本格スモークチーズの作り方のコツ 燻製時に熱でチーズを溶かさず、色づきを良くすること
今回は燻製の中でもポピュラーな存在である「スモークチーズ」にスポットを当ててみます。
皆さん、「本物のスモークチーズ」って食べたことありますか?上のイメージ画像のようなものがスーパーなどで買えますが、実際のところ、こうした市販のスモークチーズの大部分は、製造効率を優先するため、燻製の香りのする液体に漬け込まれて作られており、燻されているわけではないです。
それだけに本物のスモークチーズを食べたければ自分で作るのが手っ取り早いわけです。
一番やりがちなのは、燻製時の熱でチーズを溶かしてしまうことです。また、溶けなかった場合、今度は「色づきが悪い」ということもあり得ます。
スモークチーズは繊細なのですが、いくつかコツが分かっていれば失敗は避けられますし、極上のチーズが作れます。その辺りのコツを順番に解説していきますね。キャンプ場でも家でも作れますよ!
【道具】燻製器は大きめのものを選ぶと安心 クッキングシート、またはアルミホイルを用意しよう!
当然燻製器は必要ですが、どんなものでも大丈夫です。とはいえ、ウッドやチップにチーズが近くなるほど溶けやすくなるため、なるべく大きなものが安心です。ダンボール製の簡易的なものでも構いません。
逆にメスティンなどあまり小さなものを使うと、チーズが溶けるリスクは高まります。
なお、私は今回、ステンレス製の岡持ち(ラーメン屋さんなどが出前に使う道具)を運良く入手できたので、それを改造して燻製器にしました。
改造といっても簡単で、岡持ちの棚を金網に交換し、空気を抜いたり温度計を差し込むための穴をドリルでいくつか開けただけです。非常に使い勝手が良いため、今後の主力にするつもりですが、こんな感じで燻製器を自作しても面白いですよ!
話が横道に逸れましたが、他に必要なのは、スモークウッド、スモークチップ(どちらかだけでも可)と、クッキングシートです。
スモークウッドなら温燻(40度〜70度で時間をかける燻製)向き、スモークチップなら熱燻(80度以上で短時間で仕上げる燻製)向きです。どちらでもできますが、私の場合は両方を使います。
クッキングシートが無い場合、アルミホイルや厚紙でも代用できます。また、ピートパウダーやザラメ、ウイスキーなどがあると、より深い色づきが期待できます。
スモークウッド
先ほどもお伝えしたようにスモークウッドは温燻向きです。熱燻で使用すると高火力が与え続けられてしまうため、燃え上がってしまうことがあるので注意が必要になります。
スモークチップ
熱燻向きなのがスモークチップ。見た目と名前の通り、チップ状なので燃えやすいという特徴があります。そのため長時間使用したい場合には継ぎ足す必要があります。スモークウッドとの区別としては、燻製方法で使い分けるのが一般的です。
ピートパウダー
ピートスモークパウダーは燻製した食べ物に色をつける役割があります。ウイスキーの香りづけに使用されることもあるアイテムで、燻製の際にも香りもプラスされます。スモークウッド・スモークチップのいずれかと併用するのがおすすめです。
【食材】チーズ選びはかなり重要! 溶けにくいチーズを選ぶのが燻製で失敗しないポイント
材料となるチーズですが、なるべく硬さのあるプロセスチーズを選ぶこと。これがかなり重要です。
おすすめなのは画像のファミリアチーズです。大きさがあるわりに約400円〜600円とコストパフォーマンスもよいです。
ただ、どこのスーパーにでもあるというわけではないのが問題ですね。業務用スーパーなどでの取り扱いが多いようですが、似たようなブロック状のチーズは各社から発売されているので、手に入らない場合はそうしたものを使うといいでしょう。