ペトロマックス『HK500』の点火手順を紹介
煤をきれいにし、点検・調整しましたので、いよいよ点火です。
ここではペトロマックス『HK500』の儀式とも言える、点火の方法を解説します。
マントルをセット
まずマントルをセットします。
写真右側はペトロマックス『HK500』専用のマントル、左側は同じ位の大きさで僕が代替品として使っているコールマンの11型です。
※代替はメーカーが推奨しておりません。使用の際は必ず自己責任で行なってください。
『HK500』の専用マントルは黒くならず11型よりも明るいのですが、ちょっとした衝撃ですぐに崩れてしまい、専用マントルよりもコールマンの11型の方が安価に購入できることから、僕はコールマンを使うこともあります。
それではマントルをノズルにセットします。
余った紐は切っておきましょう。
給油 & ポンピング
次に、燃料である灯油をタンクに入れます。目一杯入れてしまうと空気が少なくなりポンピングしても空気を圧縮することができなくなるので、給油はタンク8割ほどに。
タンクの注油キャップには圧力計と圧力調整スクリューが付いています。給油したらキャップと圧力調整スクリューをしっかり閉め、圧力が抜けないようにしてからポンピングします。
ポンピングしていくと圧力計の針が上がってきますので、赤いラインに達するまで圧力をかけてゆきます。
万が一『HK500』が火だるまになった時には、この圧力調整スクリューを反時計回りに回せば、タンク内の圧力が抜けて消火することができます。
マントルのから焼き火入れ
ここからいよいよペトロマックス『HK500』に火入れします。
まずは、プレヒートとマントルのから焼きを行います。
余熱バーナーのレバーを手前に引くと、圧力の掛かったタンクから霧状の燃料が噴出します。
このガスにライターなどで火を点けると、「ゴー!!!!」と言うすごい音がして勢いよく火が付きます。
マントルに火が燃え移ったら、余熱バーナーのレバーを閉じ、マントル全体にゆっく火が回り白く変色するのを待ちましょう。
マントルが白くなったらから焼き完了です。
タンク内の圧力が弱くなっているので、今一度ポンピングをして赤いラインまで圧力を上げていきます。
プレヒート
次に、余熱バーナーのレバーを手前に引き、霧状に出ている燃料に点火してプレヒートを行います。
約90秒間、余熱バーナーの炎によってジェネレーターを熱し、中の燃料が気化して安定した燃焼になるまで我慢します。
プレヒートしている間もタンク内の圧力は下がり続けますので、目盛りを確認しながらポンピングします。
『HK500』が火だるまになるかきれいに燃焼するかは、このプレヒートにかかっていると言っても良いくらい。すごく重要な儀式なのです。
点火
90秒間のプレヒートが終わったら、グリップホイールを180度、矢印を上から下に向けて、ガスを放出します。
マントルが光り始めたら余熱バーナーを閉じてタンク内の圧力を確認。何度か暗くなったり明るくなったりしながら、マントルが眩しいほど明るく光ったら、点灯完了です。
安定して点灯したからと言ってこれで終わりではありませんよ。
燃焼が続けばタンク内の圧力は下がってきますので、1~2時間ごとにポンピングして圧力を保ちます。
ペトロマックス『HK500』は一緒に経験を積み重ねられるキャンプの相棒
皆さんには、一緒に経験を積み重ねられるキャンプの相棒はいますか?
今回ご紹介したペトロマックスの『HK500』は、コールマンのランタンのようにメンテナンスなしでも常にベストパフォーマンスを発揮してくれるようなギアとは決して言えません。
ご覧いただいたように、火だるまになるし、煤だらけになるし、いろんな所から燃料が漏れるし、部品が緩んで脱落するし、点火するときに面倒な儀式があるし、キャンプに連れて行ってもまともに点灯するとは限らない、すごく気分屋で、手のかかるランタンなのです。
でも、キャンプサイトで光り輝いているときの姿は唯一無二。
その姿を楽しむために、煤だらけで黒くなってしまったHK500を磨き、点検・調整する。そしてキャンプへ行くたびに傷や汚れが増えて味わいが増していく。そうやって一緒に経験を積み重ねて成長するたびに、愛着が深まっていくのです。
僕はそれがペトロマックス『HK500』の魅力だと思って使い続けています。
購入を検討されている皆さんも、今回の記事を参考に、キャンプの相棒を手に入れてみてくださいね。
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