専用の薪ストーブは「ただの薪ストーブ」ではない!?
さて。リゲル Pro.は、フルフライシートとストーブがセットになったモデルに加えて、インナーで使用しているシェル部分だけの単体販売があります。
価格はストーブプラスが148万5千円(税込)で、シェル単体は60万5千円(税込)。価格差は、実に88万円!なぜ88万円もの差があるのでしょうか。
その理由は、今回のテントのために作られた専用薪ストーブにありました。
凄いのは「4面がガラス」だけじゃない
![画像8: 編集部撮影](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/181e953dfccb17119df27733a6103f34f3cf5880_xlarge.jpg)
編集部撮影
![画像4: 編集部・森田](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/92a1be60f38c544408dd47a2e15e6b29802003e3_xlarge.jpg)
編集部・森田
シェル単体と88万円の価格差がありますが…ストーブが88万円なんですか?
![画像5: スノーピーク:金子さん](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/470976e5ba98bafbbf2eb521ee350b20a689ade5_xlarge.jpg)
スノーピーク:金子さん
ストーブだけじゃないです。TCフルフライシートとストーブを合わせた価格差なんです。
まず、ストーブの4面を全てガラスにすると、当然コストが上がります。薪ストーブに使われるガラスはただのガラスではなく、熱等への耐久性があるガラスですので、ガラスの大きさに比例して値段は高くなります。
これまでの薪ストーブは、テントの構造で煙突を天井のど真ん中から出すことができないため、ストーブを真ん中に配置することができませんでした。結果的に、ストーブはテント内の左右どっちかに追いやられてしまう。そうなると、ガラスを4面につける必要性はないというわけです。
そのような理由から、今まで市場に出ていたのは「最大でも3面ガラス」という商品がほとんど。
![画像6: スノーピーク:金子さん](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/470976e5ba98bafbbf2eb521ee350b20a689ade5_xlarge.jpg)
スノーピーク:金子さん
「リゲルはストーブをど真ん中に配置している」というのが、ストーブの最大のポイントです。
見たことのない煙突の機構
![画像9: 編集部撮影](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/bfeda85d48b3505cab18dac74374f2e9ef99b43b_xlarge.jpg)
編集部撮影
ストーブをど真ん中に置ける理由は、「テントとストーブを一体のものとして開発しているから」なのだそうです。
![画像10: 編集部撮影](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/3bd1d9b6da9122debaa22c0b6ad7d22555557266_xlarge.jpg)
編集部撮影
ストーブの上を見ると、非常にユニークな構造で煙突がテントと接続されています。テントの天井に這わせている2本のフレームの両端が、煙突を四方から引っ張っているような形。ベルトでしっかりとテンションがかけられるようになっているので、煙突がふらふらすることはありません。
通常の薪ストーブであれば、煙突はテントの外で何本かのガイローブを地面に引っ張ってペグダウンしておく必要がありますが、リゲルはテント内にこのような機構があるので、テントの外では何もしなくてOK。
テント天井の2本のフレームから伸びるベルトに煙突がぶら下がっているので、フレーム自体に下方向のテンションがかかります。これによって、テント(内側のシェルター)自体の強度にもつながっているのだとか。
このような「テントと煙突の、切っても切れない関係性」によって、ストーブをテントの真ん中に設置することができているのです。
テントとストーブをセットで開発しなければ、これを実現することはできないというのも納得ですね。
![画像11: 編集部撮影](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/cad2597148d564327bbb970b75400317b8164d30_xlarge.jpg)
編集部撮影
ちなみに、煙突穴はフライシートの部分のみについていて、シェルターの天井部は常に開いた状態で使う仕様です。フルフライシートをつけずにシェルター単体で使う際には、天井部分をジッパーで閉めればOK。
![画像12: 編集部撮影](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/e32c373b77ac29c3a88e70cbcc01b4a1a321a1de_xlarge.jpg)
編集部撮影
また、煙突の中の上下2箇所にスパークアレスターがついているので、火の粉が煙突から出てしまう心配がありません。ただし、それでも100%防げるわけではないので、フルフライシートをTC素材にすることで、温かさはもちろん、火の粉に対する耐性が担保されているんですね。
薪ストーブ本体は韓国のメーカーとの共同開発
![画像13: 編集部撮影](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/ec3139e50fc9a5e82f3d941fecce2da53f0f38cc_xlarge.jpg)
編集部撮影
![画像7: スノーピーク:金子さん](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/470976e5ba98bafbbf2eb521ee350b20a689ade5_xlarge.jpg)
スノーピーク:金子さん
ストーブは、韓国の「Wood and Burn社」と共同開発している特注品なんです。
Wood and Burnは国内ではあまり知られていませんが、金子さん曰く、とても優れたストーブを制作しているメーカーなんだとか。
スノーピークがこだわる「極上の焚き火体験」と「安全性」を両立することができたのは、このWood and Burn社とタッグを組んだことが大きいそうです。
![画像14: 編集部撮影](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/0d7f5012512fe2291a5c88edfe0dc8ed3a521540_xlarge.jpg)
編集部撮影
例えば、前後2ヶ所にある薪の投入口。薪を入れるために投入口を開けた時に、ストーブ内の炎が外に飛び出さないように暖簾のような機構があります。この暖簾があることで、ストーブ内で非常に強い炎が出ていても、安全に薪を入れることができるそうです。
![画像15: 編集部撮影](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/fb1c782124393ed74e0e35f7d9a65e177e3b7015_xlarge.jpg)
編集部撮影
また、内側のガラス面に空気の層が生まれるような独自設計になっているため、ガラスが煤(すす)で曇ることはほとんど起こらないんだとか。
確かに、この日見たストーブのガラス窓は、全く曇ることがなく綺麗な炎を見続けることができていました。
テーブルが一体になっているのはなぜか?
![画像5: 編集部・森田](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/92a1be60f38c544408dd47a2e15e6b29802003e3_xlarge.jpg)
編集部・森田
よく見ると、ストーブの周囲を囲むテーブルが、ストーブにくっついちゃってますね。
![画像8: スノーピーク:金子さん](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/470976e5ba98bafbbf2eb521ee350b20a689ade5_xlarge.jpg)
スノーピーク:金子さん
そうなんです。あえて、テーブルとストーブを一体型にしているんです。
一体になっていることで、ストーブの転倒リスクを極限まで下げることができています。
![画像16: 編集部撮影](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783446/rc/2023/12/05/d20a1809728b8b4d6e6e1d653e692c72fa5a31aa_xlarge.jpg)
編集部撮影
このストーブがユニークであるもう一つのポイントは、「ストーブとテーブルが一体になっている」ということ。
ストーブを囲むテーブルで団欒できるようにというのはもちろんですが、実は、ストーブとテーブルを一体型にすることで、ストーブの転倒リスクをほぼゼロにしているのです。
ストーブとテーブルは、御神輿のような骨組みで結合していて、テーブルの足がしっかりと地面を捉えています。このような設計になっているので、倒そうとしても倒すことはできないほどの安定性を作り出しているのだとか。
また、このテーブルはスノーピークのIGTシステムに対応しているので、拡張性があるのも嬉しいポイントですね。