自家製スープと具が同時に作れるスグレモノ「坦々麺」 美味しくするには肉味噌がポイント
私、 くにぱぐ は「キャンプで本格自家製ラーメンを作る」というライフワークを行なっています。麺やスープもすべて自家製で作るのがこだわりです。
手間は手間なのですが、キャンプで食べる本格ラーメンは、インスタントとはまた一味違う美味しさがあります。
この美味しさを他のキャンパーにも知って欲しい、とは思うのですが、なかなかラーメン作りは大変なイメージがあるようで、いざ挑戦しよう、と考える人は限られてしまいます。
そこで、今回はキャンプ場で短時間で気軽に作れる「担々麺」を考案してみましたので、オリジナルレシピを公開します!
この坦々麺、実は私が雨のソロキャンプの際、タープの下で変わった料理を作ってみたくて考えました。坦々麺は辛く味付けされた肉味噌が主役。
メインの具であるだけでなく、スープの味作りにも一役買っています。この肉味噌さえ作ってしまえば、美味しい坦々麺が簡単にできるというわけです。
調理器具も最小限でいい!使うのは鍋2つだけ 麺茹でとスープ作りは別々のクッカーで
使用するクッカーは鍋2つ。
「麺をゆでる」
「スープと具を作る」
という2つの用途で使い分けます。
必ずしも二つともが鍋である必要はなく、スキレットでスープを作ったり、メスティンで麺を茹でても構いません。その辺はキャンプですから、「キッチリ用意しなきゃ!」というよりも、あるもので賄う方が楽しかったりします。いろいろと工夫をしてみましょう。
ただし、ひとつだけ守って欲しいことを書くと「麺茹でとスープ作りは別々のクッカーで」ということが鉄則になります。
これを何とか1つにできないかとは私も考えてみました。
しかし、ラーメンの麺は、スープで茹でると粉っぽくなり、しかもスープをあらかた吸ってしまうので、どうしても別々にする必要があります。
私の場合は、スープと具を作るクッカーを、キャプテンスタッグのビッグシェラカップにしています。これで調理すれば、そのまま丼にもなるため、洗い物がさらに減るというわけですね。
こうした段取りを考えるのもキャンプ調理の醍醐味だと思います。
そして、バーナーは2つあったほうがよいですが、1つでも大丈夫です。今回は撮影が夜更けになり、幕内とはいえ悪天候(強風)だったためバーナーを2つ出すのがどうにも面倒で、SOTO(ソト) ST-310の1つでやりきってしまいました。特に問題はなかったですよ!
なお、麺茹で用はモンベル(mont-bell)のアルパインクッカーを使用していますが、自宅の手鍋でもまったく問題ありません!菜箸などを別にすれば、道具はたったのこれだけです。
お手軽「坦々麺」のオリジナルレシピを公開 スープには豆乳を活用! 味付けは食べるラー油や甜麺醤で
気になる材料はこんな感じです。
・豆乳(200mlの紙パック入り) 1つ
・食べるラー油 適量
・豚挽肉 80グラム
・鶏ガラスープの素(またはウェイパー) 適量
・生めん
・甜麺醤(チューブ入り) 適量
・すりごま(白) 適量
スープのベースになるのは、なんと豆乳です。
豆乳はそれ自体にコクがあるので、ラーメンスープのベースとしては結構優秀です。市販の紙パックのもの1つが1人前、と考えれば、人数分作るのも難しくないし、紙パックだから持ち運びも便利ですよね。
調整豆乳や無調整豆乳など種類は多いですが、味がプレーンならなんでもよさそうです。
食べるラー油は、そのまま食べるものですが、中の具ごと使えばニンニクの香り豊かな調味料になります。
キャンプの料理では「一味たりないな」という事もよくありますが、そんな場合もこれをぶっかければ大概解決するほどです。
また、上澄みは普通のラー油ですから、餃子などを食べるのにも使えます。ブームはとっくの昔に終わっていますが、あると何かと助かると思います。
鶏がらスープの素も、粉末で小パックになったものだとかさばりませんし、手軽に出汁が取れます。
こちらもキャンプ用の調味料入れには常備しておきたいですね。
甜麺醤はチューブ入りのものが便利です。中華系で攻めたい時、一本あると本格派の味が出せます。
麺は生めんがスーパーならたいがい手に入りますが、袋麺の乾麺でも問題はありません。ただし、ラーメン作りは麺の良し悪しが味の分かれ目になります。できるかぎり生めんを使いましょう。
なお、私は今回、国産中力粉をベースにした3種類の小麦粉と、内モンゴル産かんすいを混ぜた自家製麺を作ってみました。フィリップスのヌードルメーカーという道具を使って麺を打ち、一晩寝かせてからキャンプに臨んでいます。
まあ、さすがにここまでやる人は少ないと思いますが…ただし、自家製麺はしっかり茹でるととても美味しいです!
坦々麺のスープ作りは、混ぜて炒めて、煮込むだけ! 麺は、必ず沸騰している熱湯で茹でよう
それでは早速スープ作りをしていきましょう!
(1)
まずは食べるラー油、甜麺醤、すりごまを鍋に引いて挽肉を炒めます。油はごま油を使うとさらに風味が引き立ちますが、ラー油でも炒め物ぐらいはなんとかできます。焦げ付かないように、かき混ぜながら炒めましょう。
(2)
十分に挽肉に火が通って肉味噌が完成したら、そこに鶏がらスープの素と豆乳を注ぎます。鶏がらスープの素の代わりにウェイパーを使用してもいいでしょう。やや高額な調味料ですが、こちらの方がより複雑な、中華っぽい仕上がりになります。オイスターソースや紹興酒など、「中華っぽいな」というものがあったら、それも足してみると面白いと思います。中華の場合、味を重ねて失敗することはあまりないので、インスピレーションを信じて味付けしましょう。
(3)
そのままかき混ぜつつ加熱をし、ひと煮立ちすればスープは完成です。少しずつ味見をし、薄いようなら鶏がらスープの素を足しましょう。辛味が欲しい場合は、ここでラー油を足します。
(4)
続いて別鍋で麺ゆで用のお湯を沸かします。バーナーが1つしかないとこの時間でスープが冷めてしまうので、湧いたところで再度スープを温め直し、温度の低下を最小限にします。この日は気温が5度もありませんでしたが、この方法でアツアツのスープが楽しめました。そしてお湯が沸いたら麺をゆでます。
気をつけて欲しいのは、必ず沸騰している熱湯で茹でること!ぬるま湯で麺を茹でると粉っぽくなり、生煮えになります。
私もグルキャンではよく悩まされていますが、一度にたくさんの麺を茹でようとすると、お湯の温度は一気に下がってしまいます。茹でている間も鍋にフタをすると、温度の低下は食い止めやすくなりますよ。
(5)
坦々麺の場合、中細麺がよくスープに合います。麺が茹で上がったら、トングや菜ばしで麺を掴んで湯きりをし、丼でスープと合わせます。こんな感じで、ザルを使っての湯きりもプロっぽくて楽しいです。
今年は、ユニフレームからラーメン湯切り専用のてぼが発売になるみたいですね。個人的にはかなり気になっています。
たった15分! 1人でも家族で楽しめる! キャンプで本格派スープの担々麺を作ってみよう
以上で出来上がりです。ラー油でピリッと辛いですが、豆乳の甘味もあり、スープは意外に本格派です。写真映えを意識してホウレンソウを乗せ、肉味噌はいったんおたまですくって麺の上に乗せてみました。刻んだネギを乗せてもいいと思います。
本当は坦々麺といえばホウレンソウではなくチンゲンサイですが、チンゲンサイは使い道が他になかなかないのですよね。もちろんホウレンソウもネギも、無理に用意しなくてはいけないわけではありません。お好みで用意してみましょう。
ここまでたったの10~15分程度です!でもインスタントよりも「料理をしている」感じは楽しめます。お子さんとワイワイ言いながら作れば、いいキャンプの思い出になるかも?
私のようにソロキャンプでも楽しめる料理ですし、宴会後にひとりでシメを楽しみたい時にもサっと作れます。是非いろいろと活用してみてください!