3. ツーポール式テント
ツーポール式とは、ワンポール式テントに考え方が近いのですが、その名の通りポールは1本から2本になります。
頂点が2か所になるためワンポール式テントよりも広い室内を確保できるのが最大のメリットです。
ただし広いと言っても、頂点に向かってすぼむ形状もあり、トンネル式や2ルーム式ほどではありません。インナーテントは端のスペースに小型のものを吊るすのが一般的です。
構造上、正面や背面を大きく開け放して使うケースが多く、タープも兼ねたような形状が特徴的です。
ワンポール式に比較すると、ペグの本数は増えますが、構造はシンプルですし、そこまで設営が大変なテントではありません。手間の小ささは初心者向きです。
ただし、ツーポール式テントは広さや手間など、あらゆる面で優れていると言えば言えるのですが、半面、使い勝手が独特で、すべてにおいてやや中途半端な印象もあります。
初心者であっても格好よく使えますし、他人とあまり被るテントではありませんから、好みに合えばオススメできる、といったところでしょうか。
■総重量 (約)24.875kg(ペグ/張り綱/収納ケース含む) ■本体重量: (約)10.81kg(フライ)、10.13kg(ポール)
■素材: [フライシート] コットン混紡生地(VC):コットン60% ポリエステル40%(撥水加工) [ジッパーカバー・マッドフラップ] ポリエステルオックス210D(撥水加工) [メッシュ] ポリエステルメッシュ [フレーム] スチール製クロス型(Φ25mm/325cm)×2セット [キャノピーール] (Φ19mm/180cm)×2本
■付属品:...
4. ワンタッチ式テント
ワンタッチ式テントは形状としてはドーム型になるものがほとんどですが、折りたたまれたポールとテントの布が一体化しており、頂点にあるロープを引っ張るだけでテントが立ち上がるというものです。
また、ポップアップ式というのも同様で、こちらはフレームの反発力で展開、広げただけでトンネルテント形状に戻るというものになります。
従って設営はどんなテントよりも簡単で、ほぼ迷うところがありません。
一瞬で立ち上がり、ペグがなくても一応は自立するのも強みです。
テントの布は、インナーテントとフライシートが一体化したダブルウォール式がほとんどで、この点も広げるだけで張れるわけですから、考慮する必要はありません。
以上の点を見ていくとワンタッチ式テントは文字通り最高の選択肢なのですが、しかし、ワンタッチ式テントはあまり大きさや高さがないものがほとんどなので、オープンタープをつけたほうが快適になると思います。
インナーサイズ:(約)W275×D205×H142cm
収納サイズ:(約)W90×D26×H26cm
重量(付属品含む):(約)10.5kg
収容可能人数:大人5名
耐水圧:フライ生地:3,000mm、フロア生地:5,000mm
UVカット:UPF50+
セット内容:テント本体、フライシート、グランドシート(本体に取り付け済)、キャリーバッグ、ペグ×14本、ペグ収納袋、ロープ×6本(フライシートに取り付け済)、タイベルト×2本
※インナーテント生地に防水性はありません。雨天時は必ず付属のフライをご使用ください。
5. エアフレーム式テント
本来金属のポールを、エアチューブに置き換えたタイプのテント「エアフレーム式テント」も最近は少しずつ増えてきています。
これは数本位置固定のためのペグを打ち、電動ポンプなどで空気をエアチューブに送り込むだけでテントの設営が終わるという画期的なもので、構造的に考えればミスなどの可能性はほぼありません。
テント、ポールが一体化しているという意味ではワンタッチ式テントに近しいですが、ワンタッチ式テントとは異なり、かなり大型のタイプがあるのが強みです。
このため、タープもいらず、広大な空間が簡単に得られます。
強度については、エアフレーム部分にTPU(熱可塑性ポリウレタン)などの頑丈な素材が用いられており、ちょっと何かが当たった結果、切れて空気が抜けてしまう、ようなことはまずありません。
▼エアフレーム式テントのおすすめはこちら
▼QUECHUA (ケシュア) エアーテント AIR SECONDS 4.1のレビュー記事はこちら
初心者ファミリーには設営難易度が高いテントについて
「初心者向け」として思い起こされがちなのはドーム型テント、あるいは2ルームテントがあります。また、見た目のかわいらしさからロッジ型テントも人気があります。
手間から考えると、これらは初心者向けとは言い難い部分があります。
ただ、幾つかのポイントを見極めれば、初心者といえどもそこまで使いにくいわけでもないので、以下の点に気を付けて見てみましょう。
1. ドーム型テント&2ルーム型テント
ドーム型テントと、それに巨大なフライシートをかぶせた2ルームテントは、「テントらしい形をしたテント」なので、初心者が真っ先に選びがちな傾向にあります。
クラシックな形状は実際立ててしまえば確かに使いやすいのですが、ドーム型テントで最低2本、2ルームになるとプラス1~2本はポールが必要となり、違う種類のポールを組み合わせながら、まずインナー、次にフライシートと組み立てていくのは、初心者にとってはなかなかのハードルです(しかも1人ではかなり難しい)。
一方でインナーテントはペグなしで自立するものも多く、2ルームなら前室もあり、広さも上々だと言えるでしょう。
ですので、最大の問題はポールなのです。
スノーピーク製品のように、ポールが明確に色分けされていたり、スリーブをなるべく通さないタイプのものを選ぶと、かなり手間は軽減できると思いますし、使い勝手の良い相棒になるでしょう。
▼ドーム型のおすすめテント
● 材質:フライシート/75Dポリエステルタフタ・PUコーティング耐水圧1,800mmミニマム・テフロン撥水加工・UVカット加工、インナーウォール/68Dポリエステルタフタ、ボトム/210Dポリエステルオックス・PUコーティング耐水圧1,800mmミニマム、フレーム/ジュラルミンA7001+A6061(φ12.8mm+φ12mm・前室φ11.8mm+φ12mm)
●...
2. ロッジ型テント
ロッジ型テントはガッチリとしたフレームを組み上げ、そこにシートを被せることで、文字通り家のようになるテントです。
基本的に高価格帯のテントなのですが、何しろ見た目がスタイリッシュなので、つい初心者が手を出しがちな存在でもあります。
最大の問題はフレームを組み上げるポールの種類と本数の多さ。
ほとんどの場合「屋根」「柱」「ひさし」で別の種類のポールを使い、それぞれが複数本あるため、トータル10~20本程度になります。
これをポール同士連結させて骨格を作ってやるのです。
しかもポールをいきなり組み上げてしまうとシートがかけられない(手が届かない)ので、完成形が想像できないと、非常に手こずる可能性もあります。
とはいえ、いったんやり方がわかってしまうと、驚くほど簡単なのもロッジ型テントの特徴です。
他のテントと異なり、まず骨格を作ってしまうので、布を地面に広げずに被せることができるのも大きなメリット。
ただ、あまり広さはないので、結局オープンタープは欲しい気がします。
ロッジ型テントの場合「これなら簡単」と言えるものはないのですが、一方で練習さえきちんとすれば、どんなロッジ型テントも同じような考え方で簡単に立てることができます。
素材 フライ:ポリエステル210d(耐水圧 1800mm)、インナーテント:ポリエステル68d、T/C、グランドシート:ポリエステル210d(耐水圧 1800mm)、フレーム:スチールΦ22mm
収納サイズ:82×24×36cm
付属品:張り縄、アイアンハンマー、スチールピン、収納袋
機能:テフロン、UVカット、SEAM SEAL
キャンプの時間は有限 慣れないうちはとにかく不安のないテントを選ぼう!
キャンプを始めるにあたり、「まずはテント選びから」と考えるのは普通のことですし、非常に種類の多いテントの中でいきなりベストの選択ができる人はあまりいません。
私も最初に購入したテントはご多分に漏れず2ルームタイプでしたし、結局そのテントは家族で2回程度使っただけで使用をやめてしまった経験があります。
そういう意味では最初はレンタルテントなりでゆっくり検討する時間を設けるのが正しいのでしょうね。
皆さんに改めて考えて欲しいのは、キャンプで使える時間は一泊ではおよそ24時間しかないということです。
この限られた中で、設営撤収にかける時間は少しでも削っておきたいものです。
不慣れなテントで設営に2時間や3時間もかけてしまうと、後の夕飯や焚火、そして入浴などの予定がどんどん後ろにずれていき、せわしない一泊を過ごすことになります。場合によっては汗まみれのまま入浴できないなんてこともあります。
もちろんラグジュアリーな時間を過ごしたい、気に入ったテントでのんびり過ごしたい、というキャンプの楽しみ方もあるので最終的には人それぞれではありますが、しかし初心者のうちはそこまでしなくても十分でしょう。
初心者のうちは、とにかくキャンプそのものを楽しむべきですし、実際最初のうちはすべての体験が楽しく感じられるはずです。
そのためになおのこと余計な時間は削るようにしたいですし、削るための不安要素に「テント設営」がなるべく入ってこないような選択をするといいのかなと思います。
どうぞ参考になさってみてください。