燻製機を使ったスモークチーズ作りもおすすめ!ご一緒にお楽しみください。
ベーコンとハムの作り方はほとんど同じ! 同時にまとめて作れます

筆者撮影
まず、言葉の説明から話を始めますが、「ベーコン」とは豚バラ肉の燻製、「ハム」とは豚のロース肉、もしくはモモ肉の燻製のことです。
つまり、どちらも「豚肉の燻製」であり、部位が違うだけの差です。
ハムは完成後、加熱せずにそのまま食べるようにするため、少しだけ作り方に違いはあるものの、両者は同時に作ることができます。
ですので、ここではベーコンとハムをまとめて作ります。
難点は2つ。
1つは塩漬けによる味付けです。
普通は「ソミュール液」という塩水を使うのですが、初心者がこれをやると、たいがいしょっぱすぎるベーコンやハムになってしまいます。
なので今回はソミュール液ではなく、直接塩をすり込む方法で作ります。
この方法であれば、塩漬け期間も1週間程度で済み、美味しく、簡単に仕上がります。
もう1つは「温燻」です。
これは燻製の方法なのですが、50度~70度で温度を調整しながら2時間程度燻す必要があり、結構面倒です。
こちらについてはサーモスタットを用いた簡単な電気温燻システムを使ってみました。
これがあれば、ボーっとしている間に出来上がりますし、そこまで難しいものでもありません。燻製を本格的にやりたい人にはオススメです。
本格ハム・ベーコンの食材と作り方
本格ハム・ベーコンの食材(10人前程度)

筆者撮影
- 豚バラブロック(ベーコンに用いる) …500ℊ
- 豚ロース、もしくはモモブロック(ハムに用いる) …500ℊ
- 食塩 …60g
- 砂糖 …24g
- 黒コショウ …10g
- 黒瀬スパイス、もしくはほりにしスパイス …10g
- ローレル …2枚
- ウイスキー …20cc
- チューブ(もしくは刻み)ニンニク …少量
各調味料の分量は、肉の量に応じて調整してください。
肉が500gなら全部1/2にします。
ここをミスると味が大きくブレてしまいます。
また、調味料の量さえ守ってくだされば、リンゴやタマネギのスライスなどもお好みで入れて構いませんし、ウイスキーの代わりに赤ワインでも構いません。この辺りはお好みです。
なお、量が10人前と多いようですが、1~2週間は食べられるので、このぐらいだとあっという間になくなりますよ。
本格ハム・ベーコンの調理に必要な道具

筆者撮影
- 燻製器
- 燻製器用温度計(サーモスタットを使うなら不要)
- 加熱用機材(今回は電熱器。バーナー・コンロでも可)
- サーモスタット(電熱器用)
- ジップロック
- フォーク
- スモークウッド
- (あれば)ピートパウダー
- アルミホイル
- タコ糸
- ふきん(薄手のもの・ハム用)
- 鍋(ハム用)
- 温度計(ハム用)
結構あれこれ使いますが、燻製器は、鍋など加工しても構いません。
私が使っているのは、上の画像にあるような、ラーメン屋さんが出前に使うオカモチを加工したものです(私はラーメン屋さんではありませんけど)。
一点書くと、キャンプ用のフォールディング(折り畳み)式の燻製器ではさすがに小さすぎるので、ある程度大きなものを使いましょう。
加熱にはバーナーやコンロを使うのがキャンプでは一般的です。
ただ、温度管理がやや面倒なので、電熱器とサーモスタットを組み合わせることで温度管理を自動化することもできます。
電気を使った燻製は電源サイトでやるか、自宅でやるべきですね。

クリアな読み取りのためのデジタルチューブLEDディスプレイ、操作が簡単な4つのボタン
便利な使用のためのプラグ、プラグアンドプレイの設計済みのコードが事前に配線されています。
暖房/冷蔵モードでは、ユーザーは開始/停止温度を自由に設定できます。水槽、床暖房、温室など幅広い用途に適しています。温度校正機能付き。
温度測定範囲:-9°C〜99°C;分解能:0.1℃。
上記のサーモスタットは安い品ですが、電熱器のソケットがそのまま差し込めるので、電機関連が苦手という人にも分かりやすく、おすすめです。
ただ、これ自体のソケットがコンセントに差し込めないので、下記のような変換アダプタが必要です。
これだけ揃えれば、温燻システムは完成。
かなり本格的な燻製づくりができるようになります。
1週間塩漬けしてから燻製に! 本格ハム・ベーコンの作り方
1)
下ごしらえです。実際に燻製にする1週間前には始めましょう。より味を深めたいなら2週間前がベストです。まずは使用するまな板やフォークを熱湯でよく殺菌します。手もしっかり洗いましょう。ここをサボると、塩漬けの最中に肉が腐敗することがあります。
筆者撮影
2)
肉にフォークでブスブスと穴を開けておきます。これで塩や調味料が中まで浸透しやすくなります。

筆者撮影
3)
塩、調味料はすべてしっかり計量をしてから、ジップロックの中で混ぜ合わせます。

筆者撮影
4)
肉をこのジップロックの中に入れて、まんべんなく調味料にまみれるように、しっかりと揉んでいきます。

筆者撮影
5)
以上で下処理は終了。ジップロックはなるべく空気を抜いて冷蔵庫に入れておきましょう。これを一日一回程度上下ひっくり返して塩漬けにしていきます。

筆者撮影
6)
ここからは燻製をする前日の工程です。2週間経った状態の肉がこちら。塩抜きは不要ですが、よく流水で調味料を洗い流してください。

筆者撮影
7)
しっかり水分を拭き取ったら、タコ糸で縛ります。ベーコンは適当に縛ってOKです。ハムはなるべく丸くしたいので、ふきんで絞りながら縛ります。円筒をイメージしながら、手で形を整えていきましょう。縛り終わったら、ふきんの両端は短く切っておくようにします(こうしないと燻製中にふきんの端に火が付くことがあります)。

筆者撮影
8)
冬場であればこの状態で屋外に吊るして一晩乾燥させますが、冬場以外なら冷蔵庫で乾燥ができます。キッチンペーパーを敷いて、ラップなどかけずに寝かせます。

筆者撮影
(すみません、今気づきましたがこの段階ではベーコンを縛っていませんね)
下処理は以上です。キャンプ場で燻製にするなら、肉を出発直前にジップロックに入れて、クーラーボックスで持参しましょう。
9)
ここからは燻製です。まず、燻製器によく水分を拭き取った肉を入れて、30分ほど50~70度で加熱し、熱乾燥させます。

筆者撮影
10)
今回、燻製にはスモークウッドのウイスキーオークを使用しました。これにピートパウダーを乗せ、さらにウイスキーを小さじ1杯ぐらい振りかけています。この辺もお好みで構いません。ただ、温燻の場合はチップではなくウッドのほうが使いやすいです。こんな感じでしっかりと火をつけてから燻製を開始します。

筆者撮影
11)
50~70度の温燻を2時間程度キープします。ウッド一本使い切る感じがいいと思います。
途中、たまに様子を見ながら水分を拭い、上下ひっくり返しましょう。
熱源にバーナーやコンロを使う場合、ひたすら温度計とにらめっこし、70度を越えたら火を落とし、50度を下回ったら着火します。
サーモスタットと電熱器を使う場合は、「50」「70」と温度を設定し、サーモスタットの温度センサーを燻製器に差し込んでおけばおしまいです。サーモスタットが勝手に電熱器の電源をつけたり消したりしてくれます。

筆者撮影
12)
2時間経った状態がこちら。ベーコンの色づきがよければ燻製は完了です。

筆者撮影
もし、あまりウッドが燃えて小さくなってはおらず、色づきもイマイチの場合、5度程度温度を上げて、様子を見ながら温燻を追加してください。
ベーコンはこれで完成です。
13)
ハムはそのまま食べられるように、殺菌処理してやる必要があります。ふきんを取った上で、肉の中心に温度計を差し込み、お湯で茹でます。温度計が63度になったら火加減を調節して、なるべく63度をキープしながら、さらに30分茹でます。これで殺菌が完了し、ハムも完成となります。

筆者撮影
ハムはそのまま食べられる! ベーコンはアヒージョやベーコンエッグに!
【簡単レシピ】1週間で本格ハム・ベーコンを燻製で作る!
youtu.be食べる時は少し冷ましてからの方が切り分けしやすいです。
ハムはそのまま食べられます。
また、分厚く切ってハムステーキにしても美味しいです。
食べてみると分かりますが、おせち料理などに入っている高級ハムの味に近いです。
ベーコンはそのままでは食べられないので、必ず焼くなりの調理をしましょう。焼く時は、こちらの記事を参考にするとカリカリに焼けます。ベーコンエッグなどにすると、驚くほど濃密な味わいが楽しめますよ。
今回は両方とスモークチーズで動画のようなアヒージョにしてみました。
ソロキャンプでしたが、贅沢すぎるアヒージョになりました。
どちらもクーラーボックスに入れて持ち帰り、冷蔵庫で保存をすれば、1~2週間は食べられます。
キャンプ場でつくれる数少ない「おみやげ」になりますね。