冬用寝袋(シュラフ)選び方の基本【1】快適温度
まず最初のポイントは「快適温度」なのですが、寝袋についてはこれが一番クセモノです。
というのも、大手ブランドや寝袋の老舗ブランドであれば、ヨーロピアンノームと言う公的な検査機関で定められた温度規格での調査をしている、ことが多いのでメーカーの書いている温度を参考にするとある程度の精度が担保されています。
ただ、中華ブランドを筆頭に大多数のメーカーについては、このヨーロピアンノームでわざわざ調べていないので、その会社独自の基準で温度が表記されていることがほとんどです。
これが厄介で、夏用で作っているペラペラなシュラフを冬用ですと言われれば、さすがに我々消費者でも気づく話だと思いますが、冬用で作られた少し分厚めのシュラフで、「これがマイナス何℃までいけますよ」という言われ方をすると、現実調べる術もないので、割とメーカー側の言ったもん勝ちの世界というのが横行しています。
メーカー側としてはたくさん寝袋を売ろうと思ったら「これだけ暖かくて安いですよ」というところを全面的に押し出すのが効果的なので、ついつい数字を盛っちゃうという傾向が多いですね。
なので、よく寝袋を実際に使用するときは温度帯の目安をメーカーが表記しているものから5℃から
「10℃くらい足して考えた方がいいですよ」なんて言われることが多いですが、これはもう真実ですね。
独自基準の快適温度っていうのはほとんどあてになりません!!
ただ一応、快適温度のほかにも判断できる材料をこれから説明していきたいなと思います。
保温材の素材その1「ダウン」
まずダウンの場合です。
本体に入れるダウン量とFP(フィルパワー)という絶対的な目安があるので、そちらを参考にすればOKです。
これは大体のメーカーが表記しているので数字の大きいものを選んでもらえばOK。
たくさんダウンが入ってれば入ってるほど暖かくなりますし、その分値段が上がります。
逆は安くなる分、保温力が下がりますという傾向ですね。
ダウン量600gぐらいまでが3シーズンで使えるとされていて、それ以上入ってると冬でも使えると言う定義付けがされていることが多いです。
<羽毛(ダウン)の寝袋のチェックポイント>
- 温かさの指標となる「羽毛(ダウン)の量」と「FP(フィルパワー)の数値」が大きいものが温かい
- 羽毛(ダウン)の量は「600gまでは3シーズン対応」が目安
保温材の素材その2「化繊」
次に化繊ですが、正直判断が難しい…です。
ダウンのように本体に入れている全体の綿の量や、1㎡あたりの綿(わた)の量が分かってくれば快適温度の目安になりますが、これがどこのメーカーも公表してないことが多いです。
快適温度帯は書いていますが、これが先ほど言ったようにあまり当てにならない。
ではどこをみましょうかっていう話になると、筆者は収納サイズや本体の重さというところを目安にしています。
綿(わた)が多ければ多いほど本体自体は大きくなる傾向が高いので、そういったところを判断の基準にしています。
冬用寝袋(シュラフ)選び方の基本【2】生地
次に見るべきポイントは「表裏の生地」です。
登山用とキャンプ用でも全く用途が変わってくるのですが、今回はキャンプで使う場合を想定して説明させていただきます。
一般的に寝袋の表生地はナイロンまたポリエステルを使っていることが多いです。
一方で、一部肌面にあたる方の生地(裏地)は、コットンにしていたりポリエステルを起毛させたものやフリースなどの素材を使っているものもあります。
もちろん素材が特殊になる方が肌当たりが良くなって寝心地が良くなりますが、特殊な素材を使うと価格が上がってしまう傾向があります。
このあたりはもう完全に好みで選んで頂ければいいのかなと思います。
あと、通常よりも特殊な中綿を使って、ダウンほどではないものの他のシュラフと比べるとコンパクトになるというものがあったり、抗菌の生地を使ってますよとかこういったプラス要素を売りにしてる寝袋というのもあるのでこのあたりは用途に応じて選んでいくという形になるかなと思います。
<生地のチェックポイント>
- 基本は「ナイロン」か「ポリエステル」だが「起毛など特殊な生地」を使っているケースあり
- 特殊な生地を使うと価格が上がる傾向あり
ダウンと化繊、共通して見るべきポイントとして生地…ということをご紹介しましたので、まずはここを押さえていただければいいかなと思います。