川や湖、海辺での魅力的なアクティビティーと言えば、カヌーですよね。今回のトピックとなるのは、初心者の多くが疑問に思う「カナディアンとカヤック、どっちを選べば良いの?」という問題。カヌー歴20年の筆者が行き着いた結論は、「初心者にはカヤック!」。その理由をまとめました。

【まずはおさらい】カヌーとカヤックの違いをざっくり解説!

画像1: 筆者インスタグラムより www.instagram.com

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川や海ではカヤック?湖ではカヌー?

何となく使っているこの「カヤック」と「カヌー」と言う言葉。形も目的も機能も違う水面の乗り物です。

カヤックとカヌーって、一体何が違うんでしょうか?

画像1: 筆者撮影

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こちらの写真、上の緑色がALLY881と言うノルウェーBergans社のカナディアンカヌー。

下の赤いものがARFEQアリュート430Tと言うモンベルのカヤックです。

画像1: カヌー歴20年の筆者がカナディアンではなくカヤックを初心者におすすめする理由
【モンベル】アリュート 430T
アリュート380Tに比べて積載量に余裕を持ったモデルです。荷物を積んでのツーリングやファミリーでの使用に適しています。全長が長くなった分、スピードや直進性も向上しています。大きくなってもアリュートシリーズならではの組み立ての容易さと取り扱いの容易さは変わりません。

この写真をよく見てみれば、カヌーとカヤックの大きな違いは一目瞭然。パドルの水をかく部分を「ブレード」といいますが、このブレードが1つなのがカヌー、左右に付いているのがカヤックです。

またもうひとつわかりやすい部分としては、乗り込む部分がオープンなのがカヌー、クローズドなのがカヤックです。

歴史的には、北極でイヌイットが木や動物の骨を骨組みにアザラシの皮を張り、水が浸水しないように出入り口を狭く作った乗り物が、カヤックです。狩猟用に用いられていました。

一方カヌーは「カナディアンカヌー」とも呼ばれ、北米の原住民が一本の木をくり抜いた丸木舟が起源。主に荷物の運搬用だったので艇の上部を開放したオープンデッキとなっています。

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ざっくりと「オープンデッキがカヌーでクローズドデッキがカヤック」と言う方も多いですが、昨今、オープンなシットオントップカヤックや、カナディアンでもクローズデッキにできるものもあるので、明確な違いは船形とパドルの違いだと思えば良いと思います。

▼カヌーとカヤックの違いについてもっと知りたい方はこちら

初心者には・・・カヤックがおすすめ!

画像2: 筆者撮影

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カヤックとカヌー、ウォーターアクティビティーとして、どちらが初心者に向いているでしょう?

朝靄の中、鏡の様な湖面を静かに進んでゆくカナディアン

波打つ海面を切り裂きながら進んで行き、断崖絶壁や洞窟を間近で体験できるカヤック

どちらも同じくらい魅力的なので、あなたがどのような景色が見たいか、どのような体験をしたいかで、カヌー、カヤックを選ぶと良いでしょう。

でも、もしもあなたが初心者で、どちらを選べば良いか悩んでいるのなら……

僕は間違いなくカヤックをおすすめします!

初心者にカナディアンカヌーをおすすめできない理由

初心者にカナディアンカヌーをおすすめしない理由について詳しくお話しする前に、僕の持っている4つの乗り物とその使い分けを説明させてください。

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僕は、シットオントップカヤックとカナディアンカヌー、「ダッキー」と呼ばれるインフレータブルカヤック、SUPを持ってますが、どうやって使い分けているかと言うと、

  • 泳ぐ前提 or 海に行く場合・・・カヤック
  • 川や湖でキャンプ等をしながら楽しみたい場合・・・カナディアンカヌー
  • 激流を下る場合・・・インスレータブル
  • 手軽に楽しみたい場合・・・SUP

ざっくりと分けるとこんな感じです。

3艇とも川にも湖にも行きますが、唯一、カナディアンカヌーで海に行くことはありません

理由は最後まで読んでいただけるとわかると思いますが、そこにカナディアンカヌーが初心者におすすめできない理由も隠れているのです。

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僕が使っているカナディアンカヌー「ALLY」は、オープンデッキで大きな荷物の積み下ろしが楽。
しかも、積載量が380kgもあるので、キャンプ道具などを大量に積んで川や湖でランチをしたりキャンプをしたりするのに最高なのです。

組み立て式×重量20kgなので1人で持ち運ぶこともでき、リュックに背負って電車やバスで川の上流へ行き、組み立てて川を下るという使い方ができます。

ただし、この「ALLY」はカナディアンカヌーの中では実は異端児。通常カナディアンカヌーと言えば木造やFRP製が多く、重量も40キロ程あるのが一般的なんです。

さらに、船底が比較的フラットなので、全長5mと大柄な割には小回りが利きますが、逆に言うと真っ直ぐに漕ぐのが非常に難しい船形。水面からの立上りが高いので風に弱く、風にあおられたり潮流に流されると途端に気難しくなるのがカナディアンカヌーの特徴でもあります。

これらの理由から僕は、海ではカナディアンカヌーを使いません。

画像3: 筆者撮影

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さらに、前述の通りカナディアンカヌーはブレードが1つなので片側だけを漕ぐことになり、まっすぐ前進するのも初心者には難しいでしょう。使いこなすにはまず「Jストローク」と言う漕ぎ方をマスターする必要があります。

これらの点が、カナディアンカヌーを初心者におすすめできない理由です。

カナディアンの良い点をまとめると、

  • 形がカッコよく雰囲気が良い!
  • 湖と言えばカナディアン、というイメージがある!
  • 荷物がたくさん積める!

一方で、

  • 操船が難しい
  • 重い
  • 風に弱い

と、初心者には致命的とも言えるデメリットもあり、僕は、ウォーターアクティビティーの始めの一歩としては敷居が高いと思っています。

初心者にカヤックをおすすめする理由

カヤックには「シットオントップ型」と「シットイン型」があります。「シットオントップ」はカヤックの上に座るタイプで、「シットイン」はコックピットがありカヤック内部に入って座るタイプです。

一般的に「カヤック」と言えば、下半身を船の中に入れて足を伸ばし座った状態で漕ぐ「シットイン」が主流で、その中でも「フォールディング」と言う組み立て式が人気があります。

これは、分解すればリュックサックに入るサイズにまで小さくなり、運搬や保管に便利だからです。

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僕の所有しているカヤックはシットオントップ型の3人乗りで、重量は35kgと重く、運ぶのが結構大変です。

シットオントップカヤックは、ペットボトルの上に乗っている様な感覚で、中は空洞になっており、沈むことはありません。一方でALLYのように組み立て式ではないので、車の上に積まないと移動ができませんし、広い保管場所も必要になります。この2点さえクリアできれば、降ろしてすぐに漕ぎ出せるのですごく手軽だと思います。

カヤックの底には穴が開いていて、底から水が抜ける構造になっています。濡れる事が前提のカヤックなので、基本ウエットスーツか水着等で漕ぎ出します。

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水面に近いため風の影響を受けにくく、底には「キール」と言う背骨のような物があるので直進安定性に優れています。

幅が広いためカヤックから海へエントリーしても簡単にカヤックに乗り込むことができ、海でシュノーケリングする時はシットオントップカヤックを使用します。

上の写真は野生のイルカと一緒に泳いだ時のもので、2時間程一緒に遊んでくれて夢の様な時間を過ごしました。

こんな楽しみ方も、シットオントップカヤックならではです。

今回は初心者が導入しやすい組み立て式カヤックの良い点をまとめてみます。

  • 小さく収納できる!
  • 軽いので船足が速い!
  • 直進性が高く操船が楽!
  • 水面が近いので風の影響を受けにくい!

一方で、

  • 組み立てが面倒
  • 沈すると最乗船が難しい
  • 荷物をたく積むことができない

と、デメリットもあります。

デメリットを理解した上でもメリットの方が大きく、個人的には、ウォーターアクティビティーの始めの一歩としてはカヤックの方が最適だと思います。

車にカヤックを積み込むならこれ!『オーバースライダー』

画像4: 筆者撮影

筆者撮影

シットオントップカヤック、シットインカヤック等に代表されるレクリエーショナルカヤックの大半は組み立て式ではありません。組み立てる必要がなく手軽に楽しめるので、フォールディングよりメリットは大きいのですが、あくまで置き場所があって、車に積むことができればという条件付きになります。

僕がキャンピングカーを購入する時にバンコンにしたのは、カヤックを積めるからでした。

あるキャンピングカーショーの会場で、キャブコンのビルダーに40kg程のカヤックをルーフに積みたいと言うと、すべてのビルダーに「ルーフにそれだけの荷物を積めるようには設計していないから保証できない」と言われてしまい、キャブコンは諦めました(そもそも2.5m程もあるルーフにシットオントップを上げられる気もしませんでしたが)。

ハイエースのハイルーフも高さが2.3m程あるので、40kg近い我が家のカヤックを積めるか心配でしが、『オーバースライダー』という昇降機があるのを知って迷わずバンコンとセットで購入。

画像5: 筆者撮影

筆者撮影

このオーバースライダーは、カヤックを載せる台をスライドさせて腰ほどの高さまで降ろし、カヤックを固定した後ルーフに載せられる便利な商品です。

これなら1人でハイエースのルーフまで上げることができます。

実はこのオーバースライダー、60キロを越えるバスボートもルーフの上に上げることができるんです。

「カヤックに乗りたいけど運搬が難しそう」と思っている方は、ぜひ調べてみてください。

ハイエースだけでなく、システムキャリアが付く車であれば大抵は取り付けできるので、背の低いSUVならもっと簡単にルーフトップができるようになります。

画像2: カヌー歴20年の筆者がカナディアンではなくカヤックを初心者におすすめする理由
オーバースライダー
カヌーを積んでいろんなポイントに行きたい.......
全長が長く積みにくいカヌーや、重たいシットオンタイプ等
カヌーを簡単に上げ降ろししたい......
こんなことを考えたことありませんか? このオーバースライダーがあれば悩みは解決!!
簡単に車上積載するために考えられた、他に類を見ない画期的な装置です。

初心者には手軽で扱いやすいカヤックがおすすめ!

画像6: 筆者撮影

筆者撮影

ウォーターアクティビティを楽しむためには、できるだけ手軽に、できるだけ簡単に始められるのが一番。僕は、初心者には特に、カヤックから始めてみるのをおすすめします。

カヤックは、非日常を味わえる豊かな趣味です。ぜひ楽しく長く続けてみてくださいね。

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