そもそも「湯シャン」って何? シャンプー&コンディショナーをやめると髪が増える?頭皮が健康に?

(筆者撮影)筆者が「湯シャン」をする際に参考にした本です。
シャンプーを使わずに髪の毛を洗うケア方法として知られる「湯シャン」。
- ハリやツヤが出てきた
- ボリュームが出た
- 髪の毛が増えた
など実際に始めた人たちからはこのような声が上がっています。
・筆者が「湯シャン」を始めたきっかけ
筆者もその経験者のひとりです。「湯シャン」を始めたのは2014年の夏。きっかけは頭皮湿疹が治らなかったことでした。
皮膚科で処方されたステロイド薬を塗っても治らず困っていたところ、知人から「お湯だけで洗ってたら自然に治ったよ」と聞いたのです。界面活性剤が皮膚に与えるダメージについては知っていたので、その日からシャンプーを止めることにしました。
夏場にシャンプーを使わないことに抵抗はありましたが、湯シャンについて書かれた本を読むと、ただお湯で洗うだけではなく、その前にブラッシングでしっかり汚れを取るとのこと。「それなら清潔に保てそう」と思い、納得して始めました。
実際に湯シャンをしてみると筆者の場合は思ったよりもベタつきやニオイが気にならず、頭皮湿疹もいつの間にか治っていました。
・頭皮も髪の毛も健康にしてくれる、「湯シャン」の効果
本によると、洗い過ぎることで頭皮の角質層(バリア)が薄くなって髪の毛が生える土壌が痩せてしまい、そこから生える髪の毛も弱ってしまうのだそうです。頭皮の下には薄い脂肪組織があって、その下はもう頭蓋骨。毛根が根を張れるスペースはほんのわずかです。
さらに、洗い過ぎることで皮脂が不足し、もっと皮脂を出そうと頭皮からは過剰な皮脂分泌が起こるようになります。湯シャンは、洗い過ぎないことで髪の毛に栄養が与えられる土壌を育て、頭皮も髪の毛も健康な状態に導いてくれるのです。
・筆者はこの本を参考にして「湯シャン」を始めました。
【湯シャンの6つのメリット】シャンプー&コンディショナーをやめるだけ! 良い効果が多くおすすめ

【1.頭皮・肌トラブルが減る】
シャンプーによる洗い過ぎを防ぐことで頭皮が厚くなり、きちんと新陳代謝ができるようになります。おでこや耳まわり、首まわりなどの皮膚炎や目の炎症などは、シャンプーが原因のことも。湯シャンにすることでシャンプーの刺激がなくなり、改善されやすくなります。
【2.健康でキレイな髪になる】
しっかりとした頭皮が再生されるので、髪の毛にも栄養が行き渡り、ツヤやコシ、ハリが出てきます。適量の皮脂がきちんと出るようになるので、髪の毛のまとまりも良くなります。
【3.髪の毛が増える】
毛根がしっかりするので一本一本の毛が太くなり、抜け毛が減ります。湯シャンを始めて髪の毛が増えたという人は多いです。
【4.自然環境にやさしい】
お湯で洗うのが基本で、スタイリング剤を使った時は純石鹸で洗います。シャンプーは合成洗剤ですが、純石鹸は石けん素地100%のため、生分解して自然界へ還ることができます。環境への負担が少なく、キャンプ場でも安心です!
【5.節約】
常備するアイテムはブラッシングブラシとクリーナーブラシ、純石鹸、クエン酸、ワセリンです。高級シャンプーやコンディショナーは要りません。
【6.モノ・荷物が減る】
シャンプーやコンディショナーなどを使わないのでお風呂場のモノが減り、掃除がしやすく空間がスッキリします。キャンプの荷物も減ります!
【基本ケア】単にシャンプー&コンディショナーをやめるだけでは✕ 丁寧なブラッシングとぬるま水洗髪

(筆者撮影)写真は筆者が愛用するブラッシングブラシとブラシクリーナー、純石鹸です。
【まずはブラッシングから】
ブラシが地肌に触れないようにしながら、毛髪だけをとかして髪の毛についた汚れを落としていきます。とかし方は「ゆっくりとやさしく」です。ブラシは目が細かく、できれば頭皮へのあたりが優しい豚毛や猪毛の獣毛タイプがおすすめです。
獣毛ブラシならツヤも出るというオマケもついてきます。ブラシに汚れがつきやすいので、お湯で洗ったり、クシや別のブラシ、ブラシクリーナーなどを使ってキレイな状態にしておくことがポイントです。
【「ぬるま水」で洗う】
ブラシで汚れを落としたら湯シャンを始めます。この時、お湯の温度は水よりも少し温かい35度以下の「ぬるま水」がベストです。皮膚の表面温度は34~35度。頭皮から出てくる皮脂や、皮脂が酸化した過酸化脂質は水溶性のため、この温度で洗い流すことができます。
熱いと細胞間脂質が溶けてしまい、髪や頭皮が乾燥しやすくなるので注意してください。頭皮は指の腹で軽く撫でるように洗い、髪の毛は手ぐしで根元から毛先に向かってとかすように洗います。
【純石鹸+クエン酸の洗髪もOK】
最初のうちはベタつきが気になる方が多いようです。「お湯だけじゃ無理!」という場合は純石鹸で洗い、クエン酸をお湯で溶いたものをかけてリンス代わりにします。
クエン酸リンスは洗面器1杯に小さじ1/2のクエン酸を入れてよくかき混ぜればできあがりです。クエン酸は肌に付着するとしみるので、髪の毛全体になじませたらすぐに洗い流しましょう。
ちなみに、筆者は石鹸で洗ってもゴワツキをあまり感じないので、クエン酸を使っていません。
【注意点】
- 最初は日々のシャンプーで頭皮が薄くなって皮脂分泌が増えている状態です。スタートから3週間後くらいで皮脂の分泌量が減り始めます。
- ベタつきは大体4~5ヶ月後くらいで軽減すると言われています。筆者は最初からそこまでベタつきは感じませんでしたが、スタートするなら湿度のない季節から始めるのがおすすめです。
- 過酸化脂質でかゆみが出る場合もあります。湯シャンで皮脂腺が小さくなると1ヶ月も経たずに改善するようですが、中にはマラセチアによる脂漏性皮膚炎の場合もあるので、長引く時は皮膚科を受診しましょう。
・筆者が愛用する老舗メーカー『牛乳石鹸』の無添加純石鹸です。お値段もお手頃です。
・ブラッシングブラシ
目が細かく、できれば頭皮へのあたりが優しい豚毛や猪毛の獣毛タイプがおすすめです。獣毛ブラシならツヤも出ます。