ストーブの火力を活かせば本格ビーフシチューがルー・デミグラスなしで簡単に作れる!
冬キャンプ楽しいですよね。私はサーカスコットンというワンポールテントを持っているのですが、このテントに籠り、朝から晩まで薪ストーブでずっと遊ぶソロキャンプが大好きです。
ストーブ(薪ストーブ、もしくは灯油ストーブ)を使ったキャンプでは、その火力を利用し、料理を行うとより楽しいですね。
今回は、そうした冬用メニューの中から、ビーフシチューをご紹介します。なんとルーもデミグラスソースも使わない本格派です。
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レシピの前に確認!ビーフシチューに合うお肉の部位は?
ビーフシチューの美味しさは、選ぶお肉で大きく変わります。
すね肉やすじ肉はホロホロとした食感、ばら肉は濃厚な味わい、もも肉はさっぱりした味わい、ロースは味と食感のバランスがいい…など、それぞれの部位に特徴があります。お好みの味わいや食感に合わせて、ぴったりの部位を選んでみましょう。
すね肉
すね肉は牛のふくらはぎの部分で、脂身がほとんどなくコラーゲンが豊富な部位。ビーフシチューを作るときの定番食材です。
肉質は硬めで、焼き料理だと硬く食べにくいですが、煮込むほどに旨味がスープに溶け出します。煮込む過程で、すじの部分がゼラチン質に変化するため、プリプリの食感が生まれ、食感や旨味を楽しみたい人におすすめです。
すじ肉
すじ肉は、牛のアキレス腱などすじのついたお肉で、コラーゲンたっぷりで栄養価の高い部位です。
すね肉と同様に硬い部分ですが、長時間煮込むことでやわらかくなり、独特の旨味があるため、ビーフシチューの具材としておすすめです。
ただし、美味しく食べるには、アクをとるための下ごしらえが必要。下ごしらえの方法は簡単で、たっぷり水を入れた鍋でお肉を湯がくだけです。1分ほど沸騰させたら、ざるにあげましょう。こうすることで、肉の雑味がとれてお肉本来の旨味を引き出せますよ。
ばら肉
ばら肉は、牛のあばら骨周辺からとれるお肉で、焼肉でいう「カルビ肉」にあたります。赤身と脂身が層になっていて脂肪分が多く、旨味たっぷりなのが特徴です。
ビーフシチューに使うと脂身が溶け出し、コクのある味わいに仕上がります。濃厚な味わいが好きな方におすすめの部位です。
もも肉
もも肉は、牛のうしろ脚付け根から膝までの部位からとれるお肉です。脂身が少なく、さっぱりとしているので、あっさりとした味のビーフシチューを作りたいときにおすすめです。
煮込むことでホロっと崩れるような食感になります。ただし、加熱しすぎると硬くなるので火加減に注意しましょう。
タン
タンは、その名の通り牛の舌の部位からとれるお肉で、一頭の牛から1キロほどしかとれないとても希少な部位です。
弾力性のある食感と甘みが人気で、焼肉で食べる人が多いですが、実はビーフシチューにもおすすめなんです。
長時間煮込むことでお肉がやわらかくなるとともに、旨味がスープに溶け出し、個性的な旨味が際立った仕上がりになります。ヘルシーそうに見えますが実は脂質は高く、カルビ肉と同等のカロリーがあります。
ロース
ロースは牛の肩から腰にかけての背肉部分です。赤身と脂身のバランスがよく、やわらかい食感とほどよい旨味があります。すき焼きやしゃぶしゃぶなどの料理に使われることが多いですが、ビーフシチューにもおすすめです。
ばら肉は苦手だけど、ほどよい脂身が欲しい人は、ぜひロース肉を使ってみてください。
▼ビーフシチューの肉が余ったときには漬け込みレシピもおすすめ!
【レシピ】キャンプにおすすめ肉料理 漬け込みレシピ5選 美味しい肉料理が簡単に作れる肉だれ
本格ビーフシチューのレシピを紹介!ダッチオーブンで簡単調理
本格的なビーフシチューを作る場合、キャンプ前日から仕込む必要があるので時間はかかりますが、調理方法自体は結構簡単ですし、じっくり煮込むことで、笑っちゃうほど美味しくなります。炭火やガスコンロでも調理可能ですので、ストーブをお持ちでない方も是非参考になさってください。
本格ビーフシチューの食材(4人前)
- 牛すね肉 …350g
※なければモモ肉やバラ肉でも可。 - タマネギ …小2個
- セロリ …1本
- ニンジン …1/2本
- ジャガイモ …中1個
- ホールトマト …1缶
- ブラウンマッシュルーム …大4個
- 赤ワイン …500ml
- ブイヨン …2個
- 塩 …適量
- ローリエ …2~3枚
- 強力粉 …50グラム
- バター …50グラム
本格ビーフシチューに必要な道具
- シチューを煮込むダッチオーブン、もしくは鍋
- ルーを作る小さな鍋
- お玉
- ゴムべら
- 包丁、まな板
- ジップロック(Lサイズ)
- ストーブ、もしくはコンロ、および燃料(ストーブならゴトクも)
【ビーフシチューの仕込み】具材を切ってワインに漬けるだけ!
1)
まず、調理はキャンプ前日、できれば2~3日前に下処理を行います。最悪出発の朝には終えてください。面倒なようにも聞こえますが、早くやっておけば現地での作業は減りますし、確実に美味しくなります。
そのやるべき下処理ですが、まずは牛肉を一口サイズにカットします。合わせて、タマネギは薄切り、セロリはみじん切り(葉の部分は使わない)、ジャガイモ、ニンジンも皮をむいて食べやすい大きさに切ってしまいましょう。
2)
カットした肉類と野菜類をジップロックに入れて、赤ワイン(すべて)をそこに注ぎ、密封します。空気はなるべく入れないようにしてください。大きな鍋などに水を張って、そこにジップロックをある程度沈めながらチャックを閉めるとかなり空気が抜けます。
この状態で冷蔵し、ワインがまんべんなく行き渡るようたまにひっくり返しながら冷蔵します。
3)
赤ワインが浸透した食材がこちらです。キャンプに赴く際は、他の食材と一緒にクーラーボックスに詰めておきましょう。
【ビーフシチューの煮込み】じっくり煮込んで旨味を引き出す!
4)
ここからはキャンプ場での作業です。まずはルーを作成します。小さな鍋に強力粉とバターを入れ、ストーブやバーナーなどで加熱し、焦げ付かないようにゴムベラでかき混ぜます。しばらくすると練り上げられた強力粉が茶色になり、粉っぽい部分はなくなります。これでルーは完成です。
5)
ダッチオーブン(もしくは大きな鍋)をストーブや炭火で十分に熱し、ワインに漬け込んでいた肉と野菜を炒めます。
表面に焼き色がつけばOKです。ワインも使うので、捨てないようにしましょう。
6)
ルーをゴムベラでこそぎ落とすようにして、すべて鍋に入れます。
漬け込んでいた赤ワインとホールトマト、マッシュルーム、ローリエ、ブイヨンを入れてから塩少々を振って味を調え、蓋をして煮込みます。煮込み始めにアクが出るようなら、ざっとでいいのですくっておきましょう。吹きこぼれがないように、ある程度火が通ったら、ゴトクを使って直接鍋がストーブに触れないようにしましょう。
7)
たまにかき混ぜながら最低1時間程度は煮込みましょう。ガスを使うなら30分程度でもいいかと思います。
私の場合は昼から煮込み始めて、夜7時ぐらいまでは煮込んでいます。その間ストーブを止めることもありますが、煮込み料理は冷めていく時間帯が一番味が浸みこみますので、火を止めても問題はありません。味見をして味が薄いと感じる時は、塩を少量足すと味がまとまりやすいです。煮詰めすぎた時は赤ワインか、なければ水を足しましょう。
ダッチオーブン×ストーブ調理は冬キャンプならでは!本格ビーフシチューを楽しもう
煮込んでいる最中に味見をするのも楽しい、じっくりと煮込んだビーフシチューがこちらです。
彩りをよくしたい場合、ドライパセリを振り、コーヒーフレッシュを生クリーム代わりにかけてもいいと思います(少量しか使用しないので、生クリームだと余ってしまいますので、コーヒーフレッシュがおすすめです)。
赤ワインの渋味が効いた結構な大人味で、ライスにもパンにも合います。ただ、少しお子さんは苦手と感じるかもしれません。私はツマミとしても最高だと思っています。特にソロキャンプの時は昼から飲んでいますから、味見をしながらチョビチョビ飲むのがたまらないです。
また、夕食後は火から下ろしておき、朝、温めなおしてパンと一緒に食べると最高の朝食になります。作るのがクセになる料理ですので、是非試してみてください!