【「フードロス(食品ロス)」「過剰除去」とは?】 食材の食べられるものを捨ててしまうこと
フードロス(食品ロス)とは、本来は食べられたはずなのに捨てられてしまう食品のことを指します。売れ残りや食べ残し、消費期限切れで廃棄される食品も、これに含まれます。農林水産省の調査によると、日本では年間612万トンものフードロスがあり、これは飢えに苦しむ人に向けた世界の食糧援助量の約1.6倍にもなるのだとか。
家庭から出ているフードロスの量は、年間約200〜400万トンと言われています。その中に含まれているのが、食品の過剰除去と呼ばれるもの。過剰除去とは、食材の中でまだ食べられる部分を捨ててしまうことを指します。野菜のヘタを取る時に食べられる身の部分まで多めに切り落としてしまったり、肉の脂身をそのまま捨ててしまったり…といったことが、過剰除去にあたります。
フードロスは、食べ物を無駄にしているだけでなく、その生産や廃棄には膨大なエネルギーコストがかかっています。社会経済的に見ても、またエコの観点からも、良くないことだらけ。自然環境を愛するキャンパー&アウトドア愛好家ならなおさら、フードロスを減らしていきたいですね。
【キャンプ飯・BBQの食べ残し】持ち帰ってアレンジ飯を活用しよう 食材ごとにわけて保存しよう
グループなど大人数でのキャンプやBBQでありがちなのが、食べ物が大量に余ってしまうこと。私が住んでいるアメリカでは、食べ物が足りないことは許されないので、あえて多めに料理を用意するため、宴のあとは必ず食べ物が大量に余ってしまいます。
またポットラック(持ち寄り)文化があるので、キャンプやBBQでは主催者が用意した食べ物に加え、参加者が各自それぞれスナックや手料理、ケーキなどのスイーツを持ってくるので、膨大な量の食べ残しが出てしまうのです。
持ち帰り用の容器を用意 タッパーやジップロックがおすすめ
大量の食べ残しを解決するために取られているのが、参加者に持ち帰ってもらうこと。主催者はあらかじめ持ち帰り用のタッパーやジップロックバッグなどを用意しておき、食事が終盤にさしかかると余った料理をタッパーやジップロックバッグに詰め、参加者におみやげとして渡します。また、参加者が自分でタッパーなどに好きな料理を詰める場合もあります。
野菜や肉、サラダなど料理ごとに分けて持ち帰ろう
持ち帰る際、いろんな料理をひとつのタッパーに詰めてしまうのではなく、肉は肉だけ、サラダだけ、野菜料理だけ…といった風に料理を分けるのがベストです。こうすることで、残り物をそのまま食べ続けるのではなく、食材ごとにさまざまな料理にアレンジしやすくなります。
アレンジ料理で活用 グリル野菜はスープやパスタに
キャンプ飯やBBQの食べ残しでいちばん活用しやすいのが、グリルした肉類。パンにはさんでサンドイッチにしたり、シチューに入れたり、細かくきざんでチャーハンの具にしたりと、アレンジは自由自在。グリル野菜はスープやパスタに入れてよし、フレッシュなレタスなどの葉物野菜と合わせてサラダにしても美味しいですよ。
【野菜くずの活用法1】「ベジブロス」 野菜の過剰除去分から野菜だしをつくってフードロスを減らそう
キャンプ飯などで料理をする際、いくらフードロスに気をつけても、野菜の皮やヘタといった食材の除去部分が出てしまいますよね。しかし、捨てるのはもったいない。じつは、それらの除去食材を活用する方法があるんです!
野菜の除去部分(野菜くず)の活用法をいくつかご紹介します。
まずひとつは、煮込んでベジブロス(野菜の出汁)をつくる方法です。
1、キャンプ飯で出た野菜くずを持ち帰る
こんな風にビニール袋に入れて持ち帰ると便利です。野菜の皮やヘタはそんなにすぐには腐りませんが、気温の高い時期の野外などでは念のためクーラーボックスなどに入れておくと安心です。
今回ベジブロス(野菜出汁)作りに使ったのは、こちらのメンバーです。
左上から、白菜の芯、ごぼう、にんじんのヘタ、ブロッコリーの芯、しょうがの皮、赤・黄色じゃがいもの皮、洋梨のヘタと芯、たまねぎの芯と皮、です。両手に余るくらいの量があると、美味しいベジブロスが作れます。
2、野菜くずを水と一緒に煮込む
中型の鍋に水600〜800mlと野菜くず、お酒大さじ1を入れ、火にかけます。沸騰したら中火にし、30分〜1時間ほど煮込みます。お酒はニオイ消しなので、料理酒でも焼酎、ワインでも何でもいいです。
3、ざるなどで野菜くずを濾し、ボトルに入れて冷蔵庫で保管する
先ほどの野菜くずを50分ほど煮込んだものが、こちら。琥珀色の美味しそうなベジブロス(野菜だし)ができました! この自家製ベジブロスは、冷蔵庫に入れれば3日間ほど保ちます。
4、ベジブロス(野菜出汁)の使い方
いわゆる出汁(だし)なので、具材を加え煮込めばスープや味噌汁になります。またシチューやカレーのベースに使っても美味しいですよ。肉を焼いた時の汁と合わせて煮詰めれば、風味豊かなお肉のソースにもなります。
今回は野菜くずだけで作りましたが、お肉の骨や皮、すじといった肉の除去部分と一緒に煮込めばブイヨンが作れますよ!