MSRウィンドバーナーパーソナルストーブシステムとは
MSRカラーの鮮やかな赤とグレーがかっこいい、ガスストーブシステム。専用ポットもセットになっての一式です。まずは商品スペックをご紹介。
サイズ | 11.5×10.7×18.1cm |
本体重量 | 465g(ガスカートリッジを除く) |
最高出力 | 1,765kcal/h |
使用可能燃料 | イソプロ |
生産国 | アメリカ合衆国 |
ポットもセットとして考えると、充分に軽量です。最高出力の数値としては、それほど高火力とは言えず控えめに見えますね。もちろんこのあと、実際に使ってみての感想を記載していきます。
他の機能ではガスを安定して気化させられるレギュレーターを搭載しているほか、高温時に自動で停止するサーマルトリップ機能があります。
サイズ:11.5×10.7×18.1cm
本体重量:465g(ガスカートリッジを除く)
最高出力:1,765kcal/h
使用可能燃料:イソプロ
ユニセックス大人
MSRウィンドバーナーパーソナルストーブシステム 細部の紹介
まずは最上部の半透明のフタ。湯切り穴と空気孔が開いています。スタッキング収納時に中の物が動くことを抑制するほか、このフタを装着したままでもお湯を沸かせます。
バーナースタンド
フタを外すとまず見えてくるのが、グレーの三角形バーナースタンド。安定させるための脚です。
手で脚を開くと、上の写真のような形になります。バーナーが転倒しにくくなる必須アイテムです。
脚を開いた際、ガスカートリッジ下部に爪が引っ掛かりロックします。これがよくできておりまして、異なる2種類のサイズのガスカートリッジに対応するだけでなく、バーナーを持ち上げて移動しても外れません。
バーナー本体
脚を取り外した下にはバーナー本体が下向きに収納されています。黒い部分を持って引っ張り出しましょう。
バーナー本体を取り出しました。金色の部分がガス量を調整するつまみ、フレームアジャスター。上の写真では指でつまむためのワイヤーが折りたたまれている状態です。ワイヤーには日本国内ガス検定通過の証、PSLPGマークが光ります。
バーナー上部はメッシュ状で、ここが熱くなります。メラメラとした赤や青の炎は出ません。全周が金属で囲われていて横風の影響を受けず、熱エネルギーはポットの底に無駄なく伝えられます。
バーナー基部を拡大したところです。金色の真鍮ジェットの上に、貫通穴が開いていますね。異常高温を検知した際に自動で停止するサーマルトリップ機能がありまして、作動すると真鍮ジェットがこの穴を塞ぐような形で上方にせり上がります。
サーマルトリップ発動時の解除方法ですが、まずバーナーが充分に冷えるまで待ちます。ガスカートリッジを取り外し、ガス調整バルブを左に2回転(ほぼ全開)ゆるめます。穴に脚の先端を入れて右方向にクリック感があるまで回しますと、真鍮ジェットが下がった状態に戻りサーマルトリップを解除できます。
火がつかずに故障かな?と思った時には、一度ここのジェットもチェックしてみましょう。
バーナー本体との連結は、まずガス調整バルブが閉まっているかを確認。右に回してそれ以上回らなければ、ちゃんと閉まっています。この状態でガスカートリッジとバーナーを接続し、ガスカートリッジをクルクルと右に回して連結します。
連結途中にガスが少し漏れますが、そのまま締め込んでいってもらうと自然と止まります。力いっぱい締める必要はありません。軽い力で止まる位置で、締め込むのをやめましょう。
こちらは持ち運ぶ際にポット下部のカバーになる、半透明のボウル。目盛り付きで軽量カップになります。バーナーを燃焼させる時には使いません。
専用ポット
続きましては付属する専用ポット。アルミニウムのハードアナダイズド加工。満水容量は1Lですが、吹きこぼれますので沸かせるお湯は600mlです。
ポットの内側、600mlの位置にMAXと刻印されています。これを超えてお湯を沸かすと、吹きこぼれて火傷をする危険性が高くなります。
もっと大容量のポットが欲しい方は、別売りオプションで1Lまで沸かせるポットが販売されています。
周囲を覆うハンドル付きの赤い断熱材は、装着したまま火にかけられます。きれい好きな日本人の心理として、洗剤で丸洗いしたくなる時もありますよね。この断熱材は取り外せまして、ハンドル下部に爪で引っかかっています。これを解除して下方向にスライド。
分離できましたので、これで丸洗いできます。お湯を沸かしているだけなら、それほど汚れることも無いはずです。
ポットの底には扇風機の羽のようなパーツ。バーナーの熱を逃さずポットへ伝えるための、ヒートエクスチェンジャーです。これは取り外せません。外す意味も無いですね。
MSRウィンドバーナーパーソナルストーブシステムの燃焼テスト! お湯が沸くまでわずか2分!
それでは実際にバーナーを使ってみます。専用ポットとバーナーは、まだ接続しません。テスト時の気温は約26℃と暖かい日ですが、開けた河原で風が止むことなく常に吹きつけている状態です。
バーナー上部の網目の部分に火を近づけます。バーナー本体に着火装置は付属せず、ライター、マッチ、ファイヤースターターなどを用意してください。
調整ダイヤルを左に回すとガスが出ます。少しずつ回してください。
バーナーの網目の左上に、細いワイヤーが赤熱しているのがお分かりでしょうか。普段は黒っぽいワイヤーなのですが、着火後数秒で赤くなります。このワイヤーの色で、明るいところでも火が付いているか判別できます。
火力を最大まで上げてみました。バーナー上部のメッシュスクリーン全体が赤くなるのが分かります。撮影のために火力を上げていますが、ポットを載せてから火力を上げた方が手が熱くないです。
火が点いていることが確認できましたら、ポットをバーナーに載せます。ポット下部の全周に、逆L字の溝がありますね。バーナーの出っ張りをこの溝に入れて、ポットを少し左に回すと軽くロックされます。
溝が全周にあるので、割とどこに置いてもセットできるのが便利です。
ガス調整ダイヤルを左に回し火力を上げて、お湯が沸くのを待ちます。風防は不要です。背が高いので地面の状態によっては転倒しやすくなりますので、基本的なことですが目を離さずに使いましょう。
約2分20秒で600mlのお湯が沸騰しました!とっても早いです。沸騰の状態が分かりやすいようフタを外して火にかけましたが、フタをしていたらもう数秒短縮できそうです。沸騰が早い、つまり燃料の消費量も少ないということが言えます。
1人前のコーヒー用のお湯を沸かすだけなら180mlぐらいで済みますので、1分かかりません。火力の数値は1,765kcal/hと控えめですが、専用ポットに対しての熱効率が良いので無駄な放熱が無いんですね。
比較のために、他社製のガスバーナーとコッヘルでもお湯を沸かしてみました。発熱量は1500kcal/hのバーナーです。こちらは5分経ってもお湯が沸騰せず、風防で風を遮ってあげると沸騰しました。決して比較に出したこのバーナーが駄目というわけではなく、ガスバーナーはこれが普通でMSRが特殊なんです。
色々な調理に使える汎用性は普通のバーナーの方が優れていますが、お湯を沸かすことに関して言えばMSRウィンドバーナーパーソナルストーブシステムの圧勝です。
火加減の調節は、一応可能です。ガス調整バルブを左に回せば火が強く、右に回せば弱めになります。ただし一番弱い状態でもそれなりに強い火力が出てしまい、炊飯や煮込み料理で使うようなトロ火にはなりませんでした。
お湯を沸かす以外では、麺類を茹でるなど水分が多い調理であれば大丈夫です。ただし吹きこぼれには充分注意しましょう。
決してお湯しか沸かせないわけではなく、炒め料理ができる専用スキレットがオプション品でございます。荷物を増やすか料理バリエーションを増やすか悩ましい選択ですが、トータルでの選択肢が増えることは良いことですね。