キャンプをする際、テントやタープ、テーブルや椅子など、揃えるものはたくさんありますが、意外と後回しにしてしまうのがランタンではないでしょうか?暗闇の中行動するにはランタン(照明)は絶対必須のアイテムです。今回は、意外と後回しにされてしまいがちなランタンの種類・メリットデメリット・燃料の基礎知識について、キャンプ歴40年のアウトドアライターがお話したいと思います。

ランタンの燃料について知ろう! 燃料の基礎知識

ここからは、ランタンの燃料についてお話したいと思います。

ランタンにはそれぞれ専用の燃料が必要になります。メーカーや商品によって表記が異なったり、初心者には「難しい」と思われがち。以下でご紹介する知識を覚えておいてください。

灯油=白灯油=ケロシン

画像4: 筆者撮影

筆者撮影

ペトロマックスのHK500に代表されるケロシンランタンには、灯油が必要です

『ケロシン』とは灯油のことで、『白灯油』とも呼ばれます。

白灯油は、精製度の高い1号灯油を白灯油、精製度の落ちる2号灯油を茶灯油と、精製度の違いによって呼び分けていた名残で使われていますが、現在入手できる灯油はすべて白灯油で、『ケロシン』は灯油の主成分のことです。

画像2: 【キャンプの基本シリーズ6】意外と知らないランタン(照明)の種類と使い方
PETROMAX(ペトロマックス) 灯油ランタン HK500 ニッケル 【日本正規品】 2150
サイズ : 径17×高さ40cm
本体重量 : 2.4kg
タンク容量 : 1L
燃焼時間 : 約8時間
明るさ : 500CP(約400W)
¥38,500
2021-08-27 19:26

ホワイトガソリン≠ガソリン

画像5: 筆者撮影

筆者撮影

ホワイトガソリンは純度が高く、すすなどが出ないようになっています。しかしそのため、比較的高価

ホワイトガソリンにさまざまな物質を混ぜてエンジンを動かすのに適した燃料にしたのが、ガソリンです。

画像3: 【キャンプの基本シリーズ6】意外と知らないランタン(照明)の種類と使い方
コールマン パワーハウスツーマントルランタン(ケース付) 290A740J
メーカー型番:290A740J
明るさ: 約300CP/190W相当
燃料タンク容量:約940cc
燃焼時間:約7~14時間
サイズ:約直径18×35(h)cm
材質:ABS樹脂他
本体重量:約1.8kg
使用ジェネレーター: 290-5891
使用グローブ:690A048J
付属品:プラスチックケース
¥24,390
2021-08-27 19:27

ホワイトガソリンとガソリンは燃焼力や熱量にほとんど違いはありませんが、ホワイトガソリン用のランタンにガソリンを入れてしまうと目詰まりを起こして故障の原因になってしまいますので、絶対に入れないでください

画像6: 筆者撮影

筆者撮影

コールマンのランタンの中には、ガソリンが使用できるタイプのものもあります

タンクがシルバーの『Unleaded(アンレデッド)』は、ガソリンを使用することもできるランタンで、「バイクツーリングなどに行くときにバイクと燃料を共有したい」と思い、昔購入したものです。

OD缶=ブタン・イソブタン・プロパン

画像: 筆者撮影|左:OD缶、右:CB缶

筆者撮影|左:OD缶、右:CB缶

OD缶(アウトドア缶)は用途によって、ブタン・イソブタン・プロパンが調合されて入っています

ブタンが気化するのは-0.5度、イソブタンは-11.7度、プロパンは-42.0度なので、プロパンの割合が多い方がより低温で気化しやすく、低温化でも炎は安定するということになります。

「それならみんなプロパンにすれば良いのに〜!」と思うかもしれませんが、常温で充填するにはプロパンをより高圧で液化する必要があるため、ボンベをさらに頑丈にしなければならず、このように調合されているのです。

■OD缶=アウトドア缶|CB缶=カセットボンベ缶■

アウトドアを始めるとよく聞く『OD缶』はアウトドア缶のことで、『CB缶』は家庭でよく使われるカセットボンベ缶のことです。

OD缶も、平地用、山用、冬山用など、用途によって充填されているガスが異なります。

同じ250gのガスが入っていても、OD缶はCB缶より頑丈にできており高圧なガスを充填できるため、コンパクトなフォルムにすることができるのです。

家庭で使うCB缶には、ほとんどの場合ブタンが入っています。ブタンは沸点が-0.5度なので、それ以下の温度では液体のままです。冬キャンプでカセットコンロが点火しなかったり火力が弱いと感じるのは、液体のブタンがそのまま出てきてしまうためです。

都市ガスとプロパンガス

自宅のキッチンで使うガスにも、ガス管で供給される『都市ガス』と、ボンベから供給される『プロパンガス』がありますが、都市ガスはメタンを主成分とした液化天然ガス(LNG)で、プロパンガスはプロパン・ブタンなどの液化石油ガス(LPG)です。

「LPガス』と聞いたことがあると思いますが、これがプロパンガスなのです。

都市ガス(メタン)は空気より軽いので、漏れても窓から出ていってくれますが、プロパンガス(プロパン・ブタン)は空気より重いので外に掃き出さないと出てくれません。

■なぜ都市ガスとプロパンガスでガス機器が違うのか■

都市ガスとプロパンガスでは、「都市ガス用」「プロパンガス用」とガス機器が異なります。

都市ガスよりプロパンガスの方が燃えやすく、2倍以上熱量が大きいです。それでは、「都市ガスの方がプロパンガスよりお湯を沸かすのに倍の時間がかかるのか」と言うと、そうではありません。

実は、都市ガス用ガス機器の方が、プロパンガス用より一度に出るガスの量を多くして、沸かす時間が変わらないように調整しているのです。

ですので、プロパン用のガス機器を都市ガスで使うと火が弱く、逆に都市ガス用のガス機器をプロパンガスで使うと大きな炎が出てしまって危険です。

アウトドア用のバーナーの場合、出るガスの量は同じなので、CB缶でお湯を沸かすのとOD缶でお湯を沸かすのでは、沸騰するまでの時間が変わるのです。

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