正しい防災知識とアウトドアギアが避難生活の苦しみを和らげてくれる
災害大国の日本。10年前の2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震による災害が起こり、2021年2月13日には10年前の東日本大震災の余震と見られる地震が起きてしまいました。
他にも、南海トラフ地震、首都直下地震、相模トラフ沿い海溝型地震、日本海溝千島海溝周辺海溝型地震、中部圏近畿圏直下地震、集中豪雨、巨大台風など、今後も数々の災害が予想され、常に予断を許さない状況です。
実際に災害が発生してしまい、避難所や自宅などで望まない避難を強いられることも予想されますし、少なく見積もっても1〜2週間は避難生活が続くことになります。
大切な家族を守り、避難生活の苦しみを和らげるのは、正しい防災知識を持つことと、アウトドアギアが役に立ちます。
今回は、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌さんにお話をお伺いしました。
まずは『避難場所』と『避難所』の違いをしっかり把握しよう!
みなさんは「避難場所」と「避難所」の違いを知っていますか? 勘違いしている方も多いのですが、災害が発生した(しそうなとき)に一時的に危険から逃れるのが『避難場所』。そして、災害が発生し、自宅が危険になったときに生活拠点を移す場所のことを『避難所』と言います。
実際には災害が起きてから、自宅で避難生活を送る人が圧倒的に多いのです。
インフラが絶たれた生活と不便な自然の中に身を置くキャンプは似た部分がある!
被災してしまうと、当たり前のように生活で使っていたインフラが絶たれてしまい不便を感じてしまいます。しかし、わざわざ不便な自然へ行くキャンプとインフラが絶たれた生活といいうのは、ある意味似た部分があります。
アウトドアギアは、不便さを乗り越える知恵が詰まっているとも言えます。熊本地震では、アウトドアメーカーが協力し、テント村が設けられ多くの被災者に利用されたんです。
アウトドアギアが大活躍!適切なキャンプギアと知識を持って、万が一に備えよう!
万が一被災してしまったとき、避難所以外の自宅や公園で避難生活を送る際は、普段キャンプで使っているキャンプギアが大活躍します。
もともとアウトドア好きな人にとって、不便な避難生活というのは、キャンプに近い気分で深刻になりすぎないで済むのも特権。避難生活の苦しみから家族を守るためにも、適切なキャンプギアを持ち、正しい防災知識を身につけることが大切です。
避難タイプによって役立つギアが異なる! 住宅避難と自宅外避難のタイプ別に見てみよう
キャンプギアはもともと屋外で使われることを想定しているため、避難生活においてとっても役に立ちます。
災害対策にもなるギアということであれば、避難タイプによって重宝するギアが異なります。
ここでは、避難タイプやそれぞれのメリットデメリット、自分たち家族が避難した際にどんなギアを使えばいいのか、などをご紹介します。
避難タイプその1.住宅避難タイプ
地震が起きた際、新耐震基準を満たしている集合住宅や堅牢な戸建てで、倒壊の危険がない場所に暮らしている方の場合は、基本的に住宅避難が推奨されています。
これが住宅避難タイプです。
普段使っている日用品や家具が使えるため、ギアの出番は少ないのですが、万が一に備えて、重要なギアを避難生活用に準備しておくのも方法のひとつです。
住宅避難タイプのメリット・デメリット
メリットとしては、日常生活と同じ環境で暮らせること・備蓄食料が使えることです。家で過ごすので、テントやシュラフ、コット等も使わずに済みます。
デメリットは、マンションなど高層階に住んでいる場合は、エレベーターが動いていないため、外に出るのが大変なこと・備えなしでは水やトイレの確保が大変ということです。水の備えがない場合は、行政が用意する給水所やトイレに通う必要があります。
住宅避難タイプで役立つアウトドアギアはコレだ!
住宅避難タイプでは、電気や水道、ガスが止まったことを考えると下記のギアが役に立つでしょう。
- LEDランタン
- 大容量ポータブル電源
- ソーラーパネル
- ジャグ
- バーナー
- クッカー
電気が止まっても、暗い夜に役立つLEDランタン、スマートフォンやパソコンの充電ができる大容量ポータブル電源、ポータブル電源に太陽光で充電できるソーラーパネルがあると役立ちます。
また、水道が止まっても、ジャグに水を事前に確保できれば、調理用やトイレ用にも。ガスが止まっても、バーナーとクッカーがあれば、食事を作ることが可能です。