『ロケットストーブ』は、少ない燃料で高火力を生み出す燃焼アイテムです。調理もできる優秀なギアですが、「そもそもロケットストーブって何!?」「バリエーションが多くてどれがいいのかわからない!」といった人もいるかもしれませんね。そこで今回は、ロケットストーブについて徹底解説!仕組みやメリットのほか、おすすめのロケットストーブも紹介しているので、ぜひチェックしてくださいね。
ロケットストーブとは?
ロケットストーブとは、少ない燃料で高い火力を生み出せる、燃焼効率に優れたストーブです。「ロケット」という名のイメージ通り、勢いよく火が上がるのが特徴です。
ロケットストーブを使ったことがない人は「扱いが難しそう…」と感じるかもしれませんが、実は構造自体はシンプルで、比較的簡単に扱えます。また、まつぼっくりや枝などの身近な燃料を使って高い火力を得られるため、キャンプでの使用はもちろん、災害時の備えとしても役立ちますよ。
ロケットストーブの仕組み
ロケットストーブは、煙突状の排気管(ヒートライザー)と、燃焼管(バーントンネル)からなるシンプルな構造です。
薪や小枝などを燃やすと、熱せられた空気がヒートライザーに送り込まれます。しっかりと断熱されたヒートライザー内では強力な上昇気流が発生し、燃焼管に外気(酸素)が取り込まれ、燃焼効率が上がるという仕組みです。
これをドラフト効果といい、ロケットストーブはドラフト効果を利用したストーブなのです。
ロケットストーブのメリット
ここからは、ロケットストーブのメリットを解説していきます!
着火が簡単
燃焼効率が高いロケットストーブは、簡単に着火できるのがメリットです。着火後、しばらくして煙突内の温度が十分に高くなると外気がどんどん取り込まれるため、すぐに勢いのある炎が上がります。
焚き火台では着火に苦戦する人でも、ロケットストーブなら比較的簡単に火をつけられますよ。
高温調理ができる
ロケットストーブは少ない燃料で強力な火力が得られるため、高温調理に最適です。製品の耐荷重にもよりますが、スキレットでステーキを焼いたり、ソテーを作ったりするのもおすすめですよ。
また、強力な火力により、ケトルでの湯沸かしが短時間でサッとできるのも魅力です。ゴトク付きのロケットストーブを選べば、コンパクトなケトルでも載せやすいので、ぜひチェックしてくださいね。
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排気がクリーン
燃焼効率の高さから、煙や煤(すす)が少ないのもロケットストーブのメリットです。薪の燃え残りが少なく、アフターケアも簡単ですよ。
ただし、燃料を入れすぎてしまうと取り込める酸素の量が少なくなり、燃焼効率が悪くなってしまいます。「一度に薪や枝を入れすぎない」「薪を細かく割っておく」といったことを意識しましょう。
災害時にも役立つ
ロケットストーブは災害時にも役立ちます。松ぼっくりや木の枝など身近なものを燃料にできるため、電気やガスが止まった際にも活躍してくれるでしょう。
ただし、大量の酸素を消費するため、たとえ災害時であっても屋内での使用は控えてください。
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ロケットストーブの選び方・ポイント
続いて、ロケットストーブの選び方についてチェックしていきましょう!
形状
ロケットストーブの形状は、「煙突が外から見えるもの」と「煙突が内蔵されているもの」に分けられます。
煙突の高さがあるほど煙突効果が高まるため、煙突が外から見えるタイプは火力が強いのが特徴です。「豪快な炎を楽しみたい」「強い火力で調理したい」という人に適しています。ロケットストーブらしい外観もポイントのひとつですよ。
一方の煙突を内蔵したタイプは重心が低く、安定感に優れているのがメリットです。煙突がないぶん組み立ての手間が少ないため、設営に慣れていない人でも簡単に扱えるでしょう。
サイズ
ロケットストーブは大きなものほど高火力な傾向にあります。ダッチオーブンなどを使って一度にたくさんの調理をしたい人は、大型のモデルを選びましょう。また、調理がしやすいということから、持ち運びはせずに自宅での使用をメインに考えている人にもピッタリですよ。
ソロキャンプや少人数でのキャンプで使うなら、小型かつ軽量なロケットストーブがおすすめです。小型であれば積載しやすいだけでなく、駐車場からサイトまで離れているキャンプ場でも持ち運びやすいですよ。
携帯性
ロケットストーブを選ぶ際には、携帯性もチェックしておきたいポイントです。
折りたためるロケットストーブのなかには、バックパックに入るほどコンパクトになるものもあるので、ソロキャンプやツーリングキャンプにおすすめです。収納バッグが付属するものであれば、より気軽に持ち運べます。
煙突が付いていないモデルは折りたためませんが、持ち手が付いていれば車からサイトまで運ぶ際に便利ですよ。
耐荷重
ロケットストーブで調理をしたい人は、耐荷重も確認しておきましょう。
ロケットストーブは、テーブルのように物を載せるために作られているアイテムではないので、耐荷重が記載されている製品は少なめ。ただ、ダッチオーブンやスキレットなど重い調理器具を使う人は、特に重視したいポイントです。
火力調節機能や小窓の有無も要チェック
ロケットストーブのなかには、火力調節ができるモデルも展開されています。火力が魅力のロケットストーブですが、弱火での調理もしたい人は要チェックですよ。
また、薪ストーブのように小窓が付いているモデルであれば、燃料の減り具合を確認しつつ、ゆらめく炎を眺められるのでおすすめです。
ロケットストーブ人気おすすめ10選
ここからは、おすすめのロケットストーブ10選をご紹介します。定番アイテムや個性的なギアが続々と登場しますよ!
tent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン)『マキコン3』
tent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン)の『マキコン3』は、料理が好きな人におすすめしたいロケットストーブです。煙突上とホットプレートを活用すれば、米4合の炊飯と1.5L程度の汁物を同時に用意できます。
耐荷重は煙突上が約10kg、ホットプレート(上蓋)が約5kgと申し分なし。組み立て式でコンパクトに収納できるほか、オプションのケースも用意すれば持ち運びにも便利ですよ。
スペック
- サイズ:約570×280×510mm
- 収納サイズ:約450×157×150mm(脚部含む)
- 重量:約6.27kg
- 耐荷重
- 煙突上:約10kg
- ホットプレート(上蓋):約5kg(※煙突上とホットプレート(上蓋)の両方を同時に使用する場合は合計13kgまで)
- 素材:ステンレス430
Petromax(ペトロマックス)『ロケットストーブ』
Petromax(ペトロマックス)の『ロケットストーブ』は、煙突内蔵タイプのロケットストーブです。
組み立ては燃料投入口にステンレス板を付けるだけなので、初心者でも扱いやすいのがメリットです。ステンレス板により、比較的長い薪でも安定して置けますよ。
折りたたみ式ではありませんが、取っ手が付いているため携帯性もバッチリです。
スペック
- サイズ:275×260×330mm
- 収納サイズ:-
- 重量:6.5kg
- 耐荷重:-
- 素材
- 本体:ステンレス、鋳鉄
- ハンドル部:ステンレス、木製
DaLaCa(ダラカ)『てんぐの小太鼓 ポータブルロケットストーブ』
DaLaCa(ダラカ)の『てんぐの小太鼓 ポータブルロケットストーブ』は、縦長のユニークな形状が目を引くロケットストーブです。キャンプ好きに刺さる、つや無しのマッドブラック塗装もGOODです!
幅約5cmの超コンパクトサイズなので持ち運びやすく、卓上でも気軽に楽しめます。煙突にはゴトクも付いているため、ケトルでの湯沸かしにも重宝しますよ。
スペック
- サイズ:300×50×150mm
- 収納サイズ:-(1.5Lのペットボトルより小さいサイズ感)
- 重量:約1.4kg
- 耐荷重:-
- 素材:鋼
BUNDOK(バンドック)『ロケットストーブ』
BUNDOK(バンドック)の『ロケットストーブ』は、火力調節ができるロケットストーブです。燃料投入口の開口具合を3段階に調節できるため、調理中に火加減を変えたいときに便利です。
煙突やゴトクは取り外して本体内に収納できるほか、約3kgと軽量なため携帯性にも優れています。リーズナブルなため、コスパを重視したい人にもおすすめですよ。
スペック
- サイズ:約670×150×700mm
- 収納サイズ:約505×155×170mm
- 重量:約3kg
- 耐荷重:-
- 素材:ステンレス
UPF『ミニ薪ストーブ』
UPFの『ミニ薪ストーブ』は、卓上でも使える小さなロケットストーブです。コンパクトサイズながら煙突と天板それぞれで調理ができるため、機能性に優れています。
側面はガラス窓のため、炎を眺められるのも魅力です。煙突とゴトクは取り外して本体内に収納でき、ケースも付属しているため携帯性もバッチリですよ。
スペック
- サイズ:約240×150×320mm
- 収納サイズ:約240×150×170mm
- 重量:約3.12kg
- 耐荷重:-
- 素材
- 本体:ステンレス鋼
- ガラス窓:微結晶耐熱ガラス
Geer Top(ギアトップ)『ウッドストーブ』
Geer Top(ギアトップ)の『ウッドストーブ』は、わずか0.78kgの超軽量ロケットストーブです。収納時の厚さはたったの1.14mmと非常に薄く、バッグの隙間にサッとしまえるほどです。
コンパクトながら、縦長の本体により煙突効果もバッチリ得られます。ゴトクも付属しているため、簡単な調理にも対応していますよ。
スペック
- サイズ:190×190×235mm
- 収納サイズ:255×170×1.14mm
- 重量:約0.78kg
- 耐荷重:-
- 素材:ステンレス
Field to Summit『ロケットストーブ』
Field to Summitの『ロケットストーブ』は、組み立て式のロケットストーブです。収納ケース付きなので、持ち運びやすいロケットストーブを探している人におすすめです。
組み立てサイズ・収納サイズともにコンパクトで、ソロキャンプ用のロケットストーブとしてもイチオシです!
スペック
- サイズ:約265×155×260mm
- 収納サイズ:約100×90×250mm
- 重量:-
- 耐荷重:-
- 素材:ステンレス
ecozoom(エコズーム)『EcoZoom Versa(エコズーム バーサ)』
ecozoom(エコズーム)の『EcoZoom Versa(エコズーム バーサ)』は、断熱材を内蔵したロケットストーブ。断熱材により、燃焼中に万が一本体に触れてもやけどしにくいのがメリットです。
鋳鉄製のゴトクは鍋底に効率的に熱を伝えるため、高温調理に適しています。キャリーバッグや、火力をさらに高める『パワーリング』など、オプション品も充実していますよ。
スペック
- サイズ:240×290mm
- 収納サイズ:-
- 重量:6.5kg
- 耐荷重:-
- 素材
- 五徳:スチール鋳物φ24cm
- グリップ:シリコン
- ボディ:セラミック&スチール
- 断熱材:陶器、セラミックファイバー
遊火人キンタ作者の店『ロケット焚き火缶』
遊火人キンタ作者の店の『ロケット焚き火缶』は、リサイクルしたペール缶をロケットストーブとして使えるキットです。ペール缶にキットを組み込むだけなので、誰でも簡単に設営できます。
キットはすべてペール缶のなかに収納できるため、持ち運びもしやすいアイテムですよ。
スペック
- サイズ:-
- 収納サイズ:約300×300×360mm(20Lペール缶のサイズ)
- 重量:約3kg(煙突、ペール缶含む)
- 耐荷重:-
- 素材:-
遊火人キンタ作者の店『ミニ焚火缶グリル台座付き』
遊火人キンタ作者の店の『ミニ焚火缶グリル台座付き』は、4Lのペール缶を使用したテーブルサイズのロケットストーブです。台座が付属しており、ペール缶と台座の間でパンを焼いたり、小さなスキレットで調理ができたりする優れもの。
煙突用のゴトクも付属しており、湯沸かしや高温調理にも対応しています。ソロキャンプで料理に没頭したい人は要チェックですよ!
スペック
- サイズ:-
- 収納サイズ:約190×190×220mm
- 重量:約1kg(煙突、ペール缶含む)
- 耐荷重:-
- 素材:-
ロケットストーブを自作することはできる?
ロケットストーブはシンプルな構造なので、一斗缶やペール缶などを利用して自作する人もいます。ホームセンターで手に入る材料だけで作れるので、だれでもチャレンジできるでしょう。
ただし、耐久性や耐熱性をチェックできない点には注意が必要です。思わぬ事故につながる危険性もあるため、ロケットストーブの扱いに慣れていない人は、まずはここまで紹介したアイテムロケットストーブや自作キットを選び、慣れてから自作にチャレンジすることをおすすめします。
ロケットストーブに必要な材料
今回は、一斗缶を使ったロケットストーブの作り方をご紹介します。
材料
- 一斗缶(フタ付き)
- T曲がり煙突
- エビ曲がり煙突
- 半直筒煙突
- 軽石
一斗缶はロケットストーブの本体、煙突各種は燃焼室兼ヒートライザーとして、軽石はヒートライザーの断熱材として使用します。
初心者でも簡単にできるロケットストーブの作り方
作り方
- 一斗缶の側面とフタに、煙突が通る穴をあける
- 1であけた側面の穴にエビ曲がり煙突を通す
- エビ曲がり煙突がやや埋まるぐらいまで軽石を敷き詰める(煙突が一斗缶の中心を通るよう、エビ曲がり煙突の位置を調整するのがポイント)
- 半直筒煙突を差し込み、さらに軽石を敷き詰める
- フタを閉め、T曲がり煙突を側面から出ているエビ曲がり煙突に差し込めば完成
1であける側面の穴が煙突の直径よりも大きくなりすぎると、隙間から軽石が漏れてしまうので慎重に作業しましょう。また、完成後に耐熱塗料などで塗装すれば、雰囲気がグッと引き締まるのでおすすめです!
ロケットストーブをキャンプで使ってみよう!
今回は、ロケットストーブの仕組みや特徴、おすすめアイテムをお届けしました。
ロケットストーブはシンプルな構造で、馴染みがない人でもすぐに扱いに慣れます。サイズやデザインもさまざまで、ソロキャンプにもグループキャンプにも使える優秀なアイテムです。
今回の記事を参考にお気に入りのロケットストーブを手に入れて、キャンプで使ってみてくださいね。