アウトドア業界との出会いは悩んでいた時代に始めた「登山」
みーこパパと申します、本日はよろしくお願いします!
猪野さんは焚き火マイスターとしてご活躍ですが、本業はアウトドアプランナーなんですね。
肩書を付けるとしたら、そうですね。実際は何でもやります。
焚き火マイスターというのは?
別に自分で名乗っているわけではないんですが、キャッチコピーみたいなものですね。
アウトドア業界に入ったきっかけは何ですか?
事業に失敗して借金を抱えた際に、登山に行ったらハマりまして。それまではモデル業界という厳しい世界だったのですが、アウトドアを体験するとまるっきり違いましたね。疲れたら立ち止まり、休んでもいいんだと。山に癒やされて、そして登山のライターにもなりました。
それでは登山もけっこうやられるんですね。
仕事で行くことが多いですが、プライベートでも。
今は近県が多いですが、この業界に入った時は周りにすごい登山キャリアの人が多くて。自分も箔をつけるために、海外の山にも登りに行きました。メキシコのトルーカ山という、標高4,600mぐらいの山に。
いきなりすごいですね!
実は裏がありまして。この山、4,000mまでは車で行けるんですよ(笑)実際に登った高さはわずか600mぐらいなんです。
オチがあるんですね(笑)
焚き火は失敗こそスキルアップの近道!試行錯誤しながら仲間と楽しむことがポイント
焚き火について、こだわりなどを伺えますか?
こだわりを持ってしまうとアウトドア初心者に対してハードルが上がってしまうので、ワークショップなどで教える側としては固まった考えを持たないようにしています。
アウトドアシーンでは目的(移動、買い出し、設営、火起こし、調理、撤収など)が多く、楽しむことやリラックスすることを忘れがちです。なので、焚き火の場合は過程よりも結果(焚き火を囲む)を大切にしています。着火剤をバンバン入れても良いですし、ガスバーナーで燃やしても良いと思っています。ただ火起こしのハウツーを知っておくと震災など「いざという時」にときに役に立ちます。
極論、火が着けばいいという。
そうですね。
上級者がみんな火打ち石で火を着けているわけではないので、初心者の皆さんも安心してライターや着火剤など文明の力に頼ってください。
焚き火をどんな人におすすめしたいですか?
炎の揺らぎにはリラックス効果があるとされているので、病んでいる人や疲れている人。あとは火起こしなどを失敗しても笑ってくれる仲間がいる人。アウトドアでは、どこか「失敗しちゃいけない」というイメージがあり、格好つける傾向があります。「失敗」こそ、スキルアップの近道なので、そういう笑ってくれる仲間とワイワイと試行錯誤しながら楽しく焚き火をしてほしいです。
失敗を恐れず楽しくやる、それは大事ですね。
アウトドアには失敗がつきものですので、たくさん失敗してもいいんです。
そうですね。失敗して得た知識や経験は忘れませんよね。
僕みたいに「焚き火マイスター」なんて言ってると、どんな状況でも焚き火できると思われるんですけど(笑)
プレッシャーですね(笑)
もちろん実際はそんなことないですし、僕も失敗することはあります(笑)
「格好つけないことが大事」と格好いい人がおっしゃると、普通は少なからず鼻につくものがあるものですが、猪野さんの場合はそれが全くありませんでした。元モデルさんなのでもちろん格好いいんですが、虚勢を張らず自然体で、飄々としている猪野さんの人柄だと思います。
実はソロキャンプが苦手!?その理由とは・・・
キャンプについてはどうですか?
仕事では行きますが、プライベートではあまり行かないですね。
そうなんですね。日々お仕事でもやっているので、改めては行かない感じですかね。
逆質問ですけど、けっこう行かれますか?
はい、家族でもソロでも行きます。
ソロも行かれるんですか。僕ソロは駄目なんですよ。
そうなんですか?意外です。バンバン行ってそうに見えます。
しゃべる相手がいないと寂しくて。1人でファミレスも無理です(笑)
意外ですね(笑)楽しみ方は人それぞれですからね。
ソロでやってて、寂しくはないですか?
寂しさを感じることもありますけど、それもソロキャンプの楽しみですね。
ドMじゃないですか(笑)
かもしれません(笑)登山やアウトドア自体が、ドMな行為ですよね。あえて不便を楽しみに行くという。
家に居た方が断然快適ですからね。
焚き火料理のオススメはタケノコ、玉ねぎ、ミカン
焚き火での料理についてはどうですか?おすすめなどありますか?
色々ありますが、タケノコを皮がついたまま火の中に入れての蒸し焼きです。皮を剥いて刺身醤油で食べるとうまいですよ。
それは絶対美味いやつですね!
野菜を皮付きのまま焼くパターンは、けっこういけますね。簡単ですし。
トウモロコシや長ネギとかは焼いたことあります。
あとは玉ねぎとか。ミカンもおすすめですよ。缶詰のミカンみたく甘くなるので。
ミカンはやったことないので、今度試してみたいです!
「千葉市を焚き火特区に」猪野さんが考える焚き火の未来像とは
猪野さんの今後の活動などについて、お聞かせ頂けますか。
焚き火ができる場所を増やしていきたいですね。
確かに、都会で焚き火できるところは少ないですよね。
テレビの影響もあって、先日、千葉市役所の方から連絡がありました。はじめ連絡をもらった時は怒られるかと思いましたが、焚き火に興味をもっていただいたみたいで、一緒に千葉市を盛り上げていきたいと。嬉しいかぎりです。
行政から相談ですか、すごい話ですね。
そこでかなり無茶な要望を出しました。千葉を焚き火特区にしてくれと!!!(笑)危ないものを何でも禁止にするのではなく、許可しながらコントロールできたらもっと日常が楽しくなるはずです。
いい考えですね。千葉なら東京からのアクセスもいいですし、もしできたら行きますよ。
使い道がなく遊んでる土地で焚き火ができるよう、軽く整備すればできますので、より気軽に焚き火ができるようになってほしいです。
場所を提供して、ルールをしっかり作ればいけそうですね。
みーこパパの編集後記
ある程度の年齢の方ならご存知かと思いますが、昭和の時代に野焼きは当たり前で、住宅街でも落ち葉焚きなどは普通にやっていました。もちろん直火です。昔は当たり前に行われていたことですが、今はまず無理です。
もちろん禁止すべき理由、燃やすと有害物質が出る物を燃やしたり、火事につながったりといった事情もあったのだと思います。それを決まった場所で、燃やすものも薪に限定して許可してくれるなら、今より焚き火が身近になることでしょう。
猪野さんが実際に焚き火のワークショップをやっていても、マッチやライターの付け方を知らないお客さんが大勢いらっしゃるそうです。別に悪いことではないのですが、焚き火を見て癒やされる体験をより多くの人にしてもらいたい!という猪野さんならではの思いが伝わりました。
猪野さん自身が人生で挫折を味わった際に、登山や焚き火といったアウトドア活動で癒やされた経験があるからでしょうか。とても説得力があります。
今回は名古屋テレビ放送(メ〜テレ)さんの会議室でのインタビューでしたが、やはり焚き火マイスターとは焚き火をしながらお話したいと思いますので、次回は一緒に焚き火させて頂く予定です!
焚き火特区の実現、成功例ができれば千葉以外にも広がることでしょう。私も楽しみですので、応援していきたいです!