カボチャは「日本」「西洋」「ペポ」の3種類に分けられる
カボチャは大きく分けると、「日本カボチャ」「西洋カボチャ」「ペポカボチャ」の3種類に分類されます。
「日本カボチャ」は16世紀に渡来したもので、中央アメリカが原産。ねっとりとした食感で、煮物などの和食向きです。昭和40年代ころまでは、日本の食卓によく上がっていました。
「西洋カボチャ」は南アメリカが原産です。日本では明治時代に栽培が始まり、現在日本で食べられているカボチャのほとんどが西洋カボチャです。形は丸くて皮は緑色。甘みが強く、ホクホクとした食感のおなじみのカボチャです。
「ペポカボチャ」は色も形もユニークです。色は黄色や赤、シマシマなど。形は丸をはじめ、細長いもの、しずく型、トゲトゲ型などさまざまです。最近、よく食べられているズッキーニもペポカボチャの仲間です。日本ではあまりなじみがないカボチャですが、世界的に見れば鑑賞用、食用ともに、もっともポピュラー。日本ではハロウィーンで活躍していますね。
北海道ではホクホク食感のカボチャが主流
北海道でもっとも多く栽培されているのが「えびす」。西洋カボチャの代表的な品種です。形は偏平で粉質系。甘みがあり、食感はホクホク。えびすに並んでポピュラーなのが、「みやこ」です。みやこもホクホクした食感が特徴の西洋カボチャです。「えびす」も「みやこ」も純和風な名前なのに、西洋カボチャ。なんとなく矛盾しているような、していないような…。
栗のような食感が特徴なのが「栗ゆたか」。甘みが強く栽培しやすいので、北海道では作付け面積がえびすに次ぐ2位です。やはりホクホクしているので、和菓子の餡などにも向いています。
「雪化粧」という品種は、名前から白い雪を連想しますが、その名の通り、皮が白っぽいのが特徴です。皮はまるでプリンスメロンのような薄い灰緑色。寒冷地で栽培され、冬至の時期に出荷が多くなります。甘みが強く超粉質で、ホクホクしています。
小さいカボチャで人気なのは「坊ちゃん南瓜」。1玉500gほどの手のひらサイズ。中身をくり抜いてグラタンにすることもできます。
カボチャの作付け日本一は、北海道の和寒町
カボチャの作付け面積、収穫量ともに日本一を誇る北海道の和寒町(わっさむちょう)では、9月中旬からカボチャを収穫し、9月下旬から出荷が始まります。収穫は10月上旬で終わり、カボチャの最大イベントである12月の冬至まで出荷されて、カボチャのシーズンが終了します。
そんなカボチャ日本一の和寒町では、硬い殻がなく、手軽に種を食べることができる「ストライプペポ」という品種を開発し、ブランド化を目指しているほか、10月13日(日)には「パンプキンフェスティバル」が開催される予定です。当日はカボチャのコロッケやカボチャ汁のほか、和寒町の農産物がずらりと並びます。また、カボチャを使ったランタン作りや、カボチャのつかみ取りなど、カボチャを堪能できる催しとなっています。
※「パンプキンフェスティバル」の詳細はこちら
〈参考:北海道新聞2019年9月6日号23面「カボチャ 少雨の年 甘さに期待」〉
〈参考:「からだにおいしい野菜の便利帳」 2014 高橋書店〉
〈参考:Sierra farmer:北海道のかぼちゃにはどんな種類があるのでしょうか?〉
〈参考:和寒町産業振興課〉
9月も中旬になり、北海道では朝晩の気温が低くなりました。昼と夜の寒暖差が増すため、農作物がぐんと甘くなります。北海道のホクホクカボチャは甘みだけでなく、うま味もあり、味が濃厚。ただ蒸すだけでも美味しくいただくことができます。そんな北海道のカボチャは、今が旬です。