キャンプ用の椅子は腰痛になりやすい要素がたくさん?腰を痛める原因とあわせて解説
腰痛の原因は様々ですが、キャンプ用の椅子に長時間座っていると「屈曲型腰痛」や「腰椎椎間板ヘルニア(以下、ヘルニア)」につながる可能性もあります。特に、すでに腰痛持ちの人は注意が必要です。
まずは、キャンプ用の椅子と腰痛との関係について解説します!
腰が丸まった状態が続くと屈曲型腰痛や腰ヘルニアの原因に
腰痛には、腰をそらせたときに発症するものや、前かがみになったときに発症するものなど、さまざまな種類があります。
その中でも今回は、キャンプシーンで発症しやすいと考えられる「屈曲型腰痛」や「腰ヘルニア」について解説します。
まず屈曲型腰痛は、背中や腰の筋肉が過剰に緊張し、前かがみになると痛みが強まるのが特徴。症状がひどい場合、立ち上がる瞬間や重たいものを持った瞬間に強い痛みが走り、いわゆる「ぎっくり腰」にもつながります。
続いて、腰ヘルニアは、背骨と背骨の間にある「椎間板」という組織が腰の神経を圧迫して腰痛が生じるもの。
腰ヘルニアは腰の痛みだけでなく、脚の痛みやしびれにもつながる可能性も……。
屈曲型腰痛と腰ヘルニアは違った種類の腰痛ですが、長時間腰や背中が丸まった状態でいると発症しやすいという共通点があります。
また、屈曲型腰痛や腰ヘルニアを発症しやすい人の職業としては、下を向きながら力仕事をする人(介護や配送業など)や、デスクワークの人が多い印象です。
キャンプ用の椅子は腰が丸まりやすいのが特徴
実は、キャンプ用の椅子は腰や背中が丸まりやすいものが多いです。特に、ロースタイル用の椅子やコットなど、座面が低い椅子に座ると腰が丸まりやすい傾向が強まります。
下の写真は、丸椅子とキャンプ用の椅子での姿勢の違いと、それぞれの腰の骨の状態を表したもの。
腰の骨は通常、ゆるやかに反っているのが特徴(図左下の写真)。上図左上の写真ように高さがある椅子に座ると、比較的腰の反りを維持しやすいです。
一方、キャンプ用の椅子に座ると、背中全体が丸まってしまいます。腰や背中が丸まった姿勢が長時間続くと、腰の筋肉が緊張したり、腰ヘルニアを発症しやすくなったりします。
そのため、「腰痛を予防したい!」「すでに腰痛だけど悪化させたくない!」という方針でキャンプの椅子を選ぶ場合、腰や背中が丸まりづらいものを選ぶのがおすすめです。
腰痛対策におすすめの椅子!現役理学療法士の筆者が厳選したアウトドアチェア3選
ここまでの話を踏まえ、筆者が厳選した腰痛になりにくいアウトドアチェアをご紹介します。
ここでご紹介するアウトドアチェアは、座面が高めで、腰や背中の支えがしっかりしているもの。ただし、体格により感じ方は異なるので、店舗で実際に座るなどしてから購入するのをおすすめします。
腰痛対策におすすめのアウトドアチェア【1】LOGOS(ロゴス)『Tradcanvas ワークバックチェア』
発売年・モデルイヤー: 2021
1つめにご紹介するのは、LOGOS(ロゴス)の『Tradcanvas ワークバックチェア』です。
Tradcanvas ワークバックチェアは腰当てが付いており、腰が丸まりづらいのが大きな特徴。座高が46cmと比較的高い点も、腰痛予防の観点からは嬉しいポイントです。
また、アームレストが高い位置にあり、テレワークにも使いやすい仕様。腕を置く位置が安定するので、肩こりがある人にもおすすめです。
デスクワークにも良し、背もたれに身体を預けてのんびり過ごすのにも良しの、ハイブリッドな椅子と言えるでしょう!
LOGOS(ロゴス)『Tradcanvas ワークバックチェア』
- サイズ:約高さ104×幅63×奥行80cm
- 座面高:約46cm
- 収納サイズ:約直径23×長さ104cm
- 耐荷重:約150kg
- 重量 :約5.3kg
腰痛対策におすすめのアウトドアチェア【2】Coleman(コールマン)『サイドテーブル付きデッキチェア』
安定感のある設計
持ち運び時に使用できるハンドル付
コンパクトに収まる
使用時サイズ:約87×52×77(h)cm
収納時サイズ:約16×52×77(h)cm
続いてご紹介するのは、Coleman(コールマン)の『サイドテーブル付きデッキチェア』です。
サイドテーブル付きデッキチェアの座面高は、44cmと比較的高め。背もたれは肩甲骨の下端までですが、背もたれの張りがしっかりしているため背中を預けても安定しています。
また、備え付けのサイドテーブルも使いやすく、アウトドアチェアとしての機能も◎。今回ご紹介する椅子の中でもっとも安価なのも嬉しいポイントです。
Coleman(コールマン)『サイドテーブル付きデッキチェア』
- サイズ:約高さ77×幅87×奥行52cm
- 座面高:約44cm
- 収納時サイズ:約高さ77×幅16×奥行52cm
- 耐荷重:チェア/約100kg、サイドテーブル/約5kg
- 重量 :約5.5kg
腰痛対策におすすめのアウトドアチェア【3】THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)『TNFキャンプチェアスリム』
軽量なアルミフレーム
アルマイト加工の表面
コンパクトに収納可能
スタッフバッグ付属
3つ目のご紹介は、THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)の『TNFキャンプチェアスリム』です。
TNFキャンプチェアスリムは座面がしっかりしていて、座ったときにあまり沈まないのが特徴。座面が沈まないと骨盤を立てやすく、腰も含めて背骨全体の姿勢を保ちやすくなります。
また、背もたれが長く背中全体を支えてくれるのもおすすめポイント。身長176cmの筆者の場合、肩甲骨の中間地点ぐらいまで支えられ、ゆったりと座れました。
アームレストが短いので、人によっては腕の置き場に困るかもしれません。ただ、スタイリッシュなデザインや腰痛予防の観点からは、高い評価をできる椅子だと感じました!
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)『TNFキャンプチェアスリム』
- サイズ:約高さ84×幅51×奥行58cm
- 座面高:約42cm
- 収納時サイズ:約高さ100×幅16×奥行23cm
- 耐荷重:約80kg
- 重量 :約2.9kg