釣りをやってみたいけれど、魚をうまく釣る自信がないという人は、まず穴釣り(あなづり・やづり)から始めてみませんか?ひと口に“釣り”といっても、さまざまなジャンルがある中で、穴釣りは難易度が低めで初心者でも手軽に楽しめる釣り方です。今回は穴釣りの方法、釣れる魚や場所、必要な道具・エサなどの基礎知識に加え、釣り方のコツまでを徹底解説します。
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穴釣りとは?どんな魅力がある?
穴釣りとは、堤防や磯などの釣り場で消波ブロック、敷石、石畳などの障害物のすき間に仕掛けを落とし、魚が食いつくのを待って釣る方法のこと。「サグリ釣り」と呼ばれる、釣り竿にエサを付けて海の中に落として釣る方法の1種です。
穴釣りに使用するのは軽量で短い釣り竿で、ターゲットは海草や岩礁の間に生息するメバルやカサゴ、アイナメ、キジハタといった根魚(ねざかな)です。
穴釣りの魅力は、なんといっても魚を釣りやすいことにあります。仕掛けを海に沈めるだけなので初心者でもチャレンジしやすいうえに、高級魚が釣れることもあるため、釣りのワクワク感もしっかり楽しめますよ。
▼そのほかの初心者向けの釣りについて知りたい方はこちら!
穴釣りのシーズンはいつ?
オールシーズン楽しめるのも、穴釣りの魅力のひとつと言えます。
釣り場となる障害物のすき間には季節を問わず魚が居着いているため、水温が低くなり、魚が少なくなる冬場でも釣りやすいです。
穴釣りはどんな場所で行うの?
穴釣りでは、港の堤防周りの消波ブロックや敷石といった障害物のすき間、岸壁、ケーソン(コンクリート・鋼などで造られた箱型の水中構造物)の継ぎ目などが釣り場となります。
入口が狭く見える箇所や、水深が浅めの場所にも根魚が潜んでいる場合があるので、見逃さないようにしましょう。
穴釣りで釣れるのはどんな魚?
穴釣りで釣れるのは、主に小型、中型の根魚です。20~30cm以上の魚も釣ることができ、時には40cmを超える大物がヒットすることもありますよ。
具体的には、以下のような魚が挙げられます。
穴釣りで釣れる魚
- メバル
- カサゴ
- アイナメ
- クジメ
- キジハタ
- アナハゼ
- ギンポ
- ムラソイ
- クロソイ
- タケノコメバル
- ベラ
なお、鋭いトゲを持つアイゴ、ヒレに毒があるハオコゼやゴンズイなどの危険な魚が釣れることがあるので注意しましょう。
穴釣りに必要な持ち物一覧!おすすめの道具も紹介
ここでは穴釣りに必要な道具、おすすめの道具などを紹介します。
【1】ロッド(釣り竿)
穴釣りで使用するロッドは、短めのものを使用するのがおすすめです。
真上から仕掛けを落として足元をねらう場合は長さ1~1.5mほどのロッド、少し離れた海中をねらうのであれば1.8m程度の長さをチョイスしましょう。「穴釣り用」「テトラ竿」などとして販売されている製品を探すと、最適なロッドを見つけやすいですよ。
おすすめのロッド:ダイワ『穴釣り専科(M130)』
ダイワの『穴釣り専科(M130)』は、名前の通り穴釣り用のロッド。長さは110m、130m、150mの3タイプがあり、釣りのスタイルや好みに合わせて選べるのがうれしいポイントです。
スペック
- サイズ:全長/1.31m、仕舞寸法/0.73m
- 継数:3
- 標準自重:86g
【2】リール
穴釣りに適したリールは、小型で軽量設計されているタイプです。
また、穴釣りは巻き上げるときに力が必要になるため、巻き上げる力が強いベイトリールや、ラインをスムーズに巻き取れる両軸リールを選びましょう。中でも両軸リールは比較的価格が安く、初心者におすすめです。
おすすめのリール:ダイワ『コロネットII』
ダイワの『コロネットII』は、手のひらサイズで使いやすい両軸リールです。シンプルな作りながら、「糸噛み防止機構」や「ラインストッパー」といった便利な機能を標準装備しており、初心者でも扱いやすいのが魅力ですよ。
スペック
- 巻き取り長さ:41cm/1回転
- 標準自重:110g
- 実用耐力:3kg
【3】ライン(釣り糸)
穴釣りで使用するライン(釣り糸)は、ナイロン製あるいはフロロカーボン製が最適です。ポリエチレン製の「PEライン」は擦れに弱いので、穴釣りでの使用は避けましょう。
ナイロン製のラインは取り扱いやすい上、安価で購入できるので、穴釣り初心者や気軽に楽しみたい人などにおすすめです。太さは3~5号程度が適しています。
おすすめのライン(釣り糸):ヤマトヨテグス『ジャスト3号』
コスパの良さで選ぶなら、ヤマトヨテグス『ジャスト3号』がおすすめ。ナイロン製のラインで、長さ1,000m、価格は1,300円程度のリーズナブルな徳用モデルのため気軽に購入できます。
スペック
- 長さ:1,000m
- 重量:12LB.
- 素材:スーパーナイロン100%
- カラー:クリア
【4】仕掛け
穴釣りでは、「ブラクリ」と呼ばれる、穴釣り専用の仕掛けが便利です。ブラクリは、針とオモリが一体化しており、海中に落とすと下に転がっていってくれます。
商品によってデザインはさまざまですが、それぞれユニークな形をしており、すき間をすり抜けやすいのも特徴です。ラインを一度結ぶだけなので、取り付けも簡単。
おすすめの仕掛け:ささめ針『ブラクリ(VE803)』
ささめ針『ブラクリ(VE803)』は、小さな穴にも出し入れしやすい使い勝手の良さが魅力の仕掛けです。菱形のオモリで深くまで侵入してくれるので、根魚がよく釣れると評判です。
スペック
- 鈎・パーツ:丸セイゴ、夜行玉
- 号数:1~10号
【5】その他あると便利なもの
穴釣りに必要な基本の道具は先に紹介した4つですが、以下のようなアイテムもあると心強いです。
あると便利な道具
- フィッシュグリップ
- 針外し
- キッチンばさみ
- 手袋
- タオル
- ゴミ袋
- ウェットティッシュ
- ライフジャケット
- 滑りにくいシューズ
また、穴釣りをする場所や環境、季節などによって服装や小物を工夫することも大切です。環境やスタイルに合わせて必要なものをそろえて、快適に穴釣りを楽しみましょう。
安く穴釣り道具を揃えたいならダイソー(100均)がおすすめ!
実は穴釣りに必要な道具は、100円均一ショップとしておなじみのダイソーでも購入できます。
ダイソーで買える穴釣り用のアイテムには、次のようなものがあります。
穴釣りに便利なダイソーグッズアイテム
- 穴釣り用ミニロッド
- リール
- ナス型オモリ
- メタルジグマイクロ
- 釣り用携帯ポリ袋
- 魚のニオイ取り
- メジャーステッカー(70cmまでの魚の大きさを計測する際に便利)
ロッドやリールのように穴釣りにはマストなグッズはもちろん、ポリ袋やメジャーといった便利なグッズも販売されているので、コストをおさえて手軽に穴釣りを楽しみたい人は、ぜひチェックしてくださいね。
▼ダイソーの公式サイトには穴釣り特集ページも!
穴釣りに必要なエサは?おすすめ商品もチェック
穴釣りで釣れる根魚は雑食なので、さまざまなタイプのエサを利用できますが、おすすめは活きエサ(生きたエサ)です。
活きエサを事前に用意する場合は、以下のようなものがおすすめです。
おすすめの活きエサ
- ゴカイ
- アオイソメ
- シラサエビ
そのほか、オキアミ、加工エビ、冷凍キビナゴ、魚の切り身、鶏のささみ、魚肉ソーセージなどもエサとして利用できます。
さらに、原料にイカが使われているおつまみやお菓子などに食いつくのも、雑食の根魚ならでは。フナムシや磯ガニなどが生息していれば、現地で調達する方法もありますよ。
なお、活きエサや生ものを触るのが苦手な人は、人工の「ワーム」を利用するのもひとつの方法です。
穴釣りの基本的な釣り方
穴釣りは、消波ブロックや敷石のすき間(穴)に仕掛けを落として着底させ、アタリがあれば引き上げる…と非常にシンプルな釣り方です。具体的な手順は以下の通りです。
穴釣りの釣り方
- 穴に仕掛け(ブラクリ)を落として沈め、着底させる。
- ロッドを上下に数回動かして魚を誘い、止めてアタリを待つ。
- アタリがあればアワセ(フッキング)を入れ、リールを巻く。
仕掛けが着底したあと、20秒~30秒ほど待ってもアタリがない場合は魚がいない可能性が高いので、そのまま待つことをせず、ほかの穴を探るようにしましょう。できるだけ多くの穴を探ることで、釣り上げられる確率が高まります。
穴釣りにおける根掛かり対策
ここでは、穴釣り中に海中の障害物に釣り針が引っ掛かってしまう、いわゆる「根掛かり」への対策方法について紹介します。
【1】穴釣り専用の「ブラクリ」を使用する
根掛かりを防ぐためには、穴釣り専用に設計されている市販の「ブラクリ」を使用するのがベスト。ほかのタイプに比べて根掛かりがしづらいので、特に初心者はブラクリを使用するのが無難です。
仕掛けを自作することも可能ですが、自作は上級者向け。慣れないうちはブラクリを使用するとストレスなく穴釣りを楽しめます。
【2】穴釣り用のロッドを使う
穴釣り用のロッドを使うのも根掛かり対策に役立ちます。
穴釣り用のロッドは竿が硬めに設計されており、魚を引き上げやすいのが特徴です。反対に竿がやわらかすぎると、魚が掛かった際に穴の奥へ逃げ込まれてしまい、根掛かりしやすくなります。
また、操作しやすい短めのロッドを選ぶのもポイントです。
【3】仕掛けを底から浮かす
着底した仕掛けをそのまま放置しておくと流されてしまい、根掛かりが起こりやすくなります。根掛かりが気になるときは、着底したら少し巻き上げて底から浮かせてみましょう。
また仕掛けを海中に落として沈めたときに、底にある岩の間にはさまってしまうケースが多いことから、着底する前に魚に誘いをかけるのもひとつの手です。
穴釣りをするときのポイント・コツ・注意点
ここでは穴釣りをするときのポイント、釣るときのコツや注意点などを紹介します。
できるだけ多くの穴を探る
穴釣りでうまく魚を釣り上げるには、まずは魚がいる場所を見つけるのがポイントです。
釣り方の部分でも解説した通り、20~30秒待ってもアタリがなければ、魚はいないものと見切りをつけて、次の穴を探りにいきましょう。1カ所にとどまらず、場所を移動することが大切です。
逆に、1つの穴で何匹も魚が釣れることもありますが、どれもサイズが小さい場合、大きい魚がいない可能性も。大物を狙いたい場合も、次の穴を探りにいくといいでしょう。
必要な分だけ持ち帰る
穴釣りでは魚がたくさん釣れることがありますが、獲りすぎはNG。根魚が生息する領域は狭く、ほぼ一生を同じエリアで過ごすため、釣りすぎると数が減少してしまいます。
キープサイズ未満の小さい魚、食べるところが少ない魚、抱卵している魚などを釣り上げた際は、リリースしてあげましょう。
法律やルールとして規定されていなくても、長く釣りを楽しむための大切なマナーです。
ゴミは持ち帰る
マナーの観点から、釣り場や魚の生息環境を守ることも心がけてください。
穴釣りに限ったことではありませんが、釣りを楽しんだあとは、ゴミをきちんと持ち帰ることが大切です。ゴミを放置するなど、マナーを守らない釣り人がいるために、やむなく釣りを禁止せざるを得ないケースも増えているのだとか。
感謝の意を込めて、利用した釣り場の清掃やゴミ拾いもできるとベストです。
リスクを理解して安全対策をする
穴釣りにも危険はつきもの。特に、消波ブロックのすき間を探る際には、上にのらないように注意が必要です。
消波ブロックは人がのることを前提に作られておらず、上はすべりやすくなっているので、転倒や落水などの事故のリスクがあります。そもそも危険な場所は立ち入ること自体が禁止されている場合があるため、立ち入り禁止区域には近づかないようにしましょう。
また、万が一の落水に備えてライフジャケットを着用するなどの安全対策も大切です。
手軽な穴釣りは初心者にもおすすめ!マナーを守って安全に楽しもう
穴釣りは数ある釣りの種類の中でも比較的難易度が低く、「釣りは初めて」という人でも手軽に楽しめます。100均でも道具をそろえられるため、気軽に始められるのもうれしいポイント。
季節を問わず、1年中楽しめるのも穴釣りの魅力です。条件が良ければたくさん釣れることもありますが、獲りすぎはマナー違反。小さすぎる魚、抱卵中の魚はリリースしてあげましょう。また、危険もつきものなので、安全対策もお忘れなく!