近年のアウトドア人気の高まりとともに、アウトドア向きの自動車が増えてきていますよね。特に、軽自動車の進化は勢いがあり「コンパクトなのに、タフでパワフル」な軽自動車がメーカー各社から続々登場しています。軽自動車は小回りが利く上に、維持費も安いなどメリットも盛りだくさん。そこで今回は、自動車業界で10年勤務した経験を持つ、キャンプ歴5年の筆者がアウトドアにおすすめの軽自動車ランキングをご紹介します。
購入前にチェック!アウトドア用に軽自動車を選ぶメリット・デメリット
アウトドア向けの軽自動車が増えているとはいえ「軽自動車だと物足りないんじゃないか…」と不安に思う方も少なくないでしょう。
まずは、アウトドア用に軽自動車を選ぶメリットとデメリットをご紹介します。実際のアウトドアシーンもイメージしながら、ご自身に軽自動車が向いているかどうかチェックしてくださいね。
メリット:とにかくコスパが良い!
- 維持費が安い
- 小回りが利く
- 駐車スペースがコンパクト
軽自動車の最大のメリットは、コストを抑えられること。車両価格をはじめ、税金面や車検費用、高速道路の料金、ガソリン代、さらにはタイヤ代まで、普通車に比べて割安です。
コンパクトなため、キャンプ場へ行く道中でありがちな狭い道でも、運転のストレスが少なくなります。
またキャンプ場のオートサイトでは、駐車スペースも含んだ区画が割り当てられることが多いですよね。軽自動車ならコンパクトな分、テントやタープを張れるスペースが広くなるのも嬉しいポイントです。
▼車の維持費についてはこちらの記事もチェック!
車の維持費はどれぐらい? ハピキャンライター&読者に聞いた維持費と節約術【前編】
車の維持費を安くする方法は? ハピキャンライター&読者に聞いた維持費と節約術【後編】
デメリット:コンパクトだからこその弱点も
- 定員が最大4人
- 積める荷物の量が限られる
- パワー不足
軽自動車にはコンパクトだからこそのデメリットもあります。
まず乗れる人数が最大4人と決められているため、5人以上の家族やグループでアウトドアに行きたい場合、軽自動車は候補から外れてしまうでしょう。
また、積める荷物の量は普通車よりも限られてしまうケースが多いです。たくさん荷物を積みたい場合には、ルーフボックスを取り付けたり、軽量コンパクトなキャンプギアを選んだりといった工夫が必要になることがあります。
さらに軽自動車は、普通自動車よりもエンジンの排気量が小さいため、パワー不足が気になる場合も。山道や高速道路などで、非力さや走りづらさを感じることがあるかもしれません。
元業界人が選ぶ!アウトドアにおすすめな軽自動車ランキング
ここからは、筆者の自動車業界での勤務経験とキャンパーとしての経験をもとに、アウトドア用としておすすめしたい軽自動車をランキング形式でご紹介します。
【1位】一番売れてる万能カー!HONDA(ホンダ)『N-BOX』
『N-BOX』は2024年度上半期(4月~9月)において、新車販売台数で第1位を獲得しており、まさに「今、日本で一番売れている軽自動車」です。
広い車内スペースや、乗り降りしやすいスライドドアで、普段の生活からアウトドアまで幅広く活躍してくれます。安全運転をサポートする「Honda SENSING」機能や、力強い走りと燃費の両立などにより、高い走行性能を実現。
前席を後ろに倒した「リフレッシュ・モード」にすれば、車中泊も可能です!
「毎日快適に車に乗りたいし、楽しくアウトドアにも出かけたい」。そんなニーズにぴったりの一台でしょう。
なお2024年9月より、もっと手軽にアウトドアを楽しめる『N-BOX JOY』も発売されています。ぜひあわせてチェックしてみてくださいね。
- サイズ
- ボディサイズ/全長3.395mm、全幅1,475mm、全高1,790mm
- 室内サイズ/長さ2,125mm、幅1,350mm、高さ1,400mm
- 燃費:21.6km/L
- フルフラット可否:可
- 価格帯:
- 新車/168~192万円
- 中古車/17~417万円
- 公式サイト:https://www.honda.co.jp/Nbox/
▼新発売『N-BOX JOY』についてはこちらの記事をチェック!
【ホンダ】N-BOXにアウトドアな新タイプ『JOY』登場!遊び心あふれる内外装&機能を搭載!
【2位】広々空間で車中泊も快適!SUZUKI(スズキ)『スペーシアギア』
『スペーシアギア』は、広い室内空間とアクティブなスタイルを融合した人気の軽自動車です。
スズキはジムニー・ラパン・ハスラーなど多数の人気軽自動車を輩出しており、日本の軽自動車界をけん引する存在。
なかでもスペーシアギアは、スズキらしい高い技術力とノウハウを詰め込み、アウトドア向きに仕上げた車です。たとえば、撥水加工のシートや防汚タイプのラゲッジフロア、ルーフレールなど、アウトドアシーンでハードに使える装備が充実しています。
天井が高く車内空間が広いので、車中泊をしたい人にもぴったりです。
- サイズ:
- ボディサイズ/全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1.800mm
- 室内サイズ/長さ2,170mm、幅1,345mm、高さ1,415mm
- 燃費:23.9km/L
- フルフラット可否:可
- 価格帯:
- 新車/195~215万円
- 中古車/86~309万円
- 公式サイト:https://www.suzuki.co.jp/car/spacia_gear/
【3位】ファミリーに嬉しい機能満載!DAIHATSU(ダイハツ)『タントファンクロス』
ダイハツはトヨタの完全子会社として、軽自動車やコンパクトカーの開発に特化しているメーカー。特にファミリーカーが充実しており、軽自動車やコンパクトカーでありながらも、ファミリーが快適に乗れる車を多く手掛けています。
『タントファンクロス』もファミリー向けの軽自動車で、ダイハツの人気軽自動車であった『タント』を、もっとアクティブに進化させた一台。センターピラーレスを実現した「ミラクルオープンドア」により、助手席開口側は1,490mmも開くので、大きな荷物の出し入れや子供の乗り降りが楽ちんです。
ほかにも格納式のシートバックテーブルやシートヒーター、自在なシートアレンジなど、ファミリーに嬉しい機能がもりだくさんですよ。これからアウトドアにたくさん出かけたいファミリーにイチオシの車です。
- サイズ:
- ボディサイズ/全長3,395m、全幅1,475mm、全高1,785mm
- 室内サイズ/長さ2,125mm、幅1,350mm、高さ1,370mm
- 燃費:26.4km/L
- フルフラット可否:可
- 価格帯:
- 新車/177~202万円
- 中古車/143~240万円
- 公式サイト:https://www.daihatsu.co.jp/lineup/tanto_funcross/index.htm
【4位】軽でもおしゃれキャンプが叶う!SUZUKI(スズキ)『ハスラー』
「遊べる軽!」のキャッチフレーズでおなじみの『ハスラー』は、街中でもキャンプ場でもよく見かける、人気の軽自動車。
カッコよさと可愛さを兼ね備えたデザインがファンから支持されており、「軽自動車でもオシャレにキャンプがしたい!」という願いをかなえてくれます。
もちろん、アウトドア向けの機能もたっぷり搭載。ブレーキサポートや車線逸脱防止機能といった予防安全技術をはじめ、シートヒーターや空気中の有害物質を抑制してくれる「ナノイーX」を備えたエアコン、操作しやすい大型ナビなど、かゆいところに手が届くような機能が詰まっています。
2024年5月には、さらにアウトドアで使いやすい仕様へ進化した『ハスラー タフワイルド』も販売されています。
- サイズ:
- ボディサイズ/全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,680mm
- 室内サイズ/長さ2,215mm、幅1,330m、高さ1,270mm
- 燃費:25.0km/L
- フルフラット可否:可
- 価格帯:
- 新車/151~197万円
- 中古車/23~299万円
- 公式サイト:https://www.suzuki.co.jp/car/hustler/
【5位】荷物をたくさん積める軽バン!HONDA(ホンダ)『N-VAN』
ホンダの『N-VAN』は、本ランキングでも1位に輝いた人気軽自動車・N-BOXをベースに開発された軽バン(軽商用車)。
いい意味で「軽バンらしくない」見た目と、カーキやイエローといったポップなカラーリングで、乗用車として愛用する方も非常に多い車です。
最大積載量350kgと、たくさんの荷物を積める設計は軽バンであるN-VANならではの強み!「軽自動車でも荷物をたくさん運びたい!」という人に特におすすめです。
後部座席を倒せばフルフラットのシートアレンジも可能なので、車中泊を楽しむ方々からも人気を集めています。車中泊しながら旅したい方や、1~2人でアウトドアに出かけることが多い方は要チェックですよ!
- サイズ:
- ボディサイズ/全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,945mm
- 室内サイズ/長さ1,510(左)mm・1,330(右)mm、幅1,250mm、高さ1,370mm、
- 燃費:19.2km/L
- フルフラット可否:可
- 価格帯:
- 新車/136~201万円
- 中古車/45~436万円
- 公式サイト:https://www.honda.co.jp/N-VAN/
【6位】ガラスルーフで自然との一体感を満喫!DAIHATSU(ダイハツ)『タフト』
ダイハツの『タフト』は天井に大きなガラスルーフ「スカイフィールトップ」が付いているのが特徴です。
車内が明るくなり開放的な気分を味わえるだけでなく、車内から自然の景色を楽しむこともできます。また開閉できるシェード付きなので、眩しい時や目隠しをしたい時も安心ですよ。
車内はしっかりとした広さがあり、幅広いシートアレンジができる設計のため、大きい荷物や長い荷物が積みやすいのもうれしいポイント。
汚れにくく、汚れても拭き取りやすいシートバック加工により、キャンプ場やビーチなどにも気兼ねなく出かけられるでしょう。
- サイズ:
- ボディサイズ/全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,630mm
- 室内サイズ/長さ2,050mm、幅1,305mm、高さ1.270mm
- 燃費:21.4km/L
- フルフラット可否:可
- 価格帯:
- 新車/132~180万円
- 中古車/90~399万円
- 公式サイト:https://www.daihatsu.co.jp/lineup/taft/
【7位】自分好みにカスタムするなら!SUZUKI(スズキ)『エブリイ』
たくさんの荷物を積みたい人には、軽バンであるスズキの『エブリイ』もおすすめ。荷物をたっぷり積める広い車内空間と、積み下ろしのしやすい開口部の設計で、大きな荷物もしっかり詰める頼もしい軽自動車です。
シンプルな構造のため、内外装を自分好みにカスタマイズしやすいのも魅力のひとつ。DIYなどでオリジナル車両を作る場合のベース車両としても大人気です。
そのままアウトドア用の車として活用するもよし、カスタムしてオリジナルの車中泊カーやキャンピングカーを作るもよしで、シーンや好みにあわせて自在な使い方ができるでしょう。
- サイズ:
- ボディサイズ/全長3,395m、全幅1,475mm、全高1,895mm
- 室内サイズ/長さ1,910mm、幅1,320mm、高さ1,240mm
- 燃費:16.4km/L
- フルフラット可否:可
- 価格帯:
- 新車/119~181万円
- 中古車/13~410万円
- 公式サイト:https://www.suzuki.co.jp/car/every/
【8位】軽トラでキャンプ!DAIHATSU(ダイハツ)『ハイゼットトラック』
『ハイゼットトラック』は、軽自動車の規格に合わせて作られた小型のトラック、いわゆる「軽トラ」です。
荷台に荷物をたくさん積めるのはもちろん、荷台のスペースをリビングにしたり、テントを張って寝室にしたりと工夫次第で快適にアウトドアを楽しめます。カーキやオレンジ、アイスグリーンなど、目を引くカラーリングが展開されているのも見逃せないポイント!
さらに車のお値段が安めなので、コストを抑えたい人にも最適です。なお、軽トラに載れるのは2人までなので、ソロまたはデュオでのアウトドアにおすすめですよ。
- サイズ:
- ボディサイズ/全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,780mm
- 荷台/長さ1,940mm、幅1,410mm、高さ285mm
- 燃費:15.6km/L
- フルフラット可否:否
- 価格帯:
- 新車/90~145万円
- 中古車/14~489万円
- 公式サイト:https://www.daihatsu.co.jp/lineup/truck/
【9位】日常からアウトドアまで良き相棒に!三菱『デリカミニ』
三菱の『デリカミニ』は、ファミリーから人気のミニバン『デリカ』のニュアンスを取り入れつつ、軽自動車ならではの小回りの良さを実現した車です。
アウトドアでも街でも映える個性的なデザインに加え、坂道も安心して走行できるタフさや、エコに走れるハイブリッドシステムなどによる優れた走行性能を備えています。
スライドドアで子供も乗り降りしやすかったり、小物もすっきり片付けられる多彩な収納が備わっていたりと利便性も抜群。たくさんアウトドアに出かけたいファミリーにおすすめです。
- サイズ:
- ボディサイズ/全長3.395m/全幅1.475m/全高1.800m
- 室内サイズ/長さ2.200m/幅1.335m/高さ1.400m
- 燃費:19.2km/L
- フルフラット可否:可
- 価格帯:
- 新車/183~227万円
- 中古車/159~369万円
- 公式サイト:https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/delica_mini/index.html
【10位】ワイルドなアウトドアに!SUZUKI(スズキ)『ジムニー』
軽自動車でありながら本格4WDの走行性能を備えたスズキ『ジムニー』は、オフロードもしっかり走れる車として、アウトドアを愛する人々から長年愛され続けています。アウトドア用の軽自動車といえば、まっさきにジムニーをイメージする人も多いのではないでしょうか。
内装はインプルイズベストな機能性を追求しているのが特徴です。過酷な環境でも操作性を損なわないよう、直感的に操作できる設計に。
リアシートを倒せば最大352Lの荷室スペースとなるため、キャンプ用品やゴルフ用品などもしっかり積み込めます。フルフラットのシートアレンジも可能なため、さまざまなアウトドアシーンで良き相棒となるでしょう。
- サイズ:
- ボディサイズ/全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,725mm
- 室内サイズ/長さ1,795mm、幅1,300mm、高さ1,200mm
- 燃費:16.6km/L
- フルフラット可否:可
- 価格帯:
- 新車/165~200万円
- 中古車/17~549万円
- 公式サイト:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/
迷ったときはココを見よ!アウトドア向きな軽自動車の選び方
軽自動車はたくさんの種類が販売されているので、どれが良いか迷ってしまうこともあるはずです。
アウトドア用の軽自動車を選ぶときには、以下のポイントに注目してみましょう。
- 車内空間の広さ
- シートがフルフラットになるか
- 燃費は良いか
まず、アウトドアでは荷物をたくさん積むことが多いので、車内空間の広さは必ずチェックしたいポイントです。
車中泊もするなら、シートがフルフラットになるかも要チェック。
「荷物を積んでも寝るスペースを確保できるか」「足を伸ばして寝られるか」「着替えがしやすいかなど」実際の車中泊をイメージしながら確認するのがベストです。
車種によっては、フルフラットにした際に凹凸やスキマが気になる場合もあります。
オプション品としてフレームとマットがセットになったベッドキットを展開している場合もあるので、あわせて確認しておくといいでしょう。
また日常生活でもよく車を利用するなら、燃費の良さも見逃せないポイントです。
最近ではガソリン車より燃費の良いハイブリッド車も充実してきており、ハスラーやタントクロスのように25km/Lを超える車も多くラインナップされていますよ。
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軽自動車はメリットがたくさん!上手に活用して充実のアウトドアライフを
軽自動車は、コストパフォーマンスの高さや運転のしやすさなどのメリットがあり、うまく車種を選べば車中泊も可能です。
コンパクトな分、車内空間や積める荷物の量が限られるといったデメリットもありますが、空間をうまく活用したり、ルーフボックスを取り付けたりと工夫のしがいもあります。
軽自動車を上手に活用して、充実したアウトドアライフを送ってみてはいかがでしょうか。