【レザークラフト基本①】スキレットハンドルカバーを自作! 好みや用途で革の種類を決めよう
小物から衣服まで多様なアイテムに使われ、肌なじみが良く温かみのある味わいが人気の革製品。丈夫で耐久性がある点や、ナチュラルな見た目もキャンプと好相性です。
革は切りっぱなしでもほつれず、自由に加工しやすいのが特徴の素材です。レザークラフトには難しいイメージがあるかもしれませんが、基本さえ押さえれば、お裁縫や工作が苦手という人でも簡単な作品がすぐに作れますよ。
革の種類には、牛や豚など何の革を使っているか、鞣(なめ)し方で異なる特徴があり、好みや用途で使い分けられます。
今回はスキレットのハンドルカバーを作るので、熱が伝わりにくいように2〜3mm厚のものを用意しましょう。また、大きさはハガキ大2枚か、A4サイズ1枚あればOKです。
今回はタンニンなめしの牛革を使用しました。雑貨店やホームセンターでも少量から取り扱っています。
実際に店舗に行ける方は、お得な「端切れ(ハギレ)」や好きな肌触りのものを手にとって選んでみてください。
牛革 ハギレ ヌメ革 タンニンなめし レザークラフト 本革 型紙付き
【レザークラフト基本②】「切り方・穴の開け方・縫い方」を解説 一部DIY道具は100均でも購入可◎
次に道具を見ていきましょう。
レザークラフトの工程は大きく分けて「切る」「穴を開ける」「縫う」の3つです。革は布と違って厚みがあり硬いので、針を突き立てるだけではなかなか貫通しません。
そこであらかじめ革に穴を開け、その穴に糸を通して縫っていきます。
この穴あけ作業は、レザークラフトの特徴のひとつ。道具も特殊なものを使います。
それ以外の工程では100円ショップで手に入る道具や、一般的な工作で使用する道具で代用可能です。専用の道具を必要最低限のものにすると、およそ3,000円程度で揃えられます。
それでは、道具を「切る」「穴を開ける」「縫う」に分けて紹介していきます。
〈レザークラフトの切る道具〉革を裁断する工程で使用
・革包丁(カッターでも可)
・カッティングマット(工作板など)
・厚紙(型紙に使用します)
専用の革包丁がない場合は、一般的なカッターでも代用可能です。刃先を折って新しくして、切れ味を良くしましょう。
刃はすぐにボロボロになってしまうので、何回も使用するのであれば、専用の革包丁の購入をおすすめします。
〈レザークラフトの穴を開ける道具〉革に穴を開ける工程で使用
・菱目打ち
・ゴム板
・ハンマー(木槌など)
菱目打ちは手縫いでレザークラフトをするうえで最重要のアイテムです。菱目打ちをハンマーで革に打ち付けることで、厚みのある革に穴を開けることができます。
100円ショップのキリなどでも穴を開けることはできますが、等間隔に何十もの穴を開けるのはとても骨が折れるので、できれば専用のものを購入しましょう。
ハンマーは専用のものでなくても、ある程度重みがあれば代用可能です。
ゴム板は、革を貫通した菱目打ちを受け止め衝撃を和らげ、テーブル等の台を傷つけないために使用します。
クラフト社 革工具 4本ヒシ目打 2.0mm 8241
〈レザークラフトの縫う道具〉革を縫い合わせる工程で使用
・縫い針2本
・縫い糸(ロウを引いたものが良い)
3つめは「縫う」工程です。縫い針は2本必要になります。革用の針か、それに近い針が太めで糸の通る穴が大きめのものを用意しましょう。
レザークラフトでは一般的にロウ引きされた糸を使用します。ロウを引く理由は糸の毛羽立ちを抑え、縫い目をキュッと引き締め、強度を高めるためです。
予めロウ引きされている糸を購入する方法と、自分で麻糸やたこ糸にロウを引く方法があります。
〈レザークラフトのその他の道具〉接着剤や仕上げ剤は様々な工程で使用
・接着剤(木工用ボンド)
・コバ仕上剤(トコノール、トコクリアーなど)
接着剤や仕上剤は様々な工程で使用されるので、最後にご紹介しました。
接着剤は革の貼り合わせや、糸の始末に使用します。皮革用接着剤もありますが、木工用ボンドでも代用可能です。
革のザラザラした裏面や側面(コバ)は磨くことで毛羽立ちがなくなり、ツヤが出ます。水だけで磨いても効果がありますが、可能であれば専用の処理剤を購入しましょう。
それでは実際にスキレットカバーを作っていきましょう!
【自作スキレットハンドルカバーの作り方①】型紙作りから革のパーツ作成まで 初心者でも簡単に作れる!
〈型紙作り〉
まずは手持ちのスキレットを持ってきて、ハンドルカバーの型紙を作りましょう。
スキレットの持ち手部分を紙に写し取ります。この時、スキレットの上下を裏返すと、持ち手が紙に近づいて型を取りやすくなります。
今回使用したのは、ロッジの9インチスキレットです。
LODGE(ロッジ)ロジック9インチ スキレット フライパン L6SK3
ハンドルの厚みと縫い代を考慮して、ひとまわり大きめに型紙を作ります。今回は、ハンドルの一番太い幅の3cmに、左右1.5cmずつをプラスして型取りしました。
型紙が出来たら、一度スキレットに当ててサイズ感を確かめてみると安心です。
自作スキレットハンドルカバーの作り方②〈革を裁断〉
次に革を裁断します。カッターを使う場合は、厚みがある革は数回に分けて切り込みを入れていきます。
革包丁、カッターのほか、クラフトハサミを使うと革細工に慣れていない方でも比較的簡単に裁断できます。
プラス フィットカットカーブ 万能はさみ ネイビー SC-175PM 34-631
〈床面や切り口にトコノールで光沢を〉
革裏側の床面(とこめん)や切り口(コバ)のザラザラした部分が気になるときは、トコノールなどの仕上げ剤を使います。
適量を垂らして、ガラス板などでこすり磨きます。ガラスのコップなどでもOKです。
トコノールがない場合は、水を含ませて磨くだけでもしっとりと光沢が出ますが、トコノールに比べ持続性はありませんのでご注意を。
また、接着力が落ちるので、縫い合わせる革の端にはトコノールを塗らないようにしましょう。