焚き火の魅力とは?
寒いときに暖を取ったり、料理をしたり、揺れる炎を見つめながらパチパチと火が燃える音を聞いたりと、焚き火ひとつでさまざまな楽しみ方ができます。キャンパーの中には「焚き火がキャンプの醍醐味!」という方も多いはず。
ここでは、そんな焚き火の3つの魅力についてご紹介します。
焚き火の魅力1:安らぎ効果
実は、焚き火は心を落ち着かせる安らぎ効果もあります。
焚き火には規則性のない変化「ゆらぎ」があり、火のゆらぎや、薪のはじける音を聞くと脳がリラックスし、ストレスを和らげてくれる効果があると言われています。
また薪を燃やしたときに出る煙には特有の香りがあり、自然に包まれるような心地よさを感じることもできるでしょう。焚き火は私たちの視覚、聴覚、嗅覚を刺激し、心地よい空間を作り出してくれる存在なのです。
焚き火の魅力2:体が暖まる
焚き火の近くにいると、火が放つ熱で体が暖まります。特に寒い夜や風のある場所では、その暖かさがいっそう際立つでしょう。
焚き火の暖かさが体全体をじんわりと包み込み、寒さを和らげながら、快適でリラックスした時間を過ごせます。
焚き火の魅力3:焚き火ならではの料理
焚き火を熱源として料理をするのも、キャンプならではの醍醐味と言えるでしょう。代表的な焚き火料理として、以下のようなものが挙げられます。
・焼きマシュマロ
串に刺したマシュマロを焚き火で焼くと、外はカリッ、中はトロッとした焼きマシュマロができあがります。そのまま食べてもいいですし、温かいココアに入れて飲むのもおすすめです。
・ホイル焼き
アルミホイルで包んだ魚や肉、きのこや野菜を火の中で蒸し焼きにします。素材の旨みを引き出し、そのままの味わいを楽しめるのが特徴です。
・串焼き
野菜や肉を串に刺して、直火で焼くだけのシンプルな料理ですが、焚き火ならではのワイルド感が楽しめます。
どれも簡単でありながら、焚き火の魅力が詰まった料理です。ぜひ試してみてください。
焚き火をするならキャンプ場がおすすめ!
広い庭があるご家庭なら場所に困ることもないと思いますが、ご近所とのしがらみ等で中々やりにくいという方がほとんどではないでしょうか。
キャンプ場ですと、大抵は焚き火が可能です。ただし夜は駄目というルールがあったり、国立公園や国定公園内では火気の使用が禁止されている場合があります。
私有地なら地主さんの許可を得て、国や市が保有する河川敷や海岸などは、やってもいいものか管轄する自治体にお問い合わせください。ただしここで許可を得られても、近隣の住民から通報されることはあります。
またバーベキュー場でも、特定のエリアや設備を備えた場所では焚き火が許可されているところがあります。
言うまでもありませんが、ゴミなどは全て持ち帰り、火災に細心の注意を払うことが大前提です。問題行為があれば次回は禁止される、問題行為をする人がいるから通報されるということをご理解頂いて、誰にも迷惑かけないよう、つつましくやりましょう。
許可を取っても通報されたりとか面倒くさそう…と思う方がほとんどですよね。私もです!素直にキャンプ場に行くのが良いです。キャンプ場ならトイレと水道が使えますし、薪も手に入ります。
焚き火をするのに必要な道具は?
初めに焚き火をする際に必要な道具を揃えましょう!
【焚き火をするのに必要な道具】
- 焚き火台
- 薪
- 着火するための道具
- 火ばさみ&手袋
おすすめのアイテムもあわせて詳しく説明していきます。
1.焚き火台
まずは焚き火台が必要です。最近のキャンプ場では、地面で直接焚き火を燃やす直火は禁止になっていることが多いです。芝生の保護、火災防止、地中の微生物の保護など色々な理由はございますが、焚き火を楽しむためには必須と思ってもらって良いです。
こちらはピコグリルという焚き火台。軽量コンパクトなのに調理ができるゴトクもあり、大人気の商品です。ピコグリルは人気があって中々定価では購入できません
私はいくつか使っていますが、入門用におすすめの焚き火台はユニフレームのファイアグリルです。付属の網でのBBQもできますし、剛性も高く、価格もそれほど高くありません。徒歩移動などならもっと小さいものが良いですが、オートキャンプならコレです。
2.薪
焚き火をするのに薪が無ければ、何も燃やすものは無いですよね。屁理屈みたいで申し訳ないですが、実際にキャンプを始めて頂くと、薪の安定確保というのが難しいと分かって頂けると思います。
良く乾燥した薪だと、燃やしている時にバチン!と爆ぜることも少なく理想的です。自宅で乾燥して持っていくのが確実ですが、大量に運ぶのは難しいですね。
結果的にキャンプ場などで購入することも多くなりますが、乾燥した薪が手に入るかどうかは運です。
針葉樹と混ぜながら使うことをおススメします。針葉樹はエネルギーが弱いのですが、燃焼速度が速いため、温度が上がりやすくなります。そのため焚き付けや火が小さくなった時、燃焼を良くするために最適です。携帯焚火台・コンパクト薪ストーブ用 含水率20%以下(外側) 必ず焚きつけ、焚き木等で火のまわりを良くしてから(火が燃えている状態で)ご使用ください。1箱のサイズ約37cm×...
私はキャンプ場で売っている薪が明らかに高い場合などは、通販か薪屋さんで事前に買って持っていきます。
キャンプ場に落ちている木を拾って薪にできなくも無いですが、正直アテになりません。また、落ちている木を拾って燃やしてはいけない場所もあります。キャンプ場にチェックインの時に聞いてください。
生きている木の枝は折ったりして傷つけてはいけませんし、仮に火を着けても煙が出るだけで良く燃えません。焚き火用ではなく、忍者の狼煙用です。遭難して救助を求めるわけでないなら、止めておきましょう。
キャンプ場で両方が手に入るかどうかは、「その場所による」としか言えません。どちらか一種だけの販売ということが、ほとんどだと感じます。
また、焚き火をする際に覚えておいた方が良いことがあります。それは、針葉樹と広葉樹の違い です。
薪の種類はスギやヒノキなどの針葉樹と、クリやケヤキ、ナラといった広葉樹があります。
針葉樹は、火が着きやすく、燃え尽きやすい。広葉樹は、火は着きにくいけど長く燃えるという違いがあります。着火の際は針葉樹を使って、炎を大きくしてから広葉樹を燃やすようにすると長く楽しめますよ。
種類 | 特徴 | |
針葉樹 | スギ、ヒノキ | 火が着きやすく、燃え尽きやすい |
広葉樹 | クリ、ケヤキ、ナラ | 火は着きにくいけど長く燃える |
3.着火剤やライターなどの着火道具
「ファイヤースターターなどで火を着けるのってかっこいい!」と憧れますよね。しかし、焚き火デビューの際は、一旦忘れてください。もちろん試して頂くのは自由なんですが、その場合も着火方法は複数用意しましょう。
私は望む時にすぐに火が着けられることがベストだと思っているので、ライターを使ってしまいます。なかなか燃えにくい場合は、ガストーチやガスバーナーです。何種類か選択肢があると、精神的に楽です。
また、ライターやガストーチやガスバーナーを使用する場合は、風向きに注意しましょう。風向きによっては火が逆流し、自分に向かって火が燃え広がる危険性があります。風が吹いてくる方向を背に、風下に向かって火を着けてください。
また、着火剤を使うと火が着きやすくなります。着火剤にはいろいろな種類がありますが、初心者におすすめの着火剤はこちらです。
固形着火剤 | 固形のブロック状で、燃焼時間が長く、火をつけやすい |
ジェル着火剤 | 風が強い場所でも使用しやすい、広範囲に火をつけられる |
着火剤は、焚き火台の中心においてその上に薪を並べましょう。
私は望む時にすぐに火が着けられることがベストだと思っているので、ライターを使ってしまいます。なかなか燃えにくい場合は、ガストーチやガスバーナーです。何種類か選択肢があると、精神的に楽です。
▼おすすめのライターはこちらの記事でチェック!
4.火ばさみ&手袋
薪を掴んで燃えやすい位置に移動させたりするのに、火ばさみが必要です。はじめは安いものでも良いですが、1,000円も出せばそこそこ使い勝手が良いものが手に入ります。私が愛用しているのは、テンマクデザインのキングトングという商品です。
究極のデザイン [KING Tongs] 発売開始! 今までに無いデザインのトングを新発売! シーカヤック界のレジェンド 沖縄カヤックセンター仲村氏が自作し長年使用していたトングを元にデザイン!
20年以上焚火だけでツアー中の食事を作るプロがたどり着いたトングの究極の形です!
●特徴的な先端は太い薪から楊枝の様な細い枝まで容易につかめます。 ●バネの部分は特殊な構造によりへたりにくく耐久性に優れます。
●簡易的なダッチオーブンなどのリフターとしても利用できます。
太い薪も、細い枝もしっかり掴めておすすめです。
デザインにこだわりたいなら、こちらの無骨な薪バサミもおすすめ。
焚き火台を扱う際には、熱に強い手袋も必要です。薪のささくれなどから手を守るためにも、あった方が良いでしょう。革製のものがおすすめです。
【溶接工の防熱商品専門工場の耐熱手袋】●この商品は本来、溶接工の防熱商品専門工場が溶接工のために制作した、耐熱グローブです。●過酷な溶接作業のための耐熱手袋ですから、焚き火・暖炉・バーベキュー・ダッチオーブンの耐熱グローブとしては十分すぎる役割を果たします。
【機能性、耐久性が抜群】●手首からヒジの手前あたりまで革に覆われるので、ヒジから指先まで暖炉・焚き火の高熱を防ぐことができる防熱手袋です。...
分厚いものの方が熱に強いのですが、ナイフで薪を削るなどの細かい作業もするなら、もう少し薄い方が扱いやすいです。私も耐熱重視のものと作業性の良いもの、何種類か使い分けています。
【焚き火にあったら便利なものをご紹介】火吹き棒・斧など便利グッズを解説!
斧・ナタ・ノコギリなどの薪割り道具
薪が大きいままだと、なかなかうまく燃えにくいです。そういった時に細かく割ることで、格段に燃やしやすくなるので、斧・ナタ・ノコギリなどの薪割り道具も用意しましょう。
針葉樹は簡単に割りやすく、広葉樹は割りにくいです。広葉樹を扱うときは、パワフルに薪割りができる斧があると作業しやすいですよ。
火吹き棒
薪が効率的に燃えるためには、酸素が必要となります。これを強制的に、ピンポイントで送り込んであげるのが火吹き棒です。うちわなども使えなくはないですが、灰が盛大に舞うのでご注意ください。
炎が弱まってきた際に、数回吹いてあげれば良いです。中が空洞な棒で自作できますし、Amazonなどで購入しても数百円です。デザイン性に優れた高級品もありますが、役割は安いものも高級品も同じですので、お好きなものを選んでください。
不燃シート
焚き火台の形によっては、灰や燃えカスが下に落ちてしまうものがあります。こういった不燃性のシートを下に敷いておくと、後片付けの際に楽です。
爆ぜた火の粉が飛ぶことは、どの焚き火台を使っていても起こります。地面が土や砂利などであれば踏んで消せばいいのですが、芝生などの場合は草が焦げます。冬の枯れ芝が燃えやすく一番危険で、一気に燃え広がります。
不燃性のシートを敷いて、火事にならないようにしましょう。
火消しつぼ
火消しつぼは急に風が強くなってきた時など、すぐに火を消したい場合に役立ちます。
焚き火台に残った炭へ直接水をかけて消そうとすると、水蒸気が出て、灰が舞ったり焚き火台が変形したりします。
火消しつぼに熾火を移し入れて、フタを閉めて酸素を遮断することで速く安全に消火できます。入れてすぐは火消しつぼも熱くなっているので、冷えるまで触らないよう気をつけましょう。
また、火消しつぼで薪を消火した場合、炭に似たものになっているので再利用も可能です。激しく炎を上げて燃えはしませんが、燃焼の足しにはなります。
焚き火タープ
焚き火する際の一番の問題は風です。風が強い時は、焚き火を諦めないといけません。次に問題となるのが雨ですが、これはタープを使うことで解決できます。
どんなタープでも良いわけではなく、コットン素材など火の粉で穴が開きにくいものを使います。また、いくら火の粉に強いとは言っても、燃えないわけではありません!炎はあまり大きく高くせず、控えめに燃やすようにしましょう。
▼焚き火で役立つ難燃性のアイテムはこちらの記事でも紹介しています!
【初心者向け】焚き火のやり方・手順を徹底解説
1.火種を用意
焚き火台を使って、実際に焚き火する手順です。まず火種になるものを用意して、その上に小枝などを載せていきます。この写真では、松ぼっくりと細い木を火種にしています。空気が通りやすいよう、隙間を空けて組みます。
後述しますが、着火剤があれば使ってしまいましょう。着火の難易度が格段に下がります。乾燥した木の皮や葉っぱなども、良く燃えやすいです。
2.小さい枝から大きい枝へ
風が強いと火が消えますが、全く酸素が無いと燃えません。小さい枝から徐々に大きな枝へ、火種を移していく感じで燃やします。より大きな枝を追加するタイミングは、小さい枝が赤い炎を出して燃えている時がベストです。炎が出ない時は、火吹き棒などで少しずつ酸素を送り込みます。
3.少しずつ大きな薪を追加
少しずつ大きな薪を追加していきます。この写真で入れているのは針葉樹の端材で、よく燃えます。私は最小限の薪でやりたい貧乏性なのでこういったやり方ですが、火をつける前からヤグラ型に細い薪を組んでおいても良いです。
4.炎を上げて燃える状況になったらOK!
細い薪が炎を上げて燃える状況になれば、火おこしは終了。大きな薪を入れても大丈夫です。上の写真でも、右側に太い広葉樹がスタンバイしています。
あとはひたすら燃やして楽しみます。炎が上がらない時は、薪の位置を空気が通るよう組み替えて送風です。焚き火中は、基本的に目を離さないようにしましょう。トイレに行くぐらいなら構いませんが、キャンプ中のお風呂など、長時間離れる際は火を消します。
使い終わった割り箸など、木であれば燃やしてもいいですが、ゴミを燃やすのは止めておきましょう。黒煙が出てあなた自身も煙い思いをしますし、周りの迷惑になります。
焚き火の後片付け方法
焚き火を安全に楽しむためには、後片付けも重要なポイントです。そこでここからは、理想的な後片付けの方法について紹介します。
「立つ鳥跡を濁さず」ともいいますので、後片付けの方法もきっちりとマスターして、安全かつ、マナーを守って焚き火を楽しみましょう。
薪を燃やし尽くす
薪は燃やし尽くして、灰は指定場所に捨てて帰るのが理想的です。そのため、焚き火を終了する2時間前から、薪の量を調整しましょう。
熾火(炎がでない状態)になったら、灰にする場合は1箇所にあつめて燃やし尽くします。早く火を消したい場合は、焚き火台の上に広げて鎮火を待ちます。熾火は赤色が消えてもまだ熱いため、燃えかすが十分に冷えたことを確認してから処分しましょう。
ただし、どこのキャンプ場にも灰捨て場があるわけではありませんので、ない場合は持ち帰
りましょう。
また、熾火になったからといってそのまま放置するのは危険です。風などで飛ばされて周囲の物に火が付く恐れがありますので、必ず完全に火が消えたのを確認してから火のそばを離れましょう。
燃え残りは火消しつぼに入れる
焚き火を消す際にやってはいけないことがあります。それは、水をかけることです。
水をかけると、灰や燃え残りが飛び散ってしまいます。しかし、途中で焚き火をやめたいときもありますよね。薪が燃え尽きるまで待つのは時間がかかりますので、そんなときは火消しつぼを使いましょう。
火が完全に消えていない薪や炭を、つぼの中に入れて蓋をすることで酸素を遮断し、自然に火を消すことができます。水をかけることなく安全に火を消せるので、焚き火をする際に火消しつぼがあるととても便利です。
焚き火をする時の注意点
火の粉が周囲のものに燃え移る可能性があり
風が強い時の焚き火は危険です。炎が風で流れるようだと、火の粉がテントなど周りのものに燃え移ることもあります。素直に諦めましょう。
大型風防などもありますが、風で火種が消えにくくなるだけで、周囲へ延焼する危険度はさほど変わりません。
すぐに火を消せる手段を確保する
風が弱い時もですが、緊急消火用に水の入ったバケツなどを用意しておきます。
ペットボトルでも構いませんし、ウォータージャグでも何でもいいので、緊急時にすぐに火を消せる手段を確保してから始めましょう!
マナーを守って、安全に楽しく焚き火を楽しもう
焚き火には、暖が取れる、調理の熱源になる、自然の中でのリラックスできるなど、さまざまな魅力があります。友人同士や家族、恋人同士で焚き火を囲みながら会話する時間は至福の時です。
一方、火の管理を怠ると火傷や火事につながる危険性もあるので注意が必要。しっかり準備をし、正しい方法で焚き火をするようにしましょう。
今回ご紹介したポイントを押さえて、安全に配慮しつつ、ぜひ家族やお友達同士で焚き火にチャレンジしてみませんか。