ハイエースで車中泊をするときの就寝スペースについて考える
車中泊と一口に言っても、その目的もスタイルも人数も千差万別。唯一共通している点は、車内で寝るという行為。
「僕は運転席を倒してそこで寝るから大丈夫」という猛者は別として、平らな就寝スペースでぐっすり眠るのが理想です。
日本人の平均的な肩幅は46cm、身長は172cm。経験上、快適に就寝できる幅は最低60cmだと思うので、それを基準に就寝スペースについて考えてみたいと思います。
①標準ボディ
標準ボディの幅は約1.5mあるので2人で寝るには十分です。長さもリアシートを展開した状態で1.8m程あるので、リアシートでくつろいで、そのままベッドスペースでゴロンとすることが可能なサイズ。
大人の標準的な座高は90cmほどなので、ベッドの高さを床から40cmにすれば、ベッドの上で座ってお座敷の様にくつろいだり座って着替えたりすることも可能です。
高さは1.3mなので立って着替えるのは無理ですが、車中泊する際、シートに座ってくつろぐこともそのままベッドで寝ることもできるので、そこそこ快適に過ごせます。
②ワイドボディ
続いてワイドボディを見てみましょう。幅は標準に比べて20cmほど広くなり1.7mあるので、互い違いであれば3人並んで寝ることもギリギリ可能です。それどころか、小柄な女性なら横方向に寝ることも可能かもしれません。
長さもリアシートを展開した状態で1.8mほどあるので、リアシートでくつろいで、そのまま広いベッドスペースでゴロンとすることが可能なサイズです。
また、高さは約1.4mあるためロング(標準)より10cm余計にベッド下の高さを取ることができます。50cmあればさまざまな荷物を余裕を持って積めますね。
③スーパーロング
こちらはDXグレードのスーパーロングです。幅は1.7mあるので、3人で並んで寝ることも横に寝ることもできそうです。荷室長が3.5mあるので、リアシートを外せば車内にテーブルと椅子をセットすることも可能。さらに、高さは1.6mあるので、車内で立って着替えることまでできますね。
こちらは、我が家のハイエースの中の様子。トイファクトリーのROBOというキャンピングカーで、ベースはスーパーロングです。
家具がしつらえてあるので空間的にはバンより狭いですが、横向き2人用のベッドは出窓になっているので横方向は1.8m以上あり、長さは1.6m。その前方がダイネット(ダイニングスペース)となり、2人掛けのシートと対面で4人掛け対面シートがあります。
8人乗車の4人就寝が可能なレイアウトです。右側に見えているのは、冷蔵庫やシンク等のキッチンスペースになります。
スーパーロングほどのサイズがあると、夫婦2人ならビジネスホテル並みにゆったりリラックスして車内で過ごせますよ。
ハイエースで車中泊するための快適なレイアウトとは?
車中泊する上で、快適に過ごすために必要なのはベッドスペース。しかし、これと同じくらい重要なのが、起きている間にくつろげる空間です。
家にいる時のようにテレビを見たり、食事、読書ができたりすることが、快適な車中泊の秘訣だと思っています。
そこで大切なのは、くつろぐためのスペース作り!お座敷のように就寝スペースを使うのであれば、ベッド空間の高さは80~90cmは必要です。
首を曲げず座っていられる空間がなければ不自由な体勢を強いられてくつろげるとは言いがたい。だからと言ってベッドの上でお酒を飲んだり食事をするのは気が引けます……。
就寝スペースは寝るだけと割り切るのであれば、他に座ってくつろぐための空間が必要です。縦に寝るとベッドスペースは奥行き方向に必要になるのですが、横に寝ることができれば、リビングスペースに十分な空間を当てられます。
上の図は同じサイズのハイエースに、縦に寝た場合と横に寝た場合の空間の違いを示したものです。
縦に寝てもセカンドシートはそのままに十分な広さを確保できますが、横に寝ることができればベッドの長さは少なくて済み、対面できるリビングスペースが生まれます。
横に寝るためにはハイエースのワイド幅が必要ですし、さらに快適に寝るためにはベッドスペースの幅を拡張する等の細工をする必要があるかもしれません。
縦に寝るか横に寝るかで車中泊での快適性に雲泥の差が付くので、ハイエースのサイズ選びやレイアウトは購入前に考えておくと良いでしょう。