スニーカーの加水分解とは? 化学反応でスニーカーがボロボロになってしまう 予防対策を徹底紹介
キャンプなどのアウトドア好きの方はもちろん、街歩きにも「スニーカー」を愛用している方はたくさんいらっしゃると思います。
趣味がスニーカー収集で「一度も履いていないのにソールの劣化が始まった」「ビンテージ品を高値で買ったのに履いてみたらクッションがスカスカだった」など…それが「加水分解」なんです。
一度は耳にしたことがあるこの現象、一体なんなのでしょう?
加水分解はなぜ起こるの?
加水分解とは「化学物質(反応物)と水が反応し、生成物に分解されること」を言います。う〜ん、なんのことやらさっぱりですね。
簡単にスニーカーに当てはめていうなら、ソールに使われているプラスチック素材(ポリウレタンやEVAなど)は水分に弱い性質を持っているため、空気中の水分を多く吸収しすぎると化学反応が起こり分解(=ボロボロになる)されてしまうのです。
<参考>
◆ポリウレタン(PU)は別名「ウレタンゴム」と呼ばれるプラスチック素材で2種類の化学物質を反応させて生まれた化合物。
◆EVA(エヴァ)とは「合成樹脂(エヴァ樹脂)」のこと。柔軟性や弾力性に富み、軽量で無公害のプラスチック素材。
筆者もスニーカーを加水分解させてしまった経験あり
ソール部分がボロボロになっていたり、アッパー(靴上部)の部分と分離してしまっているような画像見たことありませんか? それは加水分解によって起こってしまった悲劇なのです。
【加水分解の防止対策】加水分解は防止スプレーで防止しよう ポイントはスニーカーが空気中の水分と触れないように防ぐ
そんな恐ろしい加水分解ですが、防止策もなかなか厄介です。何故なら、空気中の水分と反応するため、放置しておくだけでどんどん劣化していってしまうからです。
おおげさに言ってしまえば、製造したその瞬間から劣化が始まっているんです。「そんなこと言っても大切なスニーカーだから長く履きたい!」ごもっともです!
そこで、加水分解防止策として普段から心がけておきたいお手入れ方法を4つのポイントで紹介します。
加水分解防止策① 定期的にスニーカーを履くことでソール内の水分を分散 飾っておくだけではNG!
「お気に入りのスニーカー、好きすぎて履けない!!家に飾っておこう〜」…これ! 実は一番ダメなパターンです。
収納棚に除湿剤などを置いても、もちろん軽減はされるんですが、完全に防ぐことは難しいです。
しかし実は「履く」ことで、ソールが圧迫され中の水分が分散されるため、加水分解の発生を抑制することができるんです。
加水分解防止策②スニーカーをブラッシング&防水スプレーで汚れや水分から守る
履けば傷んだり汚れるし、履かなくても劣化する…そんなジレンマを抱えたあなたにおすすめなのが、ブラッシングと防水スプレー。
履いた日はシューズブラシ(柔らかい馬毛など)で磨くことによって汚れを定着させないことが大切。また2週間に1度程度、防水スプレーを吹きかけることで、空気中の水分や埃を防止することができます。
新品で購入したおろしたてのスニーカーには、履く前に防水スプレーを吹きかけておくこともポイントです。
【良質の100%天然馬毛】柔らかい馬毛を使用した高級ブラシ。豚毛に比べて柔らかい、光沢のあるスムーズな皮革表面を磨くのに最適です。細かいところまで入り、革を傷めずに掃除できます。
【溢れる高級感】柔らかい馬毛を使用した高級ブラシ。丈夫な毛になりますので、耐久性も抜群です。握りやすさと小さくなく、大きくもないジャストサイズも人気の秘密です。
【様々な用途】スムースレザー(一般的な表革)の靴・レザーソファ・ベッドシート・手袋・コート・洋服・バッグなど広く使用されます。また、ソファー、机、...
雨が激しいときには靴だけでなくズボンの裾などにも是非お試しください。傘などの布地にもご使用いただけます。
用途 スムースレザー(一般的な表革)や起毛皮革(スエード・ヌバック、ベロア等)・型押し革・メッシュ革・オーストリッチ・ペッカリー・合成皮革・布地・キャンバス・デニム・麻などの靴、...
加水分解防止策③木製シューキーパーの活用はスニーカーの余分な湿気を取ってくれる
お出かけ用の大切な革靴には型崩れなどを防ぐために木製、プラスチック製問わず、シューキーパー(シューツリー)を入れている方も多いのではないでしょうか。
そこでスニーカー保管にもおすすめなのが、木製のシューキーパーなんです。靴の反りやシワを補正して形を整えてくれる他にも、靴の余分な湿気(水分)をとってくれる役割もあるため是非活用してください。
特にレッドシダーを使ったシューキーパーは、防虫・消臭効果があるとも言われています。
【型崩れ防止・シワ伸ばし&実用性が高い】シューキーパーには、革靴を本来の形に保ってくれるという役割があります。甲の部分は、なだらかなカーブで厚みが増し、シューキーパーを入れることで形状矯正、靴のシワを伸ばし、靴を長持ちさせるなど抜群な効果があり、特に革靴は、靴の甲の部分に横じわが入って...
加水分解防止策④真空パック利用は究極ながらメジャーな保管方法
これはもう究極で、「じゃあ、もう空気に触れさせなければ良いじゃん!」という発想です。しかし結構メジャーな保存方法でもあります。
圧縮袋に入れて、掃除機などで空気を抜くだけであっという間に真空パックの完成。念のために、「シリカゲル乾燥剤」や「黄ばみ防止剤」なども一緒に入れておくと、より良い状態で保存がきますよ!
加水分解が起こらないための防止策として、いくつかお手入れ方法を紹介しましたが、その他にも、普段のお手入れで注意しないといけないことがいくつかあります。
そこで「やってはいけない注意するポイント」と「意外と見落としがちなポイント」に分けて説明します。