今回の記事では、実際に登った経験のある筆者がおすすめする初心者向けコースや日程プラン、持っていくべきアイテムなど豊富な情報をご紹介します。
【基本情報】実は八ヶ岳という単独の山は存在しない!赤岳を含む南八ヶ岳エリアは日本百名山にも選定
八ヶ岳とは「山脈の総称」
八ヶ岳は山梨県と長野県に跨る南北に約30km、東西に約15kmに広がる山脈の総称です。そのため、八ヶ岳登山と言っても単独で八ヶ岳という山は存在しません。
「赤岳」を含む南八ヶ岳エリアは日本百名山でもある
今回は八ヶ岳の山々の最高峰である標高2899m「赤岳」への登山コースをご紹介します。ちなみに、この赤岳を含む南八ヶ岳というエリアは日本百名山にも選ばれています。
【初心者でも登れる】主峰「赤岳」を登頂するおすすめルート&登山口までのアクセス方法
【赤岳登頂】おすすめルートとコースタイム
今回のご紹介するコースは、八ヶ岳の主峰「赤岳登頂」と「初心者でも登れる」という2つの目的達成のため、スタート地点の美濃戸口から赤岳までを「ピストン」かつ、「一泊二日」の行程にしています。
「ピストン」とはスタートから山頂などの目的地を同じルートで上り下りする歩き方であり、登りで確認した登山道の状況を下りの際にフィードバックすることで安全性を高めることができます。さらに最短距離で目的地(山頂)を目指すため、体力の少ない初心者におすすめです。
中・上級者であれば日帰りでも狙えるコースですが、余裕を持って山小屋で宿泊も含めた一泊二日の行程にしています。
なお、「初心者でも登れる」と記載していますが、何度か登山を経験し、必要な装備・道具を揃え、地図の読み方も理解していることが前提です。できれば経験豊富な方と一緒に行くことをおすすめします。
1日目:南沢ルートを進み行者小屋を目指しましょう
1.美濃戸口~美濃戸(約1時間)
スタート地点の美濃戸口から山荘のある美濃戸までは単調な林道が続きます。車も通る道なので注意しつつ、最初は体を慣らしながらゆっくりと歩きましょう。
2.美濃戸~行者小屋(約2時間10分)
美濃戸では北沢ルートと南沢ルートの分岐がありますが、赤岳山頂により近い行者小屋のある南沢ルートを進みましょう。行者小屋についたらここで宿泊となります。
1日目お疲れ様でした。
注)コロナの影響等により山小屋が休みの場合もあります。また、営業している山小屋でも宿泊の際には混雑も予想されますので必ず事前に確認・予約を入れるなどしてください。
2日目:急な階段や岩場があるので慎重に
3.行者小屋~文三郎道~赤岳(山頂)(約2時間)
2日目は行者小屋を出ると山頂まであとよそ2時間ですが、途中の文三郎道は傾斜が急な階段や岩場があります。足元をよく見て慎重に一歩一歩進めば危険な道ではありません。
後ろに人が来ていたら焦ってしまうこともあるため、人の気配を感じたら安全に立ち止まれる地点で止まり、先に行ってもらいましょう。険しい道を越えるといよいよ山頂です。
4.赤岳(山頂)~文三郎道~行者小屋(約1時間30分)
存分に山頂を味わったら、来た道と同じ道を慎重に下っていきます。急斜面や岩場では特に登りよりも下りが危険ですので、登りの時以上に気を引き締めてゆっくりと下っていきましょう。
5.行者小屋~美濃戸(約1時間40分)
宿泊地の行者小屋で休憩したら、再度南沢ルートで美濃戸まで下山します。
6.美濃戸~美濃戸口(約50分)
美濃戸まで来たらゴールはあと少しです。林道を最後まで気を抜かずに歩き進めましょう。
<2日間合計>
◆移動時間:9時間10分
◆移動距離:約19km
【ワンポイントアドバイス】ショートカット(コース短縮)で出発地点を変更の検討を
今回は美濃戸口から出発のルートをご紹介しましたが、実はマイカーであればその先の美濃戸まで車で行き、やまのこ村または赤岳山荘の有料駐車場に止めることもできます。
やまのこ村は、2020年7月17日(金)よりオープンの予定でしたが、コロナウイルスの急激な拡大のため、駐車、ご宿泊などはしばらくの間営業の自粛。
駐車場、ご宿泊のご利用は「赤岳山荘」TEL0266-74-2272にお問い合わせ下さいとのことです。
すると、コースタイムが往復で2時間近くも短縮することが可能です。長時間のコースタイムに不安な方はこのショートカットは大いに検討の余地があります。
ただし、美濃戸口から美濃戸までの林道は舗装されていない悪路で、木の枝が車体に当たったり、車体の低い車は腹をぶつける恐れもありますので、それを踏まえた上で検討しましょう。
【美濃戸口までのアクセス】
・電車&バス
JR中央本線茅野駅からバスで美濃戸口バス停まで約50分
・電車&タクシー
茅野駅から約30分
・マイカー
中央道諏訪南ICからで約10km。(蓼科観光駐車場に120台駐車可能)