楽しいだけじゃない!? 特性を知って川に潜む危険を意識しよう
川遊びは身近で楽しいアクティビティですが、毎年水難事故が起きていることをご存知でしょうか。
安全に川遊びを楽しむために、今一度、川の特性を確認しておきましょう。
[1] 真水なので浮きにくい
筆者は海水浴やシュノーケリングなどもたしなむのですが、海と川の決定的な違いとして、塩分を含む海水と違い、川の水では思った以上に人間の身体は浮きにくいということを体感しています。
人間の浮力や泳力には限界があります。川で溺れないためには、必ずライフジャケットを正しく着用して、常に呼吸ができるように頭部を水面から出しておくことが非常に重要です。
[2] 上流から下流へ水の流れがある
川には上流から下流へ水の流れがあります。川の中が複雑な地形の場合は、強い流れやゆるやかな流れなどが入り乱れ、外から見ているとどんな流れがあるのか読みづらく、危険な場合も多いです。
また、岸から離れるほどなだらかに深くなる海と違い、川の深さは見た目ではよく分からない場合が多いもの。遊んでいるうちに、気付いたら深い場所まで流されてしまうこともあるので注意が必要です。
プールや海と違って川には監視員がいないから、自分の身は自分で守らないといけないね!
子供だけで川に近づくのはとっても危険だから、大人は子供のそばを離れないように気を付けよう!
川遊びをする前に「気象」「水位」「過去の水難事故」の3つをチェックしよう
川遊びに出掛ける際には、事前に「気象」「水位」「過去の水難事故」の情報をチェックしておきましょう。
ここからは、それぞれのポイントごとに詳しい内容をご紹介していきます。
気象情報
屋外でのアクティビティは、事前に気象情報をチェックするのが基本ですよね。特に川遊びの場合、上流で大雨が降ったりすると、川が濁ってきたり急に水かさが増したりして、鉄砲水などの危険も考えられます。
今いる場所の今の気象だけでなく、川の上流の情報にも留意することが大事です。
また、強風予報がある場合も、ボートや浮き輪などが流されてしまう危険が増すので、風の予報もチェックしておきましょう。
水位情報
川の上流にダムがある場合は、放流などにより急に水かさが増すこともあり得ます。そのため、訪れる川の上流にダムがあるかどうかを調べておきましょう。
国土交通省のHPでは川の防災情報などが確認できますので、事前に訪れる川の状況などを確認しておくと良いでしょう。
過去に発生した水難事故の情報
立ち入り禁止になっていないからといって、その川で「過去に事故が起きていない」とは言い切れません。立入禁止になっていない川でも、同じ場所で同じ事故が起きているケースも考えられます。
訪れる川で過去に水難事故が起きていないか、もし起きていた場合どういう事例だったのかを事前に調べておくと、「過去に水難事故が発生した危険なポイントに近づかない」「水難事故につながる行動を避ける」などの対策を講じることができます。
事前にネットやアプリで情報を確認しておこう!
キャンプ場の近くの川で遊ぶときは、キャンプ場の管理人さんに確認するのがオススメ!
川遊びで水難事故を起こさないために気を付けたい行動パターン
ここからは、筆者が川遊びをしていて「危険だな」と感じる行動パターンを以下に挙げていきます。
- 流された持ち物を追いかける
- 水際に落ちた持ち物を拾おうとする
- 飲酒をして泳ぐ
- 川をのぞきこむ
- 土手など傾斜地での転倒
こういった行動パターンは、川沿いのキャンプ場で川遊びをしているときに何度も目撃したことがあります。しかし、事故にも繋がる行動だなと思って筆者自身も気を付けているポイントです。
特に「風で飛ばされた帽子やビーチボール、脱げやすいサンダルが川に流されてしまい、それを追いかける」という行動は子供に多いものです。
視野の狭い子供は目の前が見えていないことが多く、落としたものを取ろうと慌てて川に入ってしまう場合があります。脱げにくい帽子や靴を選び、親がしっかり子供の様子をそばで見てあげることが大切です。
また、小さな子供は頭が重くバランスも悪いので、川をのぞき込んで柵の隙間から落下してしまったり、傾斜地で滑って転がって川に落ちてしまったりということもじゅうぶんに考えられます。
飲酒をして川に入って溺れてしまう事故も毎年のように耳にしますが、飲酒をするとふらつき、正しい判断が出来なくなるので大変危険です。飲酒した際には川に入らないようにしてください。
基本的に「川遊びは危険と隣り合わせ」と思って、気を付けながら楽しもう!
川遊びで注意すべき場所をチェックして水難事故のリスクを回避しよう!
では、川遊びをする際、具体的にはどんな場所でどんなことに注意を払えばよいのか、主なものを挙げていきます。
陸地と水面の境目
水際には草などが生い茂っていたりして、陸地と水面の境目の様子がよくわからないことがあります。
「陸地だと思って踏み込んだ場所が実は川だった」ということもあるので、境目では足元をよく確認してください。
不安定な岩場・浮石などの足場
川原には大きな石や岩がゴロゴロと転がっているとことが多く、歩きづらくなっています。
また、一部しか地面に接していない浮石などもあり、足で踏みしめるとぐらっと動き転倒してしまうリスクがあるので、慎重に確認しながら歩くようにしましょう。
水際・水底のコケの生えた石や岩場
水際や水底にある石や岩の表面には、コケが生えていてとても滑りやすくなっています。
転倒して川に流されたりすると大変危険ですので、表面が黒っぽい石や岩の上を歩くときは、小幅で注意深く進みましょう。
浅い早瀬
川原などの水際の浅瀬には、意外と水の流れが速い早瀬もあります。
浅いからと油断していると、早瀬で足をすくわれることや、深いところまで流されてしまうなんてことも起こりえるので、浅瀬でも常に注意が必要です。
流れの速い場所や深い場所
川の流れが早いと、自分の力では進みたい方向などのコントロールが出来なくなります。明らかに流れの速い場所には近づかないようにしましょう。
また、渦が巻いているような場所は深さがあり、流れも読めづらく大変危険ですので、近づかないようにしましょう。
深みにはまって足が抜けなくなって溺れてしまうという事故も起きてるんだって…。
流れが強い場所や深そうな場所には近づかいようにしよう!
「子供から目を離さない」だけでは不十分!親もフル装備で一緒に川に入ろう!
「ちょっと目を離したすきに子供が…」という言葉を目にしたり耳にしたりしたことがある方も多いかと思いますが、子供の動きは非常に素早く予測不可能です。
水辺で、普通の服装で「子供を見守る」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、筆者は過去の川遊びで実際に怖い思いもしてきた経験から、水難事故を回避するには「子供から目を離さない」だけでは不十分だと感じています。
より安全に子供と川遊びを楽しむためには、「大人もフル装備をして、子供と一緒に川に入り、子供から目を離さない」という体制を取ることが非常に大切だと考えています。
ライフジャケット着用はマストですが、実はそれだけでは不十分です。親が物理的に子供のそばにいて、「何かあった場合に助けられる」「危険な場所を早めに察知して回避できる」という体制を取ることこそが、水難事故のリスクを減らすために重要だと思います。
「海水浴やプールなど監視員がいる水遊びとは異なり、川遊びは水難事故のリスクと隣り合わせの危険な遊びである」ということを常に意識して、装備や体制をしっかり整えた上で、楽しい川遊びの思い出を作りたいものですね!
子供1人につき大人1人がそばについて、あらゆるリスクを回避していくのが理想的!