いなべ市が目指す 気軽に「SDGs×アウトドア」を体験できる街
佐藤さんはいなべ市をどんな街にしたいのですか?
いなべ市が気軽に「SDGs×アウトドア」を体験できる街になったらいいなと思っています。
「SDGs×アウトドア」ってすごくいい!楽しそう♪
「SDGs×アウトドア」とは一体どういうものか、どうしてその考えになったのか、これは気になります!
いなべ市の魅力を見つめ直したときに「自然」が資源であると気づいた
なぜ「アウトドア×SDGs」なのでしょうか?
いなべ市でSDGsを推進するにあたって「いなべ市にあるモノ・魅力のあるコト」ってなんだろうと考えたんです。
極端な話ですが、大型のアミューズメント施設などを誘致できれば、注目も集まりますし、大規模なことも取り組めますよね。
でも、そうではなく地元の資源をうまく使った形にしたかったんです。
あくまで、今あるものを大切にしたいということですね。
いなべ市は面積の58%が山や森です。名古屋から1時間でアクセスできる位置にありながら、これほど豊かな自然に囲まれているのは強みだなと。
いなべ市には「青川峡キャンピングパーク」のように楽しみながら自然と触れ合える施設もあります。
既存の施設や、放棄地とされていた森林を有効活用することで、アウトドアを軸としたSDGsを展開できるのではないかと思ったんです。
いなべ市には何度も来ているけど、本当に自然が豊かだよね!
また、いなべ市は鈴鹿山脈の麓に位置するため、登山好きの方も多く訪れます。
キャンプだけでなく、登山も楽しむことができる街は、そう多くは無いように思います。
佐藤さんがいなべ市の魅力を考えたとき、「自然」が思い浮かんだのも頷けますね!
いなべ市のSDGs推進の核を担うのは「にぎわいの森」
自然に囲まれた中で、美味しい物がたくさん集まる「にぎわいの森」ですが、実はいなべ市におけるSDGs推進の核でもあるんです。
いなべ市の「SDGsの核」とは、どういうことでしょう?
「にぎわいの森」は、訪れた人たちが「この空間は自然がいっぱいで美味しいものがあって心地いいな」と思ってもらえるようなコンセプトのもと作られています。
にぎわいの森はSDGsの核と言いましたが、実は施設内に「SDGsとはこういうものだ」というような案内や掲示は敢えてしていないんです。
筆者も何度か「にぎわいの森」には足を運んだことがありますが、施設内にはSDGsの案内はあまり見受けられませんでした。なんとなく「自然に囲まれて落ち着く空間だなぁ」と感じた覚えがあります。
小難しく押し付けるようにSDGsを推進しようとしても、受け入れてはもらえません。
そのため、にぎわいの森では直感的に「美味しい」「心地よい」と感じてもらうことを大切にしています。
まずは「にぎわいの森」自体を楽しんでもらうことが一番というわけですね。
その通りです。そして、ひと通り楽しんだ後に「あの食材っていなべ市産のものだったんだ」「にぎわいの森は放棄地だった森林を活用したものなんだ」など気づいてもらえればなと。
資源の再活用や地場産品を磨きあげることもSDGsですもんね。
「美味しい」「楽しい」など五感で心地良さを体験してもらい、そこからSDGsへの理解を深めるきっかけを作る。
つまり、いなべ市にとってにぎわいの森は「SDGsへの入口」とも言えます。
にぎわいの森に多くの人が訪れるほど、いなべ市のSDGsを知ってもらうきっかけにもなるってことなんだね!
その通り!さすがナイスキャンプマン、良いこと言うね!
「山辺」をポジティブに捉え、楽しめる空間に変えていく
最終的には「山辺(やまべ)といえば、いなべ市」というイメージが浸透していけばいいなと思っています。
「山辺」ですか。「海辺」と言えば、鎌倉や湘南が思いつきますが、正直「山辺」と聞いて思いつく街はまだないかも...
そこなんです。海辺と聞けば連想する街や物はあるのに、なんで山辺には無いのだろうと思って。
むしろ「山辺」はネガティブなイメージとして捉えられているのかなと。
いろんなものが連想できる「海辺」に対して、まだそれほどイメージが浸透していない「山辺」
どちらも「自然」であるのに、抱く印象に関しては大きな差があるように思います。
でも、海辺と同じように、山辺にもたくさんの魅力があると思うんですよ。
いなべ市には多くの森林がありますが、自然や周辺の地域資源を活用して、「楽しめる空間」をどんどん創り出したいんです。
その先導例がにぎわいの森というわけですね。なるほど、ちょっとイメージが掴めてきました!
ちなみに「青川峡キャンピングパーク」や「やまてらす」で販売されている薪は、いなべ市の間伐材を使用しています。
キャンプには欠かせない焚き火。そして焚き火には薪は必要な存在。薪が安定してキャンプ場に供給されているのは、いなべ市が山辺の恩恵も受けているからとも言えますね。
「山辺」はポジティブな空間。いなべ市のSDGsの取り組みを通して、多くの人にこの想いが伝わればいいなと思います。