フェザースティックとは?

Photographer 吉田 達史
フェザースティックとは、木の表面を削って鳥の羽根(フェザー)のように毛羽立たせて、火が着きやすい状態に加工するテクニックです。ナイフと木、火種さえあれば着火剤を使わなくても焚き火ができるようになります。
木が多少湿っていても削ることで乾燥面を出し、酸素にも触れやすくなるため、木をそのまま燃やすより炎が上がりやすくなります。落ちている木を拾って使うと乾いているとは限りませんので、ブッシュクラフトでは多用されます。
もちろんキャンプで普通に焚き火をする際にも、使える技ですよ!必要に駆られてというよりは、火遊びの一つとして楽しむキャンパーも多いですね。
フェザースティック作りに必要なもの

Photographer 吉田 達史
フェザースティック作りに必要なものですが、まずは木を削るためのナイフ。折り畳みナイフやカッターなどでも削ることは可能です。刃が小さいものの方が、慣れていなくても扱いやすいので削りやすいと言えます。
実際のキャンプなどでは、バトニングからの流れでフェザースティックを作ることが多くなります。刃が薄いナイフや折り畳みナイフはバトニングに向いていないため、複数のナイフに持ち替える手間を考えますと、バトニングに使ったナイフをそのまま使うことになるでしょう。

筆者撮影
続いてはフェザースティックの材料となる薪。直径2~3cm前後、初めのうちは角材のように角がある方が削りやすいです。太い薪しかなければ、バトニングで小割にしましょう。
薪はバトニングと同様に、木目が真っ直ぐな針葉樹が削りやすいです。
その他あると良いものとして、革手袋。手が滑った時に怪我しにくくなるのはもちろん、滑っていなくても薪を握った時にささくれが指に刺さりやすいです。キャンプ中に刺さると地味に痛く、ピンセットが無いとなかなか抜けにくいですよ。

筆者撮影:革手袋と軍手
熱くなるわけではないので、手が保護できて滑りにくいものなら革製でなくとも構いません。バトニングして、フェザースティックを作って、火を着けて焚き火...という流れになることを考えますと、ある程度の耐熱性があるものなら付け替えずに済みます。

作業に使っていると必ず汚れるものなので、安価な手袋で構いません。耐熱性が高いグローブほど分厚くなりますが、ナイフを握りにくくなります。上記リンクのような革製ワークグローブがバランスが良く、おすすめです。
次は、いよいよフェザースティックの作り方実演!
フェザースティックを作ってみよう

筆者撮影
まず利き手にナイフを持ち、木材の角の部分にナイフを斜めに当てます。木材の先端は地面に当てると動きにくいです。写真はカメラで撮るため木材を足に乗せていますが、利き手と反対の手で動かないようしっかりと握ります。
刃の進行方向には、手や足を置かないように気をつけてください。自分だけではなく、他人の身体も含めてです。

筆者撮影
ナイフを手前から奥に動かし、木材の角を薄く削り起こすように一定の角度で削いでいきます。この時に完全に削ぎ落とさず、切れ落ちる前に刃を止めます。

筆者撮影
刃を止めるポイントを少しずつ手前にずらすイメージで、繰り返し削ってください。
ある程度削りましたら、木材の角度を変えて別の角を削ります。

筆者撮影
木材が削られて、中心が少しずつ細くなってきます。折れてしまう前に止めましょう。折れたら折れたで、木片は捨てないでください。それも着火に使えます!

筆者撮影
木目が真っ直ぐな木材でも、削りやすい順目と削りにくい逆目が存在します。上の写真は逆目で削ったフェザースティックです。削ったフェザーが剥がれてしまうため、羽根を長くできません。
逆目でも作れない訳ではないですし、火も着きます。単に削りにくいだけです。削った時に削りカスがポロポロ落ちてしまうようなら、木材を反対にして削ってみましょう。
木目を色々な角度からじっくり観察すると順目と逆目が見分けられますが、難しいので削ってみた方が早いです。削りやすい方が順目、すぐに剥がれ落ちてしまう方が逆目です。

筆者撮影
木材から剥がれ落ちてしまった削りカスですが、これも着火に使えますので拾い集めておきましょう。紙などの上で削ると集めやすいです。
おぎやはぎのハピキャンでもフェザースティック作りを実演!

Photographer 吉田 達史
こちらは、おぎやはぎのハピキャン・シーズン12のひとコマです。阿諏訪泰義先生の指導のもと、みんなでフェザースティックを作っています。

Photographer 吉田 達史
矢作さん、かなり上手!毛足が長く、よく燃えそうなフェザースティックです。経験が無いとなかなかこうはいきません。DJ松永さんも、十分着火に使えそうなフェザースティックが出来ていますね。

Photographer 吉田 達史
阿諏訪先生はさすが、毛玉のようなフェザースティックを作っています。写真右手、小木さんだけコンセプトが違う、スカイフィッシュのような物体が出来ていますね。
初めからうまくいかないのが普通ですので、失敗しても落ち込む必要はありません。削った木片も無駄にはなりませんので、何度か作ってコツを覚えましょう!
フェザースティックで火を着けてみる

筆者撮影
いよいよ着火ですが、これは特に難しく考える必要はありません。まずフェザースティックを置きます。

筆者撮影
フェザースティックにかぶせるように、細かい木片をフェザースティックの上に置きます。フェザースティックを数本作っていれば、合体させても良いです。

筆者撮影
フェザースティックの羽根部分に火を着けます。ライター、マッチですと簡単に火を着けられます。写真のように炎が上がっている時は、送風する必要はありません。

Photographer 吉田 達史
ファイヤースターターのみでダイレクトに着ける場合は、無風かつフェザースティックの近くで火花を飛ばさないと難しく、ファイヤースターターを擦った時にフェザーが吹っ飛んでしまいがちです。DJ松永さんも苦戦していますね。

Photographer 吉田 達史
チャークロスやほぐした麻ひもなどの火口があると、難易度が下がります。一度火種を作ってから、酸素を送りつつフェザーに火を移してあげましょう。
あとは焚き火と同じ流れです。細い木を燃やして、少しずつ太い薪を燃やして火を大きくしていきます。

筆者撮影
何本か作っておくと、焚き火の火勢が弱くなった時などに回復させやすく便利です。ジェル着火剤などは火元への継ぎ足し使用は危険ですが、フェザースティックなら単なる木なので安心です。
着火剤があれば不要なテクニックではありますが、忘れた場合などにササッと木を削ってスマートに火起こしができる。実用テクニックとしてはもちろん、まずは火遊びの一つとして楽しんでみてください!
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