ケロシンランタンは何十年も使えるギア! しかし、メンテナンスは必須

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私はコールマンのケロシンランタンを愛用しています。
ケロシンランタンは灯油を燃料とした加圧式ランタンのことです。どういった機構でどうやって使うのかは以前、この記事にて書きました。
ケロシンランタンはメリットが多く、何十年も使えるとても便利な道具なのですが、ただし、一部パーツが消耗品であり、それらを定期的に交換・メンテナンスしてやる必要があるのです。
パーツのうち、マントル(発光体)は、布でできていて破れやすいですし、初回の取り付けから自分で行うこともあって、これはどなたでも特に問題なく交換をされていると思います。
また、ガラスでランタンを覆うグローブ(ホヤ)は、割れたら交換をする、というのも分かりやすいですね。
今回はこのマントルとグローブ以外の、「ポンプカップ」「ジェネレーター」についての交換方法を取り上げます。
言ってしまえば、これらの交換方法だけ分かっていれば、加圧式ランタンのメカニズムの基本はほぼすべて理解したと考えて差し支えありません。
そして、やってみればわかりますが、難しい部分はほとんどありません。
どの道、長く使うためには避けられない話なので、まずは一回チャレンジしてみるといいでしょう。
ケロシンランタンのポンプカップの交換方法
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ポンプカップは、ケロシンランタンのポンピングレバーの付け根にあります。
ゴム製で、これが劣化すると、ポンピング(加圧)をしても正しく圧がかからないようになり、ランタンとしての機能が大きく損なわれてしまいます。
普通、ケロシンランタンはポンピングを10~30回もすると圧がかかって、それ以上ポンピングレバーが押し込めなくなります。
この状態が正常です。
しかし、何十回ポンピングしても手応えが変わらない場合、内部のポンプカップが劣化している可能性が高いので、交換をしましょう。
交換用のポンプカップはガソリンランタンと同じものが使えます。
画像のように、カップと留め金がセットになっています。

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交換をする場合は、まず、ラジオペンチでケロシンランタンのポンピングレバーの根本にある凹みを挟み、反時計回りに回して、フックを外します。
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そのまま引っ張ると、ポンプカップごとポンピングレバーが抜けます。
真っ直ぐ引っ張らないとレバーが曲がってしまいますので、慎重に引き抜きましょう。
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留め金はツメで固定されているので、ラジオペンチで折り曲げ、留め金を外します(ツメを曲げた留め金はもう使えないので廃棄しましょう)。
これで、ポンプカップも取り外しができます。
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ポンプカップを新しいものに交換したら、新しい留め金で押し込んで、ツメで固定します。ツメは専用の道具など無くても、押し込めば引っかかる仕組みです。
「元々どうなっていたか」を思い出しながら、順番を間違えないようにします。

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ポンプカップをつけたポンピングレバーを戻す際、レバーの差し込み穴の内側にはリュブリカント(スピンドル油)を2~3滴差し込んでおきます。
ポンプカップが劣化していなくても、このオイルが不足していると不調の原因になりますので、定期的にオイルをさしてやりましょう。
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最後に、ポンピングレバーを数回押し込んでみて、滑らかに動き、なおかつ圧が適正にかかればポンプカップのメンテナンスは完了です。
ケロシンランタンのジェネレーターの交換とメンテナンス
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ジェネレーターは燃料の気化装置のことで、ケロシンランタンにとってはまさに命ともいうべきパーツです。
ただ、長く使っていると煤がついたり、焦げ付いてくるので、おおよそですが2年に1回程度は交換が必要になります。
特にケロシンランタンは煤が出やすいので、「着火しない」「着火してもすぐに火が消える」「明かりがボワボワして安定しない」などの症状が出るようになったら、時期に関わらずジェネレーターの交換を検討してみましょう。
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ケロシンランタンのジェネレーターには、プレヒート用のアルコールを入れるカップがついており、まずはこれを持ち上げて、その下の皿状の金具(ヒートシールド)を取り外します。この部品は特に固定されていないので、取り外しは簡単です。
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すると、中心部にボルトが見えるようになるので、これを回して外します。
ここではモンキースパナを使用していますが、専用の金具を使用した方が安心です。
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ボルトを外すと大部分のパーツが外せるようになります。真上に持ち上げるようにして大きなパーツを外し、ジェネレーターをむき出しにしてから、ジェネレーターの根本のナットを回して緩めていきます。
これも、ラジオペンチで作業していますが、専用の金具を使用したほうがいいでしょう。
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取り外したジェネレーターの中身がこちら。ニードル、スプリング、そして外側のケースの三層構造になっているのがわかります。
結構煤がついていますね。こうなるときちんと明かりがつかなくなるのです。
なお、煤のつきが少ないようなら、擦ったり、焼ききったりしての掃除だけで済む場合もあります。
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新しいジェネレーターのニードルのお尻にあるフックをランタン側に引っかけ、バラバラにならないように注意しながら取り付けます。
なお、このフックは燃料用のダイヤルと連動して動きます。フックが出ていない場合はダイヤルを慎重に回してみてください。
新しいジェネレーターを取り付けたらすべてのパーツを元の位置に戻します。
この時、ナットとボルトをしっかりと締めます。
締め方が甘いと正しく動きませんし、パーツの歪みなどにも繋がります。
以上で、メンテナンスは完了です。
ケロシンランタンのパーツは純正品を使用して、長持ちさせよう!
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ケロシンランタンのメンテナンスは面倒なようで、一回やると「機械に向き合う」ことの面白さに気づかされます。
パーツを磨きながら分解し、組み上げ、きちんと動いた時の感動・達成感は病みつきになりますよ。
一方で、ちゃんと動かないと、これはストレスになるだけです。
キチンと動かすためにも、メーカー純正品の部品を購入し、正しい方法で交換するようにしましょう。
ちゃんと使えば一生使える道具なので、大事にしたいものですね。