澄んだ空気や温かい食事など、冬キャンプには寒い時期ならではの魅力があります。しかし服装や装備選びを間違えると、楽しいはずのキャンプがつらい思い出になってしまうことも。「どんな装備で行けばいいのかわからない」「快適に眠れるのか不安」など感じている人も少なくないでしょう。そこで今回は、冬キャンプの寒さ対策について徹底解説。テント・寝具などのおすすめ装備から、過ごし方の注意点まで詳しく解説します。
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- まずは冬キャンプの寒さ対策の必需品をチェック
- 【服装】寒さ対策のポイント
- 【寝る時】寒さ対策のポイント
- 【テント】寒さ対策のポイント
- 冬キャンプで寒さ対策をするときの注意点
- 寒さを制す者が冬キャンプを制す!万全な寒さ対策で快適に楽しもう
まずは冬キャンプの寒さ対策の必需品をチェック

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まずは、冬キャンプの寒さ対策の必需品を紹介します。
特に、冷え込みの強い夜を乗り切るためには欠かせないアイテムなので、要チェックです。
【必需品1】防寒着

冬キャンプの寒さ対策で重要なのは防寒着(アウター)選びです。
アウターには、外からの冷たい空気を完全にシャットアウトし、体温を逃がさない性能が求められます。
具体的には、高い保温性を誇る厚手のダウンジャケットや、風・雨・雪の侵入を遮断する防風・防水仕様のハードシェルジャケットなどを選びましょう。
また、ただ着用すればいいというわけではなく、裾や袖口、襟元などから冷気が侵入しないような工夫も大切です。
ドローコードやベルクロでしっかりと締めて、コールドスポット(冷気が侵入する箇所)を作らないようにしてくださいね。
【必需品2】寝袋

特に就寝中は寒さを感じやすいので、冬の厳しい環境下にも対応できる、高スペックな寝袋が必要です。
寝袋選びで最も重要なポイントは、寒さを感じずに朝まで快適に眠れる温度を示す「快適温度(コンフォート温度)」。
実際にキャンプをする場所の最低気温よりも、5℃低い温度に対応するモデルを選ぶのが一般的です。
加えて、高い保温性能・軽量性・携帯性を兼ね備えたダウン(羽毛)が中綿素材に使われているモデルや、身体にフィットして保温できるマミー型だと、より暖かく過ごせます。
【必需品3】マット/コット

マットには断熱性があり、寝袋の下に敷くことで地面から伝わる冷気をシャットアウトしてくれます。
さらに、マットの厚みで地面の凹凸を感じにくくなり、快適に眠れるのもうれしいポイント。
冬キャンプには、マットの断熱性能を表す「R値(熱抵抗値)」が4以上のものが適しています。また、クッション性を重視するなら厚さ8cm以上のマットを選びましょう。
寝袋やマットのほかに、コット(キャンプ用簡易ベッド)を併用する方法もあります。コットを使うことで地面からの距離ができて、冷気が伝わりづらくなりますよ。
【必需品4】保温グッズ(電源なし:湯たんぽやカイロ)

湯たんぽやカイロといった、日頃からおなじみの保温グッズもフル活用しましょう。
就寝時に寝袋に入ったときのヒンヤリ感を防ぐには、湯たんぽの使用がおすすめ。
就寝する少し前に寝袋の足元や腹部あたりに入れて温めておくと、寝袋に入るときの不快な冷たさを軽減できます。
また、カイロはポケットに入れられるので、手軽に暖を取れるのが魅力。
特に使い捨ての貼るタイプのカイロは、インナーやアウターに貼りつけられるため、体の冷えやすい部位を持続的に温めたいときに活躍します。
【必需品5】冬用テント

冬キャンプで使用するテントは、外からの冷たい空気の侵入を防いで、内部の暖かい空気を効率よくキープできる性能のものが理想です。
コットン(綿)や、コットンとポリエステルを混紡したTC素材(ポリコットン)製のテントは生地が厚く、断熱性があるうえに、結露による湿気や冷えも防げます。
また、ダブルウォール構造のテントや、スカート付きモデルなどのテントを選ぶと、冬でも暖かく過ごしやすいです。
【必需品6】暖房器具(ホットカーペット、ヒーター、ストーブ等)

冬キャンプのテント内を暖かく保つためには、暖房器具を活用しましょう。
電源を使える環境であれば、ホットカーペット・電気毛布・ヒーターなどがおすすめ。
火を使わないので、空気を汚さず、安全に暖を取ることができ、小さい子供連れのファミリーキャンプにもぴったりです。
アウトドア感を満喫したい場合や、より暖かく過ごしたい場合には、薪ストーブや灯油ストーブなどを利用するのもひとつの方法です。
ただし、火災や一酸化炭素中毒には要注意。使用中はこまめに換気したり、一酸化炭素チェッカーを活用したりして、事故を防いでくださいね。
【服装】寒さ対策のポイント

ここでは服装に関する寒さ対策のポイントを紹介します。
【ポイント1】レイヤリングが基本
冬キャンプの服装は「レイヤリング」と呼ばれる重ね着が基本です。
レイヤリングでは、以下のように機能の異なる3つの層を重ねます。
レイヤリングの考え方
- ベースレイヤー
吸湿速乾性・保温性に優れたメリノウールや化学繊維のインナー - ミドルレイヤー
保温に役立つフリース、ダウンベスト、厚手の化繊インサレーション - アウターレイヤー
防風・防水性に優れた防寒着
単純に厚着をするのではなく、適切なレイヤリングにより、汗冷えや冷気の侵入を防ぎ、保温性を高められます。
【ポイント2】気温にあった服装を選ぶ
キャンプ地の天候や、予想される最低気温に合わせて、アイテムや素材を調整するのもポイントです。
日中に活動する場合は、体温を調節しやすいよう、ベースとミドルレイヤーはやや薄手のタイプ、アウターは着脱しやすいものを選ぶのがおすすめ。
冷え込みが厳しくなる夜間は、ミドルレイヤーに厚手のフリースやダウンジャケットをプラスしましょう。
【ポイント3】ニット帽などの小物を活用する
ニット帽・グローブ・ネックウォーマー・レッグウォーマーなどの小物も活用して、コールドスポットができないように工夫するのも大切です。
特に首元をネックウォーマーやマフラーなどで覆って温めることで、体が冷えを感じにくくなります。
また、指先が冷えると作業効率や快適性が低下するので、防風性・防水性・保温性の高い厚手のグローブ(手袋)も着用しましょう。
足元の冷えを防ぐには、厚手のウールソックスやメリノウール素材のものを重ね履きするのが効果的です。
【寝る時】寒さ対策のポイント

ここでは、冬キャンプで寝るときに寒いという悩みの解消に役立つアイデアを紹介します。
【ポイント1】冬用の温かい寝袋を用意

冬キャンプの必需品として紹介したとおり、性能の高い寝袋を用意する必要があります。
寝袋には快適温度のほか、「限界温度(リミット温度)」の表記もあります。限界温度とは命の危険がおよばない最低限の温度を示すもので、快適に眠れるわけではありません。
したがって、寝袋を選ぶときは、必ず快適温度を基準にしましょう。
また、封筒型は自宅の布団と同じようにゆったり使えますが、すき間から暖かい空気が逃げてしまいがち。そのため、冬キャンプには体にフィットして空間ができにくいマミー型がおすすめです。
【ポイント2】冬用のマット、コットで底冷え対策

マットやコット(キャンプ用簡易ベッド)も冬キャンプの必需品です。
断熱性はもちろん、厚みがあり、クッション性の高いものを選ぶと快適性が上がります。
特に「インフレータブルマット(自動膨張機能付きのマット)」や「エアーマット」は断熱性が高く、厚みもあるので冬キャンプにおすすめです。
【ポイント3】電源いらずのあったかアイテムを活用する

電源が使えないキャンプ場でも、電気なしで使える湯たんぽやカイロなどを活用すると、手軽に暖を取れます。
湯たんぽは就寝前に寝袋に入れておくほか、膝の上にのせたり、抱えたりして体を温めることも可能です。
ただし、同じ場所に当て続けると低温ヤケドになるリスクがあるので、必ずカバーやタオルで包んで、直接肌に触れないようにしましょう。
カイロは使い捨てのほか、繰り返し使える充電タイプもありますが、電源が使えない場合は、使い捨てが便利。
使い捨てタイプには貼るカイロ・貼らないカイロがあるので、用途や使用シーンに応じて使い分けるのがおすすめです。
【ポイント4】電源ありならホットカーペットや電気毛布を利用

「電源付きサイトを利用する」「ポータブル電源を持参する」といった場合には、ホットカーペットや電気毛布などの暖房器具も活用しましょう。
火を使わない電気暖房器具であれば、寝るときも安全で快適です。
ただし、使える電気容量の制限には注意が必要です。使用する暖房と、その他の電気機器の合計消費電力(W)が制限容量を超えないようにしてください。
【ポイント5】さらに対策するならヒーター・ストーブ

灯油ストーブや薪ストーブといった燃焼系暖房器具は、電気式のものよりパワフルで、よりしっかりとテント内を温められます。
ただし、一酸化炭素中毒を引き起こすリスクがあるので細心の注意が必要です。
事故防止のために、こまめな換気に加え、一酸化炭素チェッカーをテント内に設置して、一酸化炭素濃度を常時監視しましょう。
また、燃焼系暖房は火災のリスクもあります。
寝る前には消火するといった基本的な工夫に加えて、万が一の場合に備えて「難燃性の生地が採用されているテントを選ぶ」「薪ストーブの場合は煙突用の穴が装備された専用テントを使用する」などの対策を施すのが大切です。
【テント】寒さ対策のポイント

暖房器具などを使ってテント内の空気を温めても、なぜか「テントが寒い」ということも。
ここでは、そんな悩みの解決に役立つ、寒さ対策のポイントを紹介します
【ポイント1】地面からの冷気(底冷え)を防ぐ
冬キャンプでは、地面からの冷気によって身体が冷えてしまうことが少なくありません。
就寝時にマットを活用するほか、グランドシートやテントマットなども活用し、テント内全体で底冷え対策を徹底するのがおすすめです。
【ポイント2】外部からの冷気の侵入を防ぐ
暖房器具で空間を温めても、外部から冷気が入ってきてしまうと、一気に温度が下がってしまいます。
冬キャンプの場合、断熱効果が高い「ダブルウォール構造(二重構造)」のテントを選ぶのがおすすめ。
また、裾部分にスカートが装備されていると、地面とテントの隙間から冷たい風が吹き込むのを防止するとともに、テント内から暖気が流出するのを防げます。
その他、テントの出入り口やファスナーといった小さな隙間も冷気の侵入経路になるので、使わないファスナーはきっちり締め、隙間をふさぐといった工夫も大切です。
【ポイント3】結露を防ぐ
テント内の寒暖差で発生する結露(水滴)を防ぐことも、寒さ対策に役立ちます。
吸湿性・通気性に優れたコットンやTC素材(ポリコットン)のテントは結露しにくいので、冬キャンプ用のテントとして適しています。
また、適度に外気を取り入れて換気すると、テント内の湿度が下がり、結露の発生を抑えられますよ。
効率的に換気ができる「ベンチレーション」が備わっているテントを選ぶのもおすすめです。
結露が発生してしまった場合には、ギアが濡れたり、凍ったりする前に布やタオルなどで早めにふき取りましょう。
冬キャンプで寒さ対策をするときの注意点

冬キャンプでは、単に「寒い」というだけでなく、一歩間違えると危険な状況に陥ってしまうこともあります。
ここでは、冬キャンプで寒さ対策をするときに特に注意したいポイントを詳しく解説していきます。
【注意点1】低体温症を防ぐ
低体温症は命にかかわる危険な状態です。身体が寒さに慣れていない状況下では特に発症リスクが高まるため、十分に対策しましょう。
十分な装備をするのはもちろん、「衣服が濡れたらすぐに着替える」「温かい飲み物や食事をこまめに摂る」などの工夫も、対策として有効です。
特に、汗・雨・雪などで衣類が濡れると体温が急激に奪われます。
吸湿速乾性の高い素材が使われているインナーを着用して汗冷えを防ぐとともに、着替えをしっかり用意して、濡れてしまった場合にはすぐに交換できるようにしましょう。
【注意点2】消費電力と電源サイトの容量などに注意
ポータブル電源には、使用できる電気の「容量」があるほか、電源付きサイトの場合も使用制限が設けられている場合があります。
せっかく備えがあっても、それを活用できなければ意味がありません。
ホットカーペットや電気毛布などの暖房器具の中には、消費電力が大きいものもあるため、事前に消費電力と使用できる容量をしっかりチェックしておきましょう。
【注意点3】ヒーターやストーブを使う際は事故に注意
前でも触れた通り、灯油ストーブや薪ストーブなどの燃焼系の暖房器具を使う場合、一酸化炭素中毒や火災などの重大な事故につながるリスクを伴うので、十分注意が必要です。
以下のような対策を徹底して、事故を防げるようにしましょう。
ポイント
- ベンチレーションが備わっているテントを活用する
- 使用中はこまめに空気を入れ替えるなど、換気を徹底する
- 一酸化炭素チェッカーを設置する
- 難燃素材が使われているテントを選ぶ
- 薪ストーブの場合は煙突穴の付いた専用テントを使用し、煙がテント内に入らないようにする
- ストーブの周囲に燃えやすいものを置かないようにする
寒さを制す者が冬キャンプを制す!万全な寒さ対策で快適に楽しもう

冬キャンプを快適に楽しむためには、「服装」「寝具」「テント」「風」の4つの要素について、しっかりと対策するのがポイントです。
汗冷えを防いで保温性を高める服装の工夫や、体温を奪う原因となる底冷えを防ぐ高性能な寝具(マットや寝袋)の使用、暖房を活用したテント内の寒さ対策、風(冷気)の侵入防止などを徹底しましょう。
暖房器具は火を使わない電気タイプの使用がおすすめ。安全で快適に過ごせるので、初心者はまず電源サイトで冬のアウトドアを体験してみましょう。
























