ハリケーンランタンってなに?

「おぎやはぎのハピキャン」より
Photographer 吉田 達史
ハピキャンのシーズン1、ヒロシさんがゲスト回の放送では、1人1つのオイルランタンに火を着けて楽しんでおりました。このレトロでかわいいランタンは、ドイツ製の「フュアーハンドランタン ベイビースペシャル276」という商品になります。

「おぎやはぎのハピキャン」より
Photographer 吉田 達史・ヒロシさんの私物フュアーハンドランタン
「フュアーハンド」というのはブランド名になりまして、こういった形状のランタン全般を「ハリケーンランタン」と呼びます。ハリケーンランタン自体は様々なメーカーから販売されておりますが、構造はどれもほとんど一緒です。アメリカのDIETZ(デイツ)製が、大きさのバリエーションが多くありますね。
ハリケーンランタンの魅力は「雰囲気」「扱いやすさ」「燃費」「風に強い」
なんといっても雰囲気が最高!
明るさはガスやガソリンを使う加圧式ランタンやLEDランタンに比べると、断然控えめです。焼き肉の焼け具合なんかを見るには、光量が足りないです。本を読むにも苦労します。
それでも多くのキャンパーを魅了する最大の理由は、雰囲気だと断言します!

筆者撮影
焚き火タイムなどリラックスする時のおともに、柔らかく優しい明るさで、照らせる範囲はごく狭い範囲。それがいいんです。炎が揺らぐさまは、焚き火に通じるものがあると思います。何よりランタン本体の形がかわいい!
扱いが簡単!
燃料を入れて火を着けるだけなので、燃焼式ランタンの中ではトップクラスに扱いが楽です。加圧式ランタンのようなポンピングは不要で、予熱も不要です。初心者の方でも、さほど苦労なく扱えるはずです。
燃費が良く経済的
ハリケーンランタンの燃料はランタンオイルですが、灯油も普通に使えます。灯油の場合、一晩使っても10円もかからないぐらいです。
灯油を使った場合はススが出やすいのですが、これも後述のメンテナンスをすれば問題ありません。メンテナンスが面倒な方は、ランタンオイルを使いましょう。防虫ハーブオイルなどもありまして、簡易な虫除けにすることも可能です。
ランタン本体の価格も、後ほどリンクで紹介しますが、5,000円あればお釣りがきます。変わった色だとちょっと高くなりますが、それでも1万円以下で購入可能です。
風にめっぽう強い
「ハリケーンランタン」というぐらいなので、風にはめっぽう強いです。ランタン自体が落下するのはもちろん駄目ですけど、風だけで炎が消えることはまずありません。100年以上変わらないこの形、これが燃焼に必要な酸素を取り込みつつ、風が炎に直接当たらないという構造なんです。
ハリケーンランタンを使ってみよう!
こちらは私の私物、赤いフュアーハンドランタンです。これを使って、各部の説明をしていきます。

筆者撮影 各部の名称です
使い始めの前に、芯をカット
ハリケーンランタンを購入して一番最初にすることは、芯のカットです。芯の先端を丸くしてあげることで、炎の形がきれいになります。

筆者撮影
ランタンてっぺんのリングを持ち上げると、ホヤ(ガラス)のロックが外れます。

筆者撮影
リングを持ち上げつつ、ホヤを横倒しにします。落として割らないように気をつけましょう。ホヤは引き抜けますので、割らないよう外して安全な場所に置いておくのも良いです。

筆者撮影
芯のついた燃焼部の土台、バーナーがむき出しになります。この土台は、タンクを押さえながら時計回りに回すと外せます。初めてだと、塗料が噛んで固い場合があります。

筆者撮影
バーナーが外れました。メンテナンスで芯を交換する時は、芯上下レバーを回すと外れます。新品の場合、バーナーに付いたまま芯の先端をカットしてしまっても問題ありません!

筆者撮影
こちらは新品の芯です。このままだと切り口が斜めになっているので、炎の形も斜めになります。

筆者撮影
ハサミで芯の先端が丸くなるよう、角を切って整えます。

筆者撮影
どうせ燃えてしまうところですので、あまり神経質にやる必要はありません。大体丸くなれば、バーナーにセットして本体に戻します。
続いて燃料の補給

筆者撮影
ランタン本体以外に用意するものは、燃料です。各種ランタンオイル、灯油が使えます。
私は最初にこの小さい300mlボトルを買って、使い切ったら大きい1Lボトルから詰め替えて使っています。このボトルは先端が細くなっているので、漏斗も不要です。ベイビースペシャル276のタンク容量は340mlなので、これ1本でほぼ満タンにできますが、満タンにはしない方が良いです。
オイルは50ml~60mlも入っていれば、おおよそ5~6時間は使えます。ランタンに燃料が入った状態で、持ち運びの際に傾けてしまうと燃料が漏れます。使う分だけ入れるようにしましょう。

筆者撮影
燃料キャップを反時計回りに回して、外します。外したキャップは無くさないように。

筆者撮影
燃料オイルを注入します。たっぷり入れてしまうと使い切るのが大変なので、使い切れそうな分だけ入れてキャップを閉めます。300cc燃料ボトルの場合、おおよそ指2本分ぐらいで5~6時間分です。
オイルを入れた直後は、芯に燃料が回っていないので火を着けないでください。芯にたっぷりと燃料を吸わせてから、着火になります。時間にして30分以上待ちましょう。待ち時間は長すぎても問題ありませんので、何時間待っても大丈夫です。
いよいよ着火

筆者撮影
燃料を入れてたっぷり待ったら、ホヤ上下レバーをタンク方向に押し下げます。

筆者撮影
このようにホヤがせり上がり、バーナーがむき出しになります。芯が見えなければ、芯上下レバーを回して芯を上に上げてください。

筆者撮影
隙間からマッチや長尺ライターを入れて着火します。着火後は、ホヤ上下レバーを上げてホヤを戻し、芯の上下で炎の大きさを調整します。芯を出しすぎるとススが出やすくなります。

筆者撮影
燃焼中はタンクから上が熱くなりますので、移動させる際は吊り下げハンドルを使ってください。いくら見た目がかわいくても、炎です。燃えやすいものの近くには置かない、密閉されたテント内などでは使わない、という基本を忘れずに!
火を消す時

筆者撮影
火を消したい時は、火を着ける時と同じくホヤを上げて、息をフッとふきかけます。芯は上下させず、そのままで良いです。持ち運びを考えると、燃料は使い切るのが望ましいですね。タンクにちょっとぐらい残っているのであれば大丈夫ですので、逆さまにしないようにだけ気をつけてください。