アウトドアブランド muraco(ムラコ)とは?
埼玉県の金属加工メーカーから産まれたアウトドアブランド、ムラコ。黒を基調とした落ち着いたデザインと、金属加工で培った高精度なペグやポール、アパレルなどで一躍メジャーになりました。
上の写真はZIZ、5人用ツールームテントですがインナーテントの追加で最大10人まで対応します。
これまでテントのラインナップはキャンプ向けのものが中心でしたが、今回発表された製品は登山を見込んだ軽量モデルです。
ソロと2人用の超軽量テント RAPIDE X1(ラピード エックスワン)
こちらが新製品の山岳用テント、RAPIDE X1(ラピード エックスワン)。写真は2人用の2Pです。前後に靴や荷物が置ける前室を備えています。
左右対称ではなく、左側の角度がゆるくなっているのがお分かりでしょうか?あえての設計ですよ。
ポールはセンターハブ(画像右側の丸いパーツ)を中心にして、テントの裾の方へと接続されます。このセンターハブの位置を、テントの中心点からわざとずらしています。これによって、風を受けても「センターハブから外側に振って逃がす」ということが可能になっています。
就寝時に頭側になる方はリッジポールが追加で入り、トライアングルを形成。居住性と耐風強度をさらに向上させています。
サイズ違いの1Pと2Pでの2種類の展開となり、インナーテントはフルメッシュとファブリックの2種類から選択できます。重量は1人用の1Pが1.35kg、2人用の2Pでも1.44kgと超軽量です。
出入り口は両サイドにあるので、入り口は風下に向ける、という設営の基本を意識しなくても大丈夫な構造です。山の天気は変わりやすいですから、設営時と逆向きの風が吹くことも珍しくありません。
2Pの場合は、隣で寝ている人を踏まずに外に出られます。
こちらはフライシート、インナーテント、ポールを接続するリンクジョイント。素早く、かつ確実な設営が可能です。
ポールとリンクジョイントは色分けされておりますので、設営時にどこに挿したらいいか迷うことはありません。山岳用だからといって、テント設営に慣れている人だけが使うわけじゃないですからね。
ベンチレーターはインナーテント内部からも開閉可能です。夜中寝ていて寒さで目が覚めた時、この機能があると外に出なくてもいいんです。
他のスペックもリップストップ生地、UV撥水・PUコーティング、耐水圧2,500mmと妥協なし。軽いからといって、何も犠牲になっておりません。登山だけでなく、徒歩や自転車といったキャンプでも軽量化の恩恵は大きいです。
細かいスペックは発売までに変更となる可能性もございますので、ムラコさんの公式サイトなどもチェックして下さい。
RAPIDE X1(ラピード エックスワン)は2020年3月末から4月頃、1Pが43,000円、2Pが48,000円で発売予定です!
ベースキャンプ用大型ドームテント・GUSTAV(グスタフ)
続きましてはドームテント、GUSTAV(グスタフ)。登山でのベースキャンプを想定した大型テントですが、もちろんキャンプで使って頂いても構いません。
対応人数は6人。フライシートとインナーテントを備えた、ダブルウォールのテントです。
上の写真のカラーリングは開発中のものですので、製品版では変更になる可能性がございます。
ポール6本でメインの居室を構成し、前室部分にポールを1本使用しており、計7本のポールとなります。メイン居室のポール交点は、なんと12箇所にも上ります!この恩恵は、強い耐風性と居住性の高さに直結します。
広々とした前室を備え、雨の日の出入りも楽々です。これは山岳用ベースキャンプというカテゴリーでは、珍しいのではないでしょうか。もちろんあった方が便利で嬉しい機能です。
壁面で受けた風の力を、多方向に分散するロープ。こういったカタログに載らない細かい箇所の作り込みは、日本メーカーならではの良さです。
中は天井も高く、広々と使えます。6名がキツキツではなく、余裕で眠れそうです。実際の使用風景を想像しますと、荷物は前室にもたっぷり置けますので快適に過ごせますね。
インナーテントは白で作られておりまして、中は外観から想像するよりもずっと明るく感じました。黒いフライシートを使っていても、インナーテント内は明るさを確保しているという不思議さ。
開閉可能ベンチレーターやギアループ、小物ポケットなど装備も充実しています。
電源取り込み口も装備。登山ではソーラーチャージャー、キャンプでは電源サイトでの延長ケーブルなどをインナーテント内に引き込めます。
こちらは背面側。こちらから出入りすることも可能です。前室が荷物で埋まってしまっても安心ですね。
収納サイズは75×25×25cmと、6人用テントとしては一般的です。しかし重量は、わずか11kg。広い前室を備えていてこの重さは、けっこう軽いですよね。
さらにお値段は、なんと88,000円!これは取材していて、驚かされました。他社のジオドームやヘリオスドームといったベースキャンプ用テントと、ぜひ比べてみてください。大きさの違いなどもありますが、相当お安い設定です。
強い耐風性と高い居住性を備え、軽量なのにお手頃価格。便利な前室もあるため、キャンプ用としても人気になる予感がします。GUSTAV(グスタフ)は2020年7月頃、発売予定です!
新製品は他にも!
テント以外にも新製品をいくつか見てまいりましたので、ご紹介いたします。
Tyvek SLEEPING BAG PROTECTOR(タイベック スリーピングバッグプロテクター)
先程ご紹介したRAPIDE X1 1Pの中に入った、白いシュラフカバー。こちらは透湿防水素材・タイベックで作られた、Tyvek SLEEPING BAG PROTECTOR(タイベック スリーピングバッグプロテクター)です。
水分は通さずに空気を通すため、蒸れは放出しながら結露からシュラフを守ります。シュラフの乾燥を待たずに撤収できるほか、保温性も少し向上します。収納サイズ90×150mmと、至ってコンパクト。
2020年4月下旬にリリース予定で、現在公式サイトで予約受付中です。
鍋敷き「"m"TRIVET」 & クッカー「RAPID BOIL」
写真中央はムラコのシンボル、mの鍋敷き。硬いブナ材をダイニーマロープという高強度ロープで連結しています。
手触りがとても良かったのですが、国内の老舗木製玩具メーカー・株式会社ニチガンに加工を委託していると聞いて納得しました。上質な木製玩具クオリティなんです。使わない時は畳んで革ベルトでまとめられます。
ムラコ好きの方にはもちろんのこと、イニシャルがmの方へのプレゼントにも良さそうです。
写真右は、RAPID BOIL(ラピッドボイル)ポットとケトル。軽量なアルミニウム合金製のクッカーです。ポットは容量1.3L、重さは330g。ケトルは容量0.9L、重さ213gです。
ポットとケトルとも、底面にあるヒートエクスチェンジャーが特徴的です。バーナーの炎を効率的にクッカーに伝導させ、燃料を無駄にせず素早く温めることができます。
ポットの中にケトルをスタッキング収納可能にし、ケトルの中にはバーナーや燃料を収納して運搬できます。
キャンプだけでなく、登山にもムラコ
テントが軽量であることは多くのキャンパーにとって歓迎すべきことですが、ムラコは軽くなっても強度など一切妥協が無く、むしろ強い。日本の金属加工メーカーの意地を感じました。黒やグレーのムラコのテントが、山のテン場に張られる未来も遠くありません。
キャンプスタイルが多様化している中でも、確実に存在感を示しているムラコ。今後も動向が見逃せませんよ!
ムラコ代表のインタビュー記事もどうぞ!