「熾火（おきび）」という言葉を聞いたことはあれど、いったいどんな意味なのか詳しく知らない人も少なくないはず。そこで今回は、熾火について徹底解説します！意味や作り方のコツはもちろん、熾火を使ったおすすめレシピもご紹介。熾火をマスターして、キャンプ上級者の仲間入りをしちゃいましょう！
熾火（おきび）とは？
熾火（おきび）とは、薪や炭の芯が真っ赤に燃えている状態を指します。
BBQで真っ赤になった炭や、焚き火が落ち着いたあとの炭化した薪などが熾火にあたります。
熾火には、高く上がる炎の姿はほぼありませんが、強い遠赤外線を発しており非常に高温です。
熾火の特徴とは？
熾火の特徴として、火力が安定していて料理に適していることが挙げられます。
「アウトドアといえば焚き火での調理！」とイメージする人も多いはず。
ただ、炎が燃えさかっているときの焚き火の温度は800℃以上といわれており、火力が安定しづらいです。そのため、食材の表面が焦げてしまったり、中に火が通っていなかったりという事態になりがち。
また、煙が多くて食材にニオイが移ってしまうことや、煙が目に染みて料理どころではなくなってしまうようなケースもあるでしょう。
一方で熾火は遠赤外線を発しながら、600～700℃をキープするといわれています。遠赤外線はムラなく食材を加熱できるほか、煙が少なく、ほのかにいぶした香りが加わるため、料理がより美味しく仕上がりますよ。
さらに、炎が高く上がることがなく火力が安定していることから、熾火と食材の距離を調節するだけで火加減を調節できます。
焚き火で豪快に焼いた料理も雰囲気的には最高ですが、より美味しい料理を作るには熾火の方が適しているといえるでしょう。
熾火を作るコツ＆片付け方
熾火は炭や薪をしっかり燃やすことで作れますが、特に薪から作るときにはちょっとしたコツがあります。
ここでは熾火の作り方や、片付ける際のポイントを解説していきます。
よく乾燥した薪を使う
焚き火をすることで薪から熾火を作れますが、その際、よく乾燥した薪を使うのがポイントです。
水分が多いと火がつきにくいだけでなく、着火後にたくさんの煙が出てしまいます。
また、薪は火がつきやすい「針葉樹」と、火が持続しやすい「広葉樹」に分けられます。
- 針葉樹：スギ・ヒノキ・カラマツ・アカマツ
- 広葉樹：サクラ・ナラ・クリ・アカシア・クヌギ・ケヤキ
どちらか一方だけを使うのではなく、針葉樹と広葉樹を組み合わせて焚き火をスタートしましょう。
▼薪の種類について詳しくはこちら！
【焚き火の着火】薪の種類・着火剤の選び方や着火のコツを紹介！ これで焚き火は失敗しない！
薪を組んでから着火し、1～2時間放置する
薪から熾火を作るには、薪をしっかりと組んでから焚き火を始めるのもポイントです。
主な薪の組み方として「井桁（いげた）型」「ティピー型」「並列型」などがありますが、中でも井桁型は薪を組みやすく、焚き火初心者でも取り組みやすいのがメリットです。
焚き火をスタートできたらむやみに薪を追加したり、位置を変えたりせずに1～2時間放置しておきましょう。炎が上がりしっかりと薪が燃えていれば、徐々に薪が細くなり炭化していきます。
仕上げに火吹き棒などで風を送り、薪の中心が真っ赤になっていれば熾火の完成です！
▼薪の組み方について詳しくはこちら！
焚き火の組み方4選 キャンプファイヤー・調理など目的別に初心者にもわかりやすく解説
より手軽に作りたいときは炭を使う
炭を使う場合には、炭を焚き火の中に入れるか、バーナーなどで熱するかして、中心が赤くなるまで燃やせば熾火の完成です。
薪から熾火を作るよりも簡単かつ短い時間で作れるので、手軽に熾火を作りたい人は炭を活用するのがおすすめですよ。
▼こちらの記事では炭の種類など、炭に関する基礎知識をご紹介しています！
【炭の基礎知識】キャンプで使う木炭や豆炭を詳しく知ろう！ 炭の種類や持ち運び・保管方法も紹介
熾火の片付け方
料理や焚き火を存分に楽しんだら、熾火を確実に消火して片付けましょう。片付ける際のポイントは以下の通りです。
- 撤収の1～2時間前になったら新たな薪を投入しない
- トングなどで薪を小さくバラして、なかまで消火できているか確認する
素早く消火したいときや、薪が燃え切らない場合には火消し壺があると便利です。火消し壺に薪を入れてフタをすれば、放置しておくだけで消火が完了します。
また、一気に消火しようとして薪や炭に水をかけるのは絶対にNG。熱く燃えた薪や炭に水をかけると、高温の水蒸気があがりとても危険です。焚き火台の変形にもつながるので、注意してくださいね。
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熾火をつけたまま寝るのはダメ？注意点について解説！
熾火は炎が上がらないため放置しても問題なさそうに思えますが、就寝前には必ず消火しましょう。
熾火は薪や炭の芯が燃えているので、パッと見では消火されているように思えても「トングなどでバラしてみたらまだ燃えていた！」ということが多々あります。
熾火でも「バチッ」と火の粉が飛び、周囲の枯葉や落ち葉に燃え移り火災につながるケースも考えられます。
就寝中はすぐに気づけず対処できないため、大きな事故につながってしまう恐れも。熾火をつけたまま寝るのは絶対に避けましょう。
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熾火を使ったおすすめ料理3選
ここからは、熾火を使ったおすすめの料理を3つご紹介します。
どのレシピも簡単に作れるので、次回のキャンプに向けてぜひチェックしてください！
キャンプ飯の王道「ステーキ」
熾火料理としてまずおすすめしたいのは「ステーキ」です。遠赤外線で、中までじっくり火を通したステーキは絶品です！
レシピ
- 焼く30分前にクーラーボックスから肉を取り出し、常温に戻す。
- ナイフで肉に切れ目を入れる
- 焼く直前に下味をつける
- 両面を好みの焼き加減になるまで焼く
- 焼き終えたらアルミホイルに包み、10～15分休ませる
- 肉をカットし味付けしたら完成！
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簡単なのに超ウマい「ホイル焼き」
熾火にはホイル焼きも相性バツグンです！
美味しく仕上げるコツとしては、蒸気が逃げないようなるべく隙間なく包むことです。また、焼いている最中にアルミホイルが破れないよう、二重にしておくと安心ですよ。
レシピ
- 野菜や魚介類を、バターやほりにしなどの調味料とともにホイルに包む
- 熾火に入れて、火が通るまで10～15分焼けば完成！
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ホクホク感がたまらない「焼き芋」
寒い時期に熾火でぜひ試してほしいのが「焼き芋」です。火力が安定している熾火なら、焼き芋も美味しく仕上がりますよ。
レシピ
- よく洗ったさつまいもを水で濡らした新聞紙で包み、その上からアルミホイルで包む
- 熾火の上に網を用意し、1をのせて焼き始める（熾火の近くに直接置いてもOK）
- 30～1時間焼き、竹串がスッと刺されば完成！
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熾火をマスターしてキャンプも料理も楽しもう！
今回は、熾火について解説しました。
熾火は料理との相性がよく、マスターすれば絶品キャンプ飯を作れるようになります。単に美味しい料理が作れるだけでなく、焚き火の楽しみやレシピの幅も広がるでしょう。
今回の記事を参考に、ぜひ熾火を楽しんでくださいね。
▼おすすめの焚き火台はこちら！
