【キャンプの天気】キャンプの天気 川/湖/山のエリア別 注意ポイント
暑い時期は、避暑地の高原や湖・川などでのキャンプがとても気持ち良いと思います。続いては、高原・湖・川のそれぞれのエリアで、キャンプ中にどんなことに気をつければ良いのかを伺いました。
【川キャンプ】の注意すべきポイントは?
実は私たち気象予報士が特に注意が必要だと思っているのは川です!
瀬田さん:毎年のように川の増水による事故が発生していますので、川辺でのキャンプでは特に注意をしていただきたいです。
川キャンプの具体的な注意ポイント
- 晴れていても中州地帯でのキャンプは絶対にNG
- 河原の地面に草が生えているかどうかチェック(草が生えていないところはそこまで増水する可能性が高い場所。草が生えている場所は比較的安全)
- 現地で降っていなくても、上流で雨が降って川が増水する危険あり。川の上流の方の天気にも注意を払って。増水の予兆「流木や葉っぱがたくさん流れてくる」「川の上流方面に黒い雲が見える」に注意→予兆があった時は川からなるべく離れること
- 天気予報・雨雲レーダーをこまめにチェックすることはもちろん、上流にダムがある場合に放流をお知らせするサイレンなどにも注意
瀬田さん:川は特に増水のスピードが早いので、川遊びの際にも、天気予報や川の上流方面を常にチェックしながら十分にご注意ください。
【湖キャンプ】の注意すべきポイントは?
湖は川に比べたら水位の変化はあまりなく、比較的安心してキャンプやウォーターアクティビティが楽しめるエリアです。
瀬田さん:湖に限ったことではないのですが、湖・海・川などの水辺で共通して言える注意ポイントとして「濃霧が発生しやすい」ということが挙げられます。
濃霧に対する具体的な注意ポイント
- 濃霧が発生したら「移動しないこと」→車での移動は特に危険
- 霧は時間が経てば晴れるのでそれまで待つべし
- 濃霧が発生しやすい時間帯は、朝と晩。→お散歩や買い出しなどは日中に行おう
瀬田さん:また、湖は標高が高いところにあることも多いので、平地よりも寒暖差が大きいことがあります。必ず、暖かい服装の準備をしていきましょう。
【山・高原キャンプ】の注意すべきポイントは?
瀬田さん:標高が高くなればなるほど気温は下がりますので、夏は日中はとても過ごしやすいのですが、朝晩は寒いくらいに感じることも。100m上がるごとに気温は0.6℃下がると言われます。
また、太陽に近くなるほど紫外線量は増えるため、標高が1000m上がると紫外線量は10%増えると言われています。
山や高原でのキャンプでは、日差し対策と寒暖差に対応できる服装の準備が必須です。
山・高原キャンプの具体的な注意ポイント
- 朝晩の冷え込みに対応できるような服装の準備をすること
- UV対策・日差し対策をしっかり行う
- 天候が変わりやすいので頻繁に雨雲レーダーをチェックする
- 山間部や山沿いは特に雷雲が発生しやすいので注意!
瀬田さん:紫外線対策の1つとして、「林間サイトをチョイスする」という方法も。日差しの強い日でも、木陰は過ごしやすいと思います。
【キャンプの天気】「雷」はどんなに遠くでも聞こえたら即避難すべき理由
森田さんは、雷雲が雷を落とす射程距離の範囲はどれくらいだと思いますか?遠くで雷が聞こえた時、どうされていますか?
射程距離?全然分かりません!
ピカっと光ってから音が聞こえるまでの感覚が長い場合は遠くの雷だと習ったので、遠くで雷鳴ってるな〜(私には関係ない)と思ってのほほんとしてますが、もしかしてまずいですか?
その余裕は危ないかもです!雷鳴が聞こえるのがだいたい10kmくらいからといわれているのですが、実は、その時点ではすでに雷の射程距離内にいるんですよ
遠くの雷が聞こえた次の瞬間に、自分に雷が落ちるということがあり得るという話に驚愕でした。(今年一のビックリ情報!瀬田さんに教えてもらって良かった!)
瀬田さん:雷の音が聞こえたら、遠くであろうが近くであろうが、すぐに安全な場所へ避難する必要があります。
雷が聞こえたら速やかに取るべき行動
実際にどのような行動を取るべきか、瀬田さんに伺いました。
雷が聞こえたときに取るべき行動
- 避雷針がついてる建物や、できる限り頑丈そうな建物の中へ逃げる
- 建物に入ったら、壁から離れる(壁に接触していると通電のリスクあり)
- テントやタープ、木の下は危険→すぐに別の場所へ避難
- 車がある場合は車の中へ避難(雷は車の金属製のボディを通ってタイヤから地面に流れるので、中は安全とされている)
- 周りに避難できる場所がないときは、木や高さのあるもののそばを避けつつ、しゃがんで可能な限り体を低くして雷雲が過ぎ去るのを待つ(複数人でいる場合はお互いが少し離れておくこと)
これはキャンプだけでなく、日常的にも覚えておきたい行動ですね!!
雨が降ってても雷が鳴っていたら「木の下」で雨宿りは厳禁
雨が降っていると、ついつい「雨宿り」をしたくなると思いますが、雷が聞こえている場合、木の下にいることはむしろ危険が増すそうです。
瀬田さん:雷は基本的に高いものに落ちます。そして、雷が落ちた場所の近くにいると、「側撃雷」といって雷が人体に飛び移ってしてしまうリスクがあるんです。
雷が鳴っている時に木に近づくことは自殺行為と言われることも!できるだけ離れるようにしましょう。
従って、「木の下」は危険ですし、テントやタープの下もポールから側撃雷を受ける可能性があるため、雷が聞こえたら雨が降っている場合でもテント・タープから速やかに出て、安全な場所へ避難してください。
「キャンプギアを濡らしたくない」と思って荷物をタープの下へ避難させようとしてしまいがちですが、雷にはくれぐれもご注意ください。