※前編では「塊り肉を買った方がおいしくなる」「切ってから焼くのではなく、焼いてから切る」ということをお伝えしました。未読の方はぜひ!
バーベキュー用に大きな塊り肉を買ってみよう! 押さえるべきポイントは4つ
塊り肉を買う場合、まずお肉屋さんに事前に相談をすることが大切です。
なぜなら、お肉屋さんは「その日に売りたいお肉」を朝のうちに全てカットしてしまうから。塊り肉を買いたいのなら、「カットしないでね」と伝えておく必要があります。
多くのお肉屋さんでは、毎日または2〜3日に1回仕入れをしているので、お肉を使う1週間前に相談しておけば、良い状態の塊のお肉を準備しておいてくれます。
そして、相談する時に伝えるのはこの3点です。
- 肉の種類と部位
- 状態
- 量
1つずつ見ていきましょう。
「お肉の種類」と「部位」
まずは、お肉屋さんに「どんなお肉がほしいのか」を伝えましょう。
- 何の動物か:牛、豚、鶏、羊、馬、鹿、猪など
- 産地:国産か外国産
- 部位:ロース、肩ロース、バラ、ヒレ、モモ、ムネ、ランプなど
ちなみに、何を買えば良いかわからない場合は、店員さんに聞いちゃいましょう!
慣れない方は、豚肩ロースや鶏の骨付きもも肉がオススメです。ネットで買うならこちら。
また、焼肉屋さんでよく食べられる牛ハラミ肉も、比較的小ぶりなシート状なので焼きやすくておしいですよ。
お肉の「状態」
既にお伝えしてきた通り、お肉の形状・状態に関しては…
"塊"の一択!!
ここ一番重要です。
「カットしないで塊のままお願いします!!」と伝えるようにしましょう!
また、冷凍がいいのか、冷蔵がいいのかも聞かれると思うので、どちらがいいか伝えましょう。
キャンプ2日目だったり、移動に時間がかかったりする場合は冷凍のお肉を保冷剤の代用にするなんて裏技もあります!
お肉の「量」
これが一番難しいかもしれません。
一般的な飲食店のステーキは150g~200g程度です。大人4人なら600g~800gですよね。
塊り肉なら1部位で最低でも500g以上は欲しいところです。
1本2kg前後の豚肩ロースは、見た目のインパクトもあってオススメですよ。
塊り肉を気軽に買うために、お肉屋さんと仲良くなろう!
お肉屋さんやスーパーの店員さんの中でも、責任者の方や実際に肉をカットしている方だといろんなことを教えてくれます。
お話しして自分のことを覚えてもらえたら、お得情報やおまけも期待できちゃいます!
お肉屋さんと仲良くなったら、こんな会話も楽しめて、お肉屋さんに行くのが楽しみになりますよ!
「こないだのお肉、キャンプでこんな料理にしたらとっても美味しかった!」
「今度は牛肉でこんな料理にチャレンジしたいんだけど、どの部位をどのくらい購入すればいいだろう?」
お肉屋さんと一緒にキャンプに行くことはないかもしれませんが、お肉屋さんはキャンプ仲間の必須メンバーだと思っています!
慣れてきたらこんな風にお肉を注文してみよう! バーベキュー用塊り肉の買い方
キャンプ用の食材を調達する際には、こんな風に注文してみてください。
- 「豚の肩ロースをカットしていない状態で1本売ってください」
- 「豚のヒレ肉をカットしない状態で1本売ってください」
- 「豚の腕肉を1kg塊のまま売ってください」
- 「骨つきの鶏モモ肉を○○本売ってください」
- 「鶏を丸のまま売ってください」
- 「牛のランプを2kg塊のまま売ってください」
BBQ研究家のオススメの種類と部位
私のオススメは、豚の腕肉です。モモ肉(後ろ足)ではなく腕(前足)です。
ロースやバラのように同じ形にカットできないので、お肉屋さんのショーケースに並ぶ時は、切り落としやミンチに姿を変えています。
しかし、この腕肉は繊維が複雑に絡んでいて、脂も乗っていて、何より味が濃くっておいしいです!!
ちなみに豚トロって、豚の前足にくっついている部分って知ってましたか?脂がのっていておいしいですよね。
豚トロのおいしさからも、豚の腕肉の味の良さをイメージしてもらえるかと思います。
バーベキューでお肉をおいしく焼くコツ! そもそも "肉を焼く"とはどういうことか?を知るのが大事!
今回はプロの料理人も実践している「戻し・焼き・休ませ」という焼き方の手順と、おすすめのカバーグリルをご紹介します。
生焼けを防ぐには? タレで味付けせずに、塩コショウだけして焼こう!
日本人は焼肉スタイルのBBQが主流なので、焼いてからタレを付けて食べることが多いですよね。
一方オーストラリアでは、焼く前や焼きながら味付けして食べています。お肉屋さんにも、BBQ用に味付けされた塊のお肉がたくさん並んでいます。
しかし、味付けした塊り肉をグリルの上で焼くと、表面が直ぐに焦げてしまいます。表面がこんがりしていても、中が生焼けなんてことは容易に想像できるのではないでしょうか。
よって、タレで味付けなどをせずにグリルで焼くのがおすすめです。
味付けする場合は、シンプルに多めの塩コショウを試してみてください。お肉の旨味が残っているので、味付けにこだわらなくてもおいしく食べれます!
お肉を焼くってどういうこと?
そもそもお肉を焼くというのは、お肉の温度を食べられる温度まで上げることです。冷蔵庫や氷の入ったクーラーボックスで保存していた場合、お肉の温度は5〜10℃程度。
お肉を安全に食べるためには、外側だけでなくお肉の中心温度が68℃以上になるまで加熱しなくてはなりません。
保存していたお肉の温度が5℃ですから、68℃まで温めるには、63℃の熱を加える必要がありますよね。
しっかりと熱を加えるためにも、お肉の中心の温度は専用の温度計で計りましょう!
さて、お肉をおいしく焼くための以下の3ステップについて、ここからくわしく解説していきます。
- 戻し
- 焼き
- 休ませ
【戻し】焼く前に肉を常温に!
前述の通り、肉の中心を68℃まであげるために熱を加えるわけですが、長時間火にかけると表面が焦げて水分が飛んでしまいます。
そうならないために、焼く前に温度を上げてしまおうというのが"戻し"という工程です。
冷蔵庫やクーラーボックスからお肉を出して、焼くまでの間に20℃前後(常温)に戻すのです。
こうすることで調理開始の温度が5℃から20℃に上がり、加熱は+48℃ですみますよね。
焚き火の側に置いたり、近くに吊るしておいたりして戻すことで、温度が高くなるのでおすすめです。
少し時間をかけて戻してあげると、バーベキューで焼く際にとっても焼きやすくなり、おいしく仕上がります。
【焼き】炭や火などの斜め上にお肉を置くのがポイント!
焼くというと、下記画像の左側の絵のように火や熱源の真上にお肉を置きたくなりますが、ここはぐっとこらえて、右の絵のように熱源の斜め上に置くようにしましょう。
火や熱源の上にお肉を置くと、肉汁が滴って炭火が消えたり、脂が滴って炎が上がり肉が焦げてしまいます。
ちなみに、おいしく焼くためには蓋ができるBBQグリルを使うのがおすすめ。オーブンのように熱効率が良く、焼く時間が短くなります。
また、グリルの中の酸素が少なくなるので炎が上がらず、塊肉の表面が焦げづらくなります。
BBQ研究家のオススメはweberのグリルです!!
また、お肉は初心者でも焼きやすい3~5cmくらいの厚さからチャレンジして、徐々にもっと大きなお肉にチェレンジしましょう。
【休ませ】30~60秒休ませるだけで、食べた時のジューシーさUP!
焼き上がったら(または焼いている途中に)、数分間だけ火から少し遠ざけて休ませます。この工程を経ることで、ジューシーな焼き上がりになるんです!
この休ませている間に、食材の表面近くで加熱された水分が食材の中で動き回り、徐々に中心部分を温めてくれます。
焼きあがったばかりの熱々のお肉は、水を沸かしたヤカンと同じ状態で、肉の中の水分が沸騰しています。この状態でお肉に包丁を入れると、肉汁がドバッと溢れ出てきてもったいないですね。
最低でも30秒から1分程度は、まな板やバットの上、またはアルミホイルで包んで休ませましょう。
【まとめ】バーベキューで塊り肉をおいしく焼くコツ
常温に戻し→焼き→火から離して休ませる
このステップで焼くことにより、食材の芯まで焦がさず、水分も逃さずにおいしく焼き上がりますよ!