キャンプやバーベキューなどで炭を使用するときには、市販品を購入するのが一般的ですが、実は余った薪や木材などを使って、木炭を手作りできるのをご存じでしょうか。そこで今回は炭の作り方を詳しく紹介します。具体的な作り方の手順や、炭ができる原理なども解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね!
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そもそも炭とは?炭ができる原理からご説明!

炭は、アウトドアで暖を取ったり調理したりする際の燃料として、キャンプやバーベキューなどのシーンで活躍します。
さらに、炭には消臭、除湿、浄化などの働きもあるため、日常生活でもさまざまな用途に活用できるのが魅力です。
そんな炭ができる原理についてですが、まず炭は木材を加熱することでできるものです。
木材を燃やすと、炎と煙が出ます。煙の正体は、木材が熱分解されることによって発生した「可燃性ガス(メタンなど)」と「不燃性ガス(水蒸気)」です。
可燃性ガスは、空気中の酸素と反応してエネルギー(熱や光)を生み出します。そのエネルギーが炎です。
そして、木材の中にある炭素は酸素と結びついて二酸化炭素へと変化し、最後には灰が残ります。
しかし、木材を空気の少ない場所(密閉した容器の中など)で燃やすと、ガスは出るものの、酸素が少ないため炎は出ません。
木材の中にある炭素も酸素と反応できないため、二酸化炭素とならずに残り、ガスがすべて出た後に固体として「炭」が残ります。このように木が炭に変わる現象を「炭化」といいます。
▼「炭」について詳しく知りたい人はこちら!
炭を買わずに作ることはできる?

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キャンプやバーベキューなどで木炭を使用する場合、ホームセンター、アウトドア用品店、ネットショップなどで購入するケースが多いでしょう。
しかし、炭ができる原理を理解していれば、余った薪、庭木の手入れなどで切った枝、落ちている松ぼっくり、不要になった割り箸などを使って、自分で作ることも可能です。
【用途別】炭の作り方の手順・ポイント

炭の基本的な作り方や、作るときのポイントは以下のとおりです。
炭の自作方法
- 密閉できる容器などに、木材をすき間がないように詰めて、空気が少ない環境を作る
炭素が酸素と反応できないようにするのがポイントです。
- 容器に入れた木材を燃やし続ける
加熱を続けることで、炭化がじっくり進みます。
- 適度な火力を保ちながら、木材が均等に燃えるように管理する
火力が強すぎると炭が崩れる可能性があるので注意しましょう。
- 炭が焼き上がった後も、空気に触れないようにしながら、完全に冷めるまで待つ
冷却中に空気に触れると、炭の品質低下や自然発火のリスクがあります。
ただ、作った炭をどのように使用するかによって、ベストな作り方は少し異なります。
ここからは、用途別に作り方を詳しくご紹介していきます。
▼炭の代用品になる「紙薪(新聞紙が原料の薪)」の作り方はこちら!
【アウトドアシーンで使う】木材から炭を作るのがおすすめ

キャンプやバーベキューなどのアウトドアシーンで使用する場合は、木材を使って本格的な木炭を作るのがおすすめです。木炭はキャンプ飯の調理や、暖を取るときなどの燃料として使用できます。
一斗缶を使って、余った薪、木材、竹材などの材料を燃やすと、大きめサイズの木炭を大量に作ることが可能です。
作り方
- 一斗缶のフタに煙を排出するための穴を複数あける。竹などで煙突を作る場合は、筒が入る大きさの穴もあけておく
- 一斗缶の中に、すき間ができないように木材をぎっちり詰める。缶をひっくり返しても中身が落ちないくらいが目安
- レンガで作ったかまど、あるいは焚き火台などを使用して、木材の入った一斗缶を火にくべる
- 温度管理に注意しながら、木材を燃やし続ける
- 穴から煙が出なくなったら缶の重さを確かめる。炭化すると軽くなるため、軽くなっていることを確認してから火からおろす
- フタを開けずにそのまま自然に冷却させる。焼き上がった炭を空気に触れさせないのがポイント
- 完全に冷めてから炭を取り出す
【消臭アイテムとして使う】松ぼっくりで作るのがおすすめ

消臭アイテムとして使いたい場合は、見た目もかわいい松ぼっくりで作る炭がおすすめです。
冷蔵庫や下駄箱のニオイ取りに利用できるほか、リビング、寝室、デスク周りなどに置くと、インテリア小物としても活躍してくれます。
手のひらにおさまるほどの小さな松ぼっくりで炭を作るときは、フタ付きのコンパクトな缶や、食品の空き缶などを使うと便利です。
なお、松ぼっくりで作った炭は形が崩れやすいため、焼き上がって冷却した後でも、取り扱いには注意が必要です。
作り方
- フタ付きの缶を使う場合は、フタに穴を複数あける。食品が入っていた空き缶を使う場合は、フタ部分を切り取る
- 缶の中に松ぼっくりを入れてフタを閉める。フタがない場合は、穴をあけたアルミホイルを缶の上部にかぶせて、針金などを使って固定する
- 焚き火台、あるいはカセットコンロなどを使って、松ぼっくりの入った缶を加熱する
- 穴から煙が出なくなったら火からおろす
- フタを開けずにそのまま自然に冷却させる
- 完全に冷めてからフタを外して、松ぼっくりの炭を取り出す
【水の浄化に使う】割り箸で作るのがおすすめ

備長炭を入れて炊飯すると、ご飯がおいしく炊けることが知られています。
炭には消臭に加えて、水を浄化する働きがあるためです。また、炭に含まれるミネラル分が溶けだし、お米の旨みが増すといわれます。
身近な材料である割り箸とアルミホイルで作った炭にも浄水のはたらきがあり、炊飯や水道水のカルキ抜きなどのアイテムとして手軽に利用できます。
割り箸で作る炭は、ガスコンロなどで比較的簡単に作れるのもうれしいポイントです。
なお、できあがった炭を使用する際はしっかり水洗いをしてから煮沸消毒し、よく乾燥させて使いましょう。
作り方
- 割りばしを1膳ずつ、アルミホイルですき間のないように包む。内部で発生したガスや水蒸気を逃がせるように、端の部分は完全にふさがずに少し開けておく
- ガスコンロの上に金網を設置して、さらにその上にアルミホイルに包んだ割り箸を並べる。アルミホイルの両端は上向きに曲げておくのがポイント
- 弱火で均一に加熱する
- 煙が出なくなったら火からおろし、バケツやタライなどに入れた水の中で冷却する
- 割り箸が冷えたらアルミホイルをはがして取り出す
手作りの炭を使って、キャンプ気分を盛り上げよう!

キャンプやバーベキューなどで使う炭は、一般的には“買うもの”ですが、身近にあるものを使って、コストをかけずに手作りすることも可能です。
割り箸とアルミホイルを使って手軽に炭を自作する方法もあるので、まずは簡単な方法から試してみるのがおすすめ。
慣れてきたら、木の枝、松ぼっくりなどの天然素材や、余った薪、木材などを使った炭作りにも挑戦しましょう。手作りの炭を使えば、アウトドア気分もいっそう盛り上がりますよ!