前回までのあらすじ
2人して気に入った埼玉県ときがわ町にて、たくさんの方の協力のおかげで、ようやく2019年6月 キャンプ民泊NONIWAをオープン。
運営をスタートさせて早くも1年半ほどが経ちます。
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最終回である今回は、今までになかった「キャンプ民泊」を運営してみての苦労や正直な感想、「宿泊業だけで運営は成り立つの?」などよく聞かれる疑問にお答えします。
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オープン後にしたこと(1) キャンプ民泊の仕組みづくり 顔見知りになった方のみ宿泊OK
今の場所でNONIWAをはじめるにあたって、一番気がかりだったのが近隣への影響。
一般的なキャンプ場とは違って住宅が多い地域にあるため、どんな方に泊まっていただくかかなり頭を悩ませました。
結果的に導き出した仕組みはこちら。
紹介制、もしくは私たちと一度会ったことがある方のみ宿泊OK
信頼のおける方にお墨付きをもらったご紹介か、顔を合わせたことがある人は安心では? ということで。
宿泊するには、私たちの出店するイベントか、NONIWAで開催する日帰りイベントに一度来ていただき、直接お話して施設の状況を理解してくださった方のみに来てもらうことにしました。
就寝時間や必要以上に大声を出さないなどのお願いもありますが、結果、守ってくれるお客さんがほとんどでした。
事前にどんなキャンプ体験がしたいか、ご家族のモチベーション(お父さんはキャンプしたいけどお母さんと子どもがあまり乗り気ではない、虫が苦手なのでハードルが高いなど)もお話してから泊まってもらうので、ミスマッチも少ないです。
宿泊施設としてはかなりハードルが高いかもしれませんが、「そこまでしてでも来たい……!」と思ってもらえるお客さまでしたら持てる限りの全力でお応えしたいのでこのようにさせてもらいました。(自分たちの自宅でもあるため、信頼できる方に泊まって欲しいという本音もあります。)
オープン後にしたこと(2) 地域×キャンプでできることを考える 移住した町を盛り上げたい
キャンプ民泊NONIWAを運営する傍ら、せっかく大好きで住むことになった埼玉県ときがわ町に恩返しができないかと、少しずつ活動しています。
【野あそび夫婦アオのハンドメイド】 ラージメスティン専用まな板
町の約70%が山林に覆われ「木のまち」として知られるときがわ町を盛り上げようと、定番のキャンプギア「ラージメスティン」にぴったりのサイズのヒノキのまな板を作りました。
夫のアオが地元の木工所をお借りし、手作りで制作しています。
「埼玉県・ときがわ町」お取り寄せギフトセットプロジェクト
コロナ禍でキャンプ民泊も休止、ときがわ町への観光客も激減した中でなにかできないかとはじめた企画。知り合いのお店にご協力いただき、私たちオススメのグルメセットを作って販売。キャンプギアを使ったオススメの食べ方も動画でご紹介しました。
これらのほかにも、町の名物"柚子"を使ったキャンプで楽しめるホットワインミックスを地元企業と開発するなど、楽しい企画を企てているので、お楽しみに!
キャンプ民泊を運営してみてぶっちゃけどう? 夫「アオ」にインタビュー
2020年6月にオープンし、およそ1年半。
運営してみての正直な気持ちを、妻の私が夫アオにインタビューしてみました。
オープンしてみてもうすぐ1年半だけど、正直今どう?
今どうって雑な…(笑)
そうだね、自分たち自身がキャンプ民泊という運営自体に体もようやく慣れてきた感じ。1年通してのリズムが分かってきたかな。
オープンした当初はどうだった?
僕たち自身が自分たちのことで精一杯で。お客さんにレクチャーしながらフィールドを整備するのが初めてで思うように進まなかったかな。もっとイベントを企画したりお客さんに満足して欲しいと思っていたから、今年は少しずつできるように。
最近はキャンプ民泊だけでなく地域とのコラボもできているし、外に目を向けることでお客さんに新たな遊びを提供できてるんじゃないかな。
運営上で大変だったことは?
まず夏の草刈り。想像以上だった……。なんだかんだ外で動く仕事なので体力勝負だと実感。
最初の1年は、会社員として平日は仕事、休日はキャンプ民泊運営と両方やっていたから、その辺の切り替えや気持ちのバランスをとるのも大変だったかな。
オープン時はアオはサラリーマンとの掛け持ちで、1年後にNONIWA一本に切り替えたんだよね。
キャンプ民泊をやっていていちばん嬉しいときってどんなとき?
お客さんがまた来てくれた時かな。初心者向け施設の特性上リピートしてもらうことは難しいと思っていたから、「テントを買ったから試し張りしたい」と2度3度泊まりに来てくれるのが嬉しい。
「今アウトドアショップにいるんですけど……」ってギアの相談の電話が来た時もうれしかったね。
他には?
たくさんの人に出会えることかな。宿泊や撮影貸し出しでいろんな人が出入りするから、家にいながら貴重な出会いや学びを得られる。すごく有難いよね。
今、平日はアウトドア雑誌なんかの撮影場所として使ってもらっているもんね。
逆に運営してみて困ったことは?
やっぱりキャパって大事だなと。たまに予約がかぶるとお客さんをお断りしたり、イベントで借りたいと言ってもらっても広さ的に開催できないことがあるので。もしキャンプ場をやるなら拡張性がある方がいいと思う。
今後、NONIWAをどう発展していきたい?
「キャンプを始めたいと思ったらNONIWAだよね」と思ってもらえるようにしたい。
マニアックな方向に行こうと思えばできるんだけど、初心者さんに開かれている場所であることが大事かなと最近思ってる。もしかしたらキャンプ民泊という形以外でできるかもしれないし。
そうだね。自分たちがキャンプをはじめるときに困った経験が元になっているから、キャンプのハードルを下げたいという初心は忘れないようにしたいね。