飯盒でご飯を炊くメリットとは?
飯盒は、シンプルかつ携帯性に優れていながら、キャンプ飯の充実度を格段にアップさせてくれるアイテムです。
飯盒があればキャンプ場や登山中でも、直火にかけるだけで本格的なご飯を炊くことができます。固形燃料を使った「ほったらかし炊飯」も可能なので、手軽に調理ができる点も飯盒ならではのメリットです。
また、飯盒で炊飯すると内部に高い圧力がかかるので、炊きあがったお米の旨味がぐっと増しますよ。
鍋やフライパンとして活用できたり、炊飯と同時におかずやスープを作る「同時調理」が可能だったりと、飯盒ひとつでキャンプ飯作りをより楽しめるようになります。
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飯盒を使った炊飯の手順は?初心者でも失敗しない炊き方を徹底解説
ここからは、飯盒を使ったお米の炊き方を解説していきます。飯盒での炊飯に難しいイメージを持っている方も多いはずですが、手順さえしっかり理解すれば、初心者でも失敗せずにおいしいお米を炊くことができます!
まず、飯盒を使った炊飯の手順は次の通りです。
- お米を計る
- 洗米する
- 飯盒に米と水を入れる
- 火にかける
- 蒸らす
- 仕上げ
手順ごとに詳しいポイントも交えて解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
【1】お米を計る:飯盒のふたを活用しよう
まずはお米を計って、炊きたい分量のお米を用意しましょう。
計量カップやシェラカップを使って計ってもいいですが、飯盒のふたを活用して計ることもできます。
中ふたすり切り1杯で2合、外ふたすり切り1杯で3合になります。1合を計りたい場合は、外ふたにお米を入れた後、中ふたに移せば、外ふたに残った分が1合になりますよ!
【2】洗米する:無洗米を使えば楽ちん
洗米して、お米の表面の不純物や余分なでんぷんを取り除いていきます。
お米を洗いすぎると旨味が流れ出してしまったり、粒が欠けてしまったりするため、清水を使い、優しく数回かき混ぜる作業を2~3回繰り返す程度にしましょう。洗米の手間を省きたいときには、洗わずに炊ける「無洗米」を使うと便利です!
また、時間に余裕があるときは、洗米後のお米を「浸水」させるとよりふっくらとした炊きあがりになります。夏場は30分、冬場は60分を目安にお米を水に浸けて、時間が経ったらしっかり水を切ってくださいね。
【3】飯盒に米と水を入れる:飯盒の目盛りをチェック
洗ったお米と、必要な分量の水を飯盒に入れます。
多くの飯盒は内側に2合炊き・4合炊きの目盛りがついているので、2合炊き・4合炊きの場合は目盛りの位置まで水を入れればOKです。1炊きの場合は2合炊きの目盛りの半分、3合炊きの場合は4合炊きの目盛りの半分を目安にしましょう。
ただし、飯盒の目盛りは「だいたいの目安」なので、慣れていないうちは計量カップやシェラカップを使って計るほうが確実です。お米1合に対して約200mlの水を用意してくださいね。
【4】火にかける:固形燃料を使えば失敗しづらい
ふたをした飯盒を火にかけて、最初は弱火から始め、徐々に中火にしてじっくりと加熱していきます。中の水が沸騰して蒸気が出始めたら弱火にして、5~7分を目安に、飯盒の中で「チリチリ」と音がするまで火にかけましょう。
沸騰後は石などを重しにしてふたを固定すると、内部の温度や圧力が安定してよりおいしく炊きあがります。
熱源は焚き火や炭火でも良いですが、焚き火や炭火は火力調整がしづらいため、慣れないうちはバーナーか固形燃料を使うのがおすすめです。
特に固形燃料は一度火を点けたら火力調整の必要がなく、ほったらかしで炊飯できます。お米1合に対して30gの固形燃料1個を目安にして火にかければ良いので、ぜひ固形燃料も活用してみてくださいね。
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【5】蒸らす:10~20分はふたを取らない
ご飯を炊いた後の蒸らしは、お米が均等に水分を吸収し、ふっくらと仕上げるために非常に重要な工程です。
蒸らしの時間は、火を止めた直後から10~20分が一般的。蒸らすことで炊きたてのご飯が余熱でじっくりと仕上がり、粒立ちが良く、柔らかさと甘みが増すため、焦らずに待ちましょう。
ふたがずれると蒸気が逃げてしまうこともあるので、火から外したら触らず、静かに置いておくのがポイントです。
【6】仕上げ:空気を含ませるように優しく混ぜる
蒸らし終わったら、ふたを開けて、しゃもじで底から優しく混ぜて仕上げます。
混ぜることでご飯の温度が均一になり、ふっくらとした食感と美味しさが増しますよ。混ぜる際は、ご飯を潰さないように注意しながら、全体に空気を含ませるように行うのがポイントです。
混ぜた後、ご飯の芯に硬さが残っている場合は、追い炊きする方法もあります。その場合は、大さじ1~2杯の水を加え、再び飯盒の蓋をして弱火で数分間加熱します。その後、再度蒸らしを行って、予熱でお米にじっくり火を通すことで、芯の硬さがなくなるはずです。
お米がよりおいしく炊きあがる!飯盒で炊飯するときのコツ
基本の炊飯方法は前で紹介した通りですが、ここから紹介するポイントを押さえることで、よりおいしく、上手にお米を炊くことができます!
タイミングは時間と「五感」で判断する
「火にかける」「蒸らす」といった作業は大まかな目安時間が決まっていますが、時間だけでなく五感を使ってタイミングを見極めるのも大切です。
特に、飯盒を火にかけているときは、飯盒の内部から聞こえる「グツグツ」と沸騰する音や、「チリチリ」とお米が焦げる音、甘いご飯の香りなどのサインも見逃さないようにしてください。
グツグツという音が大きく聞こえたり、焦げ臭いにおいがしたりするときには「火力が強すぎるかも」と判断して調整するとより失敗しづらくなります。
始めと終わりは焦がさないように注意する
飯盒での炊飯において、始めと終わりの焦げを防ぐのは非常に重要なポイントです。
始めに焦がしてしまうと、全体に苦味やコゲの匂いが広がり、おいしさが損なわれます。炊飯の手順でも紹介した通り、最初は弱火で、徐々に中火にするようにしましょう。
また、飯盒内の水分がなくなってからも火にかけていると底が焦げ付いてしまうだけでなく、お米がパサパサとしてしまいます。音や匂いを感じ取りながら、炊き上がりのサインを見逃さないようにしてくださいね。
ふたはなるべく開けないようにするのがいいですが、もし炊飯中に「焦げていないか」「水分が不足していないか」と心配になったら、途中でふたを開けてご飯の状態を確認してもOKです。なるべく熱や蒸気が逃げないように、少しだけ開ける程度にとどめ、手早く確認してからふたをしっかり閉めましょう。
焚き火や炭火の火力は「炎」と「熱さ」で見極める
火力調整が難しい焚き火や炭火ですが、炎の大きさや、炭の熱さで見極めるのがコツです。
焚き火の場合、弱火は飯盒の底に炎が届かない程度、中火は炎が底に触れる程度が目安となります。
また、炭火の場合は、炭火から15cmほど離れた位置に手のひらをかざし、「熱い」と感じるまでの時間で火力を見極めましょう。熱さを感じるまでの時間は弱火が10秒程度、中火が6秒程度が目安です。
火力が強いときは薪や炭の量を減らしたり、飯盒と熱源の距離を変えて調整してくださいね。
炭酸水を使って炊飯する
炭酸水を使うと、炭酸ガスがお米の中にまで浸透することで、熱の通り方がまったく違ってきます。一粒一粒がツヤツヤと輝き、お米のグレードが1つ2つ上がったぐらいの仕上がりとなるので、ぜひ試してみてください。
使う炭酸水の量は、通常の炊飯で使う水の量と同じでよく、水を炭酸水に置き換えるだけでOK!お米は炊く前からの温度差があるほうがおいしく炊きあがるため、なるべく冷やした炭酸水を使うとよりおいしく仕上がりますよ。
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1合につき小さじ1杯の油を追加する
お米1合に対して小さじ1杯の油を入れることで、ふっくら感とツヤが増し、時間が経ってもおいしいご飯に炊きあがります。
油はお米を炊く前、水を入れるのと同じタイミングで入れて、しっかりとかき混ぜます。入れるサラダ油・米油・亜麻仁油など、匂いがきつくない油であればなんでも大丈夫です。
1回で食べきれないときや、おにぎりにするときなど、時間が経ってから食べる場合は特に、お米の柔らかさやもっちり感の違いに感動しますのでぜひお試しあれ!
怪我や火事に気をつけて慎重に取り扱う
飯盒に限った話ではありませんが、火を使った調理では熱や炎、火の粉による怪我や事故のリスクがあります。せっかくおいしいご飯が炊けても、怪我や事故があっては台無しですので、慎重に取り扱ってください。
飯盒に触るときには耐火・耐熱手袋を使用したり、飯盒を火にかける際には十分な安定性があるかきちんと確かめたりしましょう。また、近くに水を用意しておくと、安心です。
何よりも安全を第一に考え、怪我や事故を防ぐための対策をしっかりと行ってくださいね。
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飯盒を使ったお米の炊き方は意外と簡単!キャンプ飯をもっと楽しもう
飯盒での炊飯に難しいイメージを持っている方も多いですが、適切な分量や手順が分かれば、初心者でも失敗せずに、おいしいお米を炊くことができます。
今回ご紹介した手順やポイントを参考に、ぜひ飯盒での炊飯にチャレンジしてみてくださいね!
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