キャンプをする際、テントやタープ、テーブルや椅子など、揃えるものはたくさんありますが、意外と後回しにしてしまうのがランタンではないでしょうか?暗闇の中行動するにはランタン(照明)は絶対必須のアイテムです。今回は、意外と後回しにされてしまいがちなランタンの種類・メリットデメリット・燃料の基礎知識について、キャンプ歴40年のアウトドアライターがお話したいと思います。

LEDランタンのメリットとデメリット

電気系のランタン(LEDランタン)と燃料系ランタンの違いがわかったところで、それぞれのメリットとデメリットについてご紹介していきます。

まずはLEDランタンのメリットから。

メリット① 安全

LEDランタンのメリットは、火を使う燃料系ランタンとは異なり安全なこと。テントの中でも安心して使うことができます。

メリット② 低コスト

電池式の場合は電池を購入する必要がありますが、充電式のものであれば充電することで使用できるため、低コストです。

メリット③ 虫が寄りにくい

虫が寄ってくる原因は紫外線です。紫外線を発しないLEDランタンであれば、虫が寄りにくいためおすすめです。

デメリットはナシ!?

昨今のLEDランタンのデメリットは、正直ありません!

昔は、暗かったり、発光色が青っぽくサイトの雰囲気を台無しにしたりしましたが、今のLEDランタンは光量も十分。電球色などの暖かい色で発光させることもできます。

しかも、いざと言う時には電池を入れ替えれば使えますし、バッテリー式で2〜3日持つものもあります。

モバイルバッテリーとしての機能を持っているものもあるため非常時にも活躍するなど、文句の付け所がありません。

燃料を燃やすランタンのメリットとデメリット

ここからは、燃料系のランタンのメリットとデメリットについてご紹介していきます。

メリット① 明るい

画像7: 筆者撮影

筆者撮影

燃料系ランタンの種類にもよりますが、例えばマントルを使う気化式のランタン等は、とにかく明るいのが最大のメリットです。

学生の頃初めて買ったランタンに火を入れた時、まるで小さな太陽が目の前にあるような感覚でした

今考えれば小型のランタンなのでそこまで明るくはないのですが、あの時の衝撃は今でも忘れられません。

そのランタンは今でもツーリング用として使い続けています。

メリット② 光に雰囲気がある

炎の見えるランタンは決して明るくはありませんが、その暖かい揺らぎを見ているだけで、時間が経つのを忘れてしまいます

気化式のランタンも、明るくなったり暗くなったり、微妙に不規則なリズムを刻んで、まるで呼吸をしているかのように燃えます。

自然の中のキャンプでは、そんな自然な光の方が違和感なく溶け込んでいきます。ですので、僕は好んで燃料をせっせと燃やし、明かりをとっています。

メリット③ 様々な燃料を選べる

燃料系のランタンでは、使える燃料が多種多様です。

ロウを燃やすろうそくランタンや、バイクのタンクから燃料を抜いて使えるガソリンランタンなど、明るさ、利便性、雰囲気、ギアに合わせて様々な燃料を使用でき、それを選ぶのもキャンプの楽しさのひとつです

できれば燃料は統一すると荷物を減らすことができるのですが、、、私はホワイトガソリンと灯油、CB缶と3種類の燃料を使っています。

荷物が増えて増えて、、、これも気に入ったギアを使うため、しかたがないですね〜。

デメリット① さまざまな化合物と熱が発生する

燃料を燃やすランタンの場合、酸素と燃料を使い、光と熱をともなう化学反応を利用することになります。

夏に至近距離で使用すると、ランタンの熱でとても暑くなってしまいます。

また例えばガソリンの場合、燃焼した後は水・二酸化炭素・窒素酸化物・硫黄酸化物などが発生します

密閉された場所では有毒ガスによる危険がありますので、テントや車中では燃料式ではなくLEDを使うのがおすすめです。

デメリット②燃料を確保しておく必要がある

ガスランタンのタンク、は満タンでも1〜2晩ほどしか使うことができません。なくなれば都度補給する必要があります。

多くの場合、燃料は缶に入っており、ツーバーナーなどにも使う場合は消費量も多くなりますので、結構かさばります

ホームセンターなどで入手可能なホワイトガソリンもOD缶も、万が一使用中に切れてしまった場合、オフシーズンでお店での取り扱いがなかったり、時間によっては閉店していることも。

あらかじめ十分な量を持っていくことが大切です。

デメリット③ 取り扱いが大変

LEDはボタンを押すだけで点灯するため簡単ですが、ガスランタンは点けるために儀式を必要とします

OD缶のランタンは、マントルさえセットしてあればコックをひねって着火すればOKですが、気化式のガスランタンはさらに一手間二手間必要になります。

先にご紹介したべトロマックスのHK500の点灯儀式を例にご説明します。

  1. マントルをセットする
  2. マントルを空焼きする
  3. 規定圧力までタンク内に圧力をかける(100回程度ポンピングする)
  4. プレヒート用ノズルを開き点火してパイプ内の燃料を熱して気化させる(90秒〜2分程度)
  5. コックを開き気化したガスを放出。マントルに着火させる
  6. 圧力が下がるので規定圧力まで再度ポンピングする

これが僕が愛用しているペトロマックスのHK500を点灯する儀式です。しかも儀式に失敗すると、灯油が噴出したり、大炎上してランタンが火だるまになることも……。

プレヒートが足りないと、燃料は液体のまま吹いて大炎上し真っ黒になってしまいますし、使っているうちになぜか色んなボトルが緩んで必要な部品が落ちてしまったこともあります。

画像1: かおる

かおる

もう〜、HK500は世話がやける!!!

ただ、後述しますが「手間をかければかけるほど愛着が湧く」ということもあるのが困りものです。

デメリット④ ランニングコストが高い

画像8: 筆者撮影

筆者撮影

先にご説明しましたが、ホワイトガソリンは高価です。レギュラーガソリンが140円/L程で購入できるのに対し、ホワイトガソリンは1L缶で1,000円近くします。4L缶でも3,000円以上しますので、頻繁にキャンプに行くとボディーブローのように効いてきます。

僕はランタンの他にホワイトガソリンのツーバーナーも持っていきますので、燃料は一斗缶で購入します。一斗とは尺貫法の単位で18Lですが、7,000円ほどで購入できます。これなら1Lあたり400円弱とお得(?)です。

画像4: 【キャンプの基本シリーズ6】意外と知らないランタン(照明)の種類と使い方
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2021-08-27 19:38

OD缶の場合は、1缶500円程。CB缶が1本100円程で売られていますので、約5倍もするんです。

また燃料以外にも、気化式ランタンを使用するには『マントル』も必要になります。『マントル』は、繊維を編んで袋状にしたものに溶剤を染み込ませたもので、空焼きすることで繊維は燃え尽き、溶剤が袋状の酸化物になって残ります。

このマントルの中に気化したガスを溜め、それに引火することで、酸化物が気化したガスの6倍の明るさで発光するのです。

酸化したマントルは非常にもろく、移動の振動だけでも壊れてしまうことがあるため消耗品で、必ずスペアを数枚用意しておかなければなりません。

このように、燃料や備品などのランニングコストが高くついてしまうのもデメリットのひとつです。

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