キャンプギアをドレスアップしてくれるレザーアイテム。見た目がおしゃれになるうえに、丈夫な素材でギアのカバーとしても優秀です。今回はレザークラフト初心者向けに、簡単なスキレットハンドルカバーの作り方をご紹介します。

【自作スキレットハンドルカバーの作り方②】糸を通す前に菱目打ちで穴開け これがスキレット持ち手自作の基本

〈穴開けの準備/ガイドラインを引く〉

革のパーツを裁断したら、糸を通すための穴を開けていきましょう。

手縫いのレザークラフトでは、縫う時に針で革に直接穴を開けるのではなく、あらかじめ革に開けた穴に、縫い針で糸を通していきます。

この穴開けは、レザークラフトならではであり、作品の仕上がりにも直結する大事な作業でもあります。集中して行いましょう!

まずは穴を開けるためのガイドラインを引きます。専用の道具もありますが、針やキリ、ペン先などの尖ったものであれば構いません。

今回はコンパスの針で革の端から4〜5mmくらいの位置にぐるっとガイドラインを引きました。スキレットを差し込む辺は、穴を開けませんので、ガイドラインも不要です。

画像: 穴開けのためのガイドラインを引いた様子 (筆者撮影)

穴開けのためのガイドラインを引いた様子

(筆者撮影)

〈穴開け〉

縫い穴がずれないように、革のパーツ2枚を重ねて使用します。大きめのクリップで2枚を挟むか、ボンドや接着剤を端に塗ったり、テープで仮止めするなどしておきましょう。

穴を開けるには「菱目打ち」と呼ばれる道具を使います。菱目打ちは、その名の通り菱形の穴を開ける道具です。

画像: 4つ目タイプの「菱目打ち」を使い2枚の革に穴を開ける (筆者撮影)

4つ目タイプの「菱目打ち」を使い2枚の革に穴を開ける

(筆者撮影)

ゴム板の上に2枚の革を重ねたパーツを置き、革の上に菱目打ちを垂直に当て、木槌やハンマーで強く打ち込みます。

ガイドラインに沿って端から穴を開けて行きましょう。

2回目以降は、ひとつ前に打った菱目にひと目重ねて打つと、均等に跡をつけることができます。例えば、四つ目の菱目打ちであれば、一回打つごとに新しい穴が三つ開くことになります。

菱目打ちは、必ず垂直に立てて穴を開けることがポイントです。斜めにしてしまうと、裏面や2枚目の穴の位置がずれてしまい、縫いにくく、見た目も悪くなってしまいます。

また、厚めの革を2枚重ねて一気に開けるのは、力もコツも必要です。なかなか貫通しない時は、2枚めの途中まで刺さったら、2枚目だけにしたり、裏返して穴を開けていきましょう。

なお、曲線状に穴を開ける時は、写真のような2つ目タイプの「菱目打ち」があれば、ゆるやかにカーブした縫い穴を作ることが出来ます。(1つ目タイプも売っています)

画像: 2つ目タイプの「菱目打ち」があるとカーブなどに便利 (筆者撮影)

2つ目タイプの「菱目打ち」があるとカーブなどに便利

(筆者撮影)

スキレットを差し込む側を残して、U字形に穴を開けたら、いよいよ糸で塗っていきます!

画像: 2枚重ねして穴を開けた様子 (筆者撮影)

2枚重ねして穴を開けた様子

(筆者撮影)

【自作スキレットハンドルカバーの作り方③】平縫い&仕上げをして完成! レザークラフトの手縫いが重要

〈手縫い準備/糸の通し方〉

レザークラフトの手縫いは、針は2本で糸の両端につけるため、裁縫とは糸の通し方が異なります。

糸の両端に針をつけるため、縫い途中で糸の長さを調整するのが難しいです。そこで最初に、糸を縫い代の3〜4倍程度の長さに切っておきます。

針穴に糸を10cmほど通し、写真のように糸に針を2箇所貫通させ、糸と針で輪っかを作ります。

画像: 針穴に糸を通す・糸に針を2箇所貫通させるのがポイント (筆者撮影)

針穴に糸を通す・糸に針を2箇所貫通させるのがポイント

(筆者撮影)

まず長い方の糸を、1つ目の輪がなくなるまで強めに引っ張ります。次に短い方の糸を、長い方の糸に近づけるように引っ張ります。

画像: 長い方の糸を1つ目の輪がなくなるまで強めに引っ張る・短い方の糸を長い方の糸に近づけるように引っ張る (筆者撮影)

長い方の糸を1つ目の輪がなくなるまで強めに引っ張る・短い方の糸を長い方の糸に近づけるように引っ張る

(筆者撮影)

これで針に糸がしっかり固定され、抜けにくくなりました。最後に2本の糸をねじり合わせます。

画像: 最後に色をねじる (筆者撮影)

最後に色をねじる

(筆者撮影)

同様に、反対側の糸の端にも針をつければ、準備完了。いよいよ革に糸を通していきます!

〈手縫い/レザークラフトの基本・平縫い〉

画像7: 筆者撮影

筆者撮影

画像8: 筆者撮影

筆者撮影

レザークラフトの基本の縫い方は「平縫い」といいます。表裏の両方から交互に針を通して、8の字のように縫い進める方法です。

まずは縫いはじめの穴に針を刺し、両サイド同じ長さになるまで糸を通します。

画像9: 筆者撮影

筆者撮影

ひとつ目の穴と革の端に、糸を二重に巻くように通します。

画像10: 筆者撮影

筆者撮影

ふたつ目の穴以降は、表側から針穴に糸を通し、裏側からも同様に通して、写真のような状態にします。片側だけ先に糸を通しきらないように、注意してください

画像11: 筆者撮影

筆者撮影

画像12: 筆者撮影

筆者撮影

裏側から針を穴に通す時は、表側から既に通っている糸を刺さないように糸をよけて通します。(左上写真)

両方の針と糸が通ったら、両手で糸を引っ張り、縫い目を整えます。(右上写真)

以降、同じ要領で縫い進めていきましょう。

画像13: 筆者撮影

筆者撮影

最後まで縫ったら、2〜3目ほど返し縫いをして、裏側に2本の糸が出ている状態にします

画像: 完成! (筆者撮影)

完成!

(筆者撮影)

縫い終わりの糸にボンドを少量塗布して、かた結びをして、余った糸を切ります。結び目をハンマーで叩き平らにし、他の縫い目となじませると目立たなくなります。

ここまででスキレットハンドルカバーの基本は完成です!

画像: 仕上げ剤で磨けばツヤが出ます (筆者撮影)

仕上げ剤で磨けばツヤが出ます

(筆者撮影)

この後、コバを仕上げ剤で磨いてなめらかにしたり、染色やツヤを出したりと、さらに仕上がりを追求することもできます。

刻印やオリジナルのマークを入れたり、フックをつけるなどのアレンジも様々。基本を押さえたらぜひ試してみてください。

スキレットのハンドルカバーを自作しよう! 初心者でも簡単に自作できるレザークラフト キャンプと相性抜群

画像14: 筆者撮影

筆者撮影

今回は、初心者でも簡単に始められるレザークラフト入門として、スキレットのハンドルカバー作りをご紹介しました。手軽に始められて、こだわりたい人はとことんこだわれる、懐の深いDIYです。

手作りならではの温かみと、革の持つナチュラルな風合いは、キャンプギアの魅力をより一層引き立ててくれます。また、使えば使うほどツヤが出てきたり、変色したりと味が出てくるため、一緒に過ごした今までのキャンプを思い出させてくれるでしょう。

気軽に始めてみてどんどん色々なアイテムに挑戦してみてくださいね!

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