ビア缶チキンとは鶏の丸焼き ビールで蒸し上げることで鶏肉が柔らかくジューシーに!

画像はイメージです。
ハイボールが美味しい季節ですね!
ウイスキー党の私がビールを買うのは、このビア缶チキンを作る時だけです。ビールで蒸し上げた鶏肉は柔らかくてジューシー。それでいて外側の皮はパリパリとしており、ハイボールが進みます(結局ビールは飲まない)。
ビア缶チキンはイメージ画像のような「鶏の丸焼き」を作るメニューのこと。キャンパーなら一度は作ってみたい、見た目も作り方も楽しい料理です。ただ、「丸鶏を使う」というところが結構ハードルが高く、敬遠してしまっている方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、市販されている丸鶏は食べやすく下処理がされており、ある意味ビア缶チキンのためにある、と言っても過言ではないぐらい、そのまま簡単に調理をすることができます。
「あの生々しい見た目がちょっと…」
と思っている方も、この記事をご覧になったらハードルが少しは下がるかもしれません。
なお今回は、例によって単に普通のビア缶チキンを作るのではなく、少しスモーキーに仕上げる、くにぱぐ流燻製ビア缶チキンです。こんなご馳走、アウトドアじゃなければちょっと食べられないですよ!
【道具】炭火を使えるバーベキューグリルが必須! あとは鶏が収まる容器があればOK

筆者撮影
ビア缶チキンを焼く際は、必ず炭火を使うようにします。炭火は遠赤外線の効果でムラなく丸鶏全体に火を通してくれますし、何よりの強みは、こまめに焼き加減をチェックしながら焼き上げることができる点です。ゆっくりと火が通るので、焼き加減さえしっかりと見ていれば、ほとんど失敗は起こりえない、というわけです。ですので、炭火を使えるバーベキューグリルが必須になります。
グリルは丸鶏が立っても倒れないような安定感と、後述の容器がしっかり乗るぐらいの大きさが必要です。
今回はユニフレームの定番焚き火台であるファイアグリルを使用しました。ロストルは別売りのヘビーロストルに差し替えることで、より高い安定度を出しています。
なお、同じユニフレームなら、薪グリルも使いやすいと思います。
ビア缶チキンは蒸し焼き料理なので、すっぽりと丸鶏に覆いかぶさるサイズの容器が必要です。
私の場合は、いつものホンマの燻製器の上半分を使用しています。取り外しのできる蓋があるうえ、下方に底がありませんから、非常に使い勝手がよいです。
こうしたものがない場合、オススメなのがブリキ製のバケツです。持ち手もあるうえに安いので、使い捨て感覚で使えますね。
あるいは素焼きの植木鉢なども使えますが、大きいサイズの素焼きの品が少し手に入りにくく、しかも高価なので、バケツの方が良さそうです。
10インチ以上のダッチオーブンがあればこれでも構いません。ただし、丸鶏を立てて入れることはできないので、斜めに傾けたりするなど、工夫が必要になります。
燻製用にはスモークチップだけを使います。桜など、香りが強めのものの方がオススメです。
その他、ビア缶を固定するためのホルダーがキャプテンスタッグなどから発売されています。無くても問題はありませんが、あった方が作りやすくはなるでしょう。
【食材】丸鶏は中抜きされて、冷凍のものを選ぶこと! 蒸し上げ用ビールは350ml缶で十分

筆者撮影
丸鶏はクリスマスシーズンになるとどこでも買えますが、それ以外の季節だと業務用スーパーなどで手に入ります。
使いやすいのは「中抜きがされており」「冷凍されたもの」です。値段は意外と安くて数百円といったところ。生のものでも問題はないのですが、多少高い気がします。
また、大きいサイズのものだと調理が大変です。だいたい1kg前後のものと2kg前後のものがあるようなので、1kg前後のものを選ぶようにしましょう。
ビールはなんでも大丈夫です。発泡酒や第3のビールに分類されるものでも問題はありません。350ミリリットル缶を1つ買いましょう。
あとはおなじみの黒瀬スパイス。味付けはこれだけで十分です。
【作り方】ビア缶チキンの味付けは黒瀬のスパイスだけ! 焼き色を確認して、30分〜1時間焼こう

筆者撮影
1)
冷凍の丸鶏の場合、まずは解凍をする必要があります。冷蔵庫に移して2日ぐらい放置するのがよいのですが、時間が無い場合はビニール袋に入れて流水に当てたり、屋外で放置するなどしましょう。完全に解凍されていることが望ましいものの、ビア缶がお尻部分の穴に刺さるぐらいまで解凍が進んでいれば、ひとまず問題ありません。

筆者撮影
2)
味付けは黒瀬スパイスだけで大丈夫です。全面に塗りこみましょう。黒瀬スパイスが無い場合は、塩、胡椒、ニンニクなどをすり込んでおきます。味付けが終わったら、中身が1/3まで減ったビールの缶をお尻部分の穴に挿し込みます。一応、これだけでも自立はしますが、不安定なので、扱いには注意しましょう。可能ならばスタンドのようなもので固定をした方がよいでしょう。
また、「首の辺りの穴を爪楊枝で塞いでおく」という記事もよく見かけるのですが、あえて塞がないほうが私はよい気がしています。こうすることで、ビールの湯気が肉の表面にも回るため、焼き色がよくなるのです。ただし、この辺はお好みがあると思いますので、いろいろとやり方を試してみてください。

筆者撮影
3)
バーベキューグリルのセッティングは、炭火を中心に集め、そこにスモークチップを振り掛ける感じです。チップはすぐに燃えてしまうので、適宜足していくとよいでしょう。

筆者撮影
4)
いよいよ丸鶏を焼いていきます。容器で丸鶏を囲み、蒸し焼きにします。倒れないように注意しましょう。逆にダッチオーブン使用時など、どうしても寝かさなければならない場合は、ビールの缶の向きに気をつけ、飲み口が丸鶏の背中の方に来るようにします。1/3ぐらいのビールの量ならこれで漏れることはなくなります。また、寝かせる場合も網を敷き、丸鶏が直接鍋に触れないようにします。

筆者撮影
5)
あとはのんびりじっくり、焼きあがるのを待つだけです。炭火であればいきなり焦げてしまうようなことはありませんから、たまに中の様子を見て、チップを適宜足しながら、いい色合いになるまで待ちます。
この写真は、「もう完成かな?」と思って一回取り出してしまいまして、そのときの場面がこれです。やはりもう少し焼き目が欲しかったので、この後もう一回グリルに戻しています。酔っ払って作っているので、結構その辺はアバウトなのです。
【食べ方】両足を付け根から切り離して肉を削ぐだけ! 完成したビア缶チキンを食べ尽くそう

筆者撮影
1時間ほどかけて焼き上げました。いかがでしょうか? 見事な焼き色がついていますね。
このぐらいの焼き色になると、表面はパリパリとした食感になります。肉はビールの効果で柔らかく、しっとりとしています。スモークの香りはさほど感じませんが、風味としては十分です。
※ もっと本格的なスモークチキンを作りたい場合は、スモークウッドを使って熱燻をしますが、それはまた別の機会に紹介します。
食べ方ですが、両足をモモの付け根から切り離し、あとは肉のある部分を適宜削いでいけば、誰でも捌くことができます。食べやすいモモの部分はお子様に喜ばれますし、お尻のあたりはお酒のツマミに最高です。
肉が残ってしまった場合は、ほぐしてクーラーボックスの中などに保管しておけば、例によってホットサンドの材料になります。 特にマヨネーズとの相性がよいので、是非試してみてください!