作らなくて持って帰ってもよい」ぐらい便利な料理

筆者撮影
竹岡式ラーメンは、作っていく過程で使う食材のうち、すぐに傷むものは豚肉(チャーシュー)ぐらいしかありません。
後のものは面倒とか、天候が悪いとか、そういう理由があれば、極端な話無理に作らず持って帰っても、また別のキャンプに使えるという便利さがあります。
実際、チャーシューは作ってキャンプ場に持って行ってしまっていますから、切って食べるだけでも美味しい酒のつまみになりますし、炙ればさらに美味しくなります。
さらにチャーシューを刻んでごはんに乗せ、醤油ダレをかけてネギなど乗せれば、チャーシュー丼などにも転用できます。
仮にラーメンを作らなくても消費できるわけです。
竹岡式ラーメンは、作ること自体も簡単ですし、あらゆる面でキャンプに向いている料理だと思います。
本家梅乃家の場合は、窓から見える海の景色も相まって美味しく感じるという部分はありますが、実際真冬のキャンプで食べても美味しかったぐらい味も本格的ですし、是非、キャンプで活用をしてみてください。