なぜ夏なのにオニオングラタンスープ? 実はそれにはワケがある!

オニオングラタンスープはタマネギの旨味がたっぷりと浸み出たアツアツのスープに、焼けたバケットとチーズが乗ったメニューで、どちらかと言えば冬に美味しい料理です。
それをあえて夏に差し掛かろうという時期に紹介するのは、実はタマネギが保冷剤として使えるからです。
どういうことか? オニオングラタンスープのようにタマネギを徹底して炒める料理は、手間もかかり、時間も長く要するので、そのあたりが敬遠されがちな理由です。
しかし、スライスしたタマネギを冷凍しておけば、炒めるための時間が大幅に圧縮されるのです。これは、冷凍によってタマネギの繊維が壊されるため。
そして冷凍されたタマネギはそのままクーラーボックスをしっかり冷やしてくれます。つまりキャンプ場につくまで保冷剤として使える、というわけです。
夏はクーラーボックスがすぐぬるくなりがちなので、食材と保冷剤を兼ねる冷凍タマネギは非常に役に立ちます。
このテクニックは、カレーや肉じゃがなど、タマネギを炒める料理ではなんでも応用できるので、覚えておくといいですよ。
オニオングラタンスープの食材と調理に必要な道具
オニオングラタンスープの食材(3~4人前)

筆者撮影
・タマネギ …大3個
・ニンニク …1~2片
・ブイヨン …3個
・ローリエ …1枚
・塩 …少量
・赤ワイン …100ml
・水 …600ml
・バケット …3片
・ピザ用チーズ …40g
・ドライパセリ …適量
・黒瀬スパイス(なければ黒胡椒) …適量
・サラダ油、もしくはオリーブオイル …少量
ローリエ、赤ワイン、ブイヨン、塩は味の深みを出すために使いますが、このうち、ないと少々苦しいのがブイヨンと塩です。必ず用意しましょう。ワインとローリエは無くても大丈夫です。
オニオングラタンスープの調理に必要な道具

筆者撮影
・ダッチオーブン(鍋でも可)
・トーチバーナー
・炭火など煮込むための熱源(家庭ならガスコンロ)
・スキレットなど(バケットを焼くため。家庭ならトースター)
煮込み料理はやはりダッチオーブンの使用を推奨します。放置をしておけばよく、煮込めば煮込むほど味が良くなるので、キャンプでも家庭でも使いやすいです。
もちろん、なけれな圧力鍋やあるいは普通の鍋でも構いません。

ダッチオーブン本体サイズ:内径=直径25.9×高さ11.5cm、外形=幅35×奥行28×高さ16cm 重量5.2kg
リッドリフターサイズ:幅37×奥行4×高さ3cm 重量0.245kg
ダッチオーブン収納ケースサイズ:幅38×奥行29.5×高さ16.5cm 重量0.5kg
満水容量:5.2L
材質:【ダッチオーブン】ステンレス、【リッドリフター】本体=ステンレス・グリップ=シリコーン樹脂、【収納ケース】外側=ポリエステル・内側 底布=PVC、持ち手=ポリプロピレン
トーチバーナーは今回に限らず、あると料理の幅が拡がるので、ひとつ持っておくことをお薦めします。お値段も手頃で、ホームセンターなどでも買えますし。焼くというより、「炙り」に効果を発揮しますね。
火にかけて放置するだけ! オニオングラタンスープの作り方
1)
まず下ごしらえです。これはキャンプ前日にやっておきましょう。
タマネギの皮をむき、薄くスライスします。量がありますが、手を抜かずに薄くスライスしておくようにします。

筆者撮影
2)
スライスし終わったタマネギは、ジップロックやボウルなどに入れて冷凍庫に入れてしまい、完全に凍らせます。
ニオイがかなり出るので、ボウルを使うならこんな感じに二重にラップをかけておきましょう。

筆者撮影
3)
一晩凍らせたタマネギがこちら。
完全にくっついていますので、保冷剤としての効果はバツグンです!キャンプで使う場合、ニオイが出ないようにジップロックなどに入れてクーラーボックスに入れておけばOK。
これ単独でクーラーボックスを冷やすのは難しいですが、保冷剤が長持ちしますよ。

筆者撮影
4)
ここからが調理です。
凍った状態のタマネギをそのまま少量のサラダ油かオリーブ油で炒めます。焦げ付かせないように、かき混ぜながら中火~弱火で炒めます。時間はおよそ15分ぐらいですが、色を見ながら炒めるようにします。
なお、ステンレスダッチオーブンですと、強火で常にかき混ぜるように炒めると、極めて短時間で炒め終わります。

筆者撮影
5)
最低でもこのぐらいまでは炒めましょう。いわゆる「飴色になるまで」というやつです。
こうなったら刻んだニンニクを入れて、弱火でさらに炒めます。ニンニクは焦げやすいので、香りが出たら火を止めます。

筆者撮影
6)
赤ワイン、水、ブイヨン、ローリエを入れて、軽く塩を振って味を調えてから、蓋をして弱火で煮込みます。途中水が減ったら差し水をしても構いません。

筆者撮影
7)
1時間ほど煮込んだ状態がこちら。差し水は1回だけしています。

筆者撮影
8)
器にスープをタマネギごと注いだら、軽く焼いたバケット(スキレットなどで焼けます)を乗せ、その上にピザ用チーズを振りかけます。

筆者撮影
9)
トーチバーナーでピザ用チーズを溶かしていきます。遠火にして、少しずつ溶かす感じ。火が近いと、溶けるより先に焦げてしまいます(多少の焦げ目は問題ありません)。
また、器も溶かさないように気をつけましょう。チーズが溶けたら黒瀬スパイス(なければ黒胡椒)とドライパセリで色味をつけて、完成です。

筆者撮影
お酒のシメにあると嬉しいスープ料理「オニオングラタンスープ」

筆者撮影
いかがでしたか?
タマネギを炒める手間がありますが、それもタマネギをあらかじめ冷凍することで時間の短縮ができます(凍らせないと1時間ぐらい炒める事になります)し、それ以外は簡単ですよね。
料理にもう一品足したい時や、お酒のシメになど、こうした旨味の強いスープがあると便利です。炭火さえあれば放置しておくだけなので、早めに作っておくといいでしょう。
「シメと言えばラーメン」という方も多いと思いますが、シメのラーメンは翌朝まで残り、胃にかかる負担がとても大きいです。
できればこうしたスープ料理で胃をいたわってあげるとよいですよ。
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