車中泊で使いやすいポータブル電源の選び方!サイズ・容量・出力に注目しよう
ポータブル電源は製品ごとにスペックや機能が大きく異なりますが、すべての製品が車中泊に向いているわけではありません。
車中泊で使いやすいポータブル電源のポイントとして、サイズ・容量・出力の3つがあげられます。まずは、3つのポイントについて、詳しく解説していきます。
サイズ:重さは20kgまで・大きさは最大辺50cm以下

筆者撮影 ポータブル電源を持ち上げる
車中泊の場合、家庭内で使う防災目的のポータブル電源とは違い、使わないときは家の中に入れ、使うときは車に持っていく必要があります。そのため、あまりに大きいサイズでは持ち運びや積載、収納などが大変になってしまいます。
車中泊では重さは20kgまで、サイズは最大辺が50cm以下のサイズ感のものが使いやすいです。
20kgがひとつの目安ではあるものの、家の中から車に積み込む際に階段の上り下りがある場合には、より軽量なサイズを選ぶといいでしょう。
軽さを求める場合、男性なら10kg程度、女性なら7kg程度までだと、使いたいときにサッと持ち運べるかと思います。
大きさは収納や車内に無理なく入るサイズであればOKですが、当然、小さければ小さいほど、収納や車内といった限られた空間を有効に使えます。
一番長い部分が50cmを超えるようなものは、車中泊では使いにくさを感じてしまいやすいので、最大辺が50cm以下のものを選ぶのがおすすめです。
容量:サイズとのバランスも考慮して500Wh〜2,000Wh
ポータブル電源の容量は、小さいものでは300Wh、大きいものだと3,000Whくらいまであります。車中泊で使いやすいポータブル電源の容量は、500Wh~2,000Wh程度です。
Whとは、一時間あたりに使える電力の量を示す数値で、300Whであれば、消費電力300Wの電化製品を1時間程度使えることになります。(実際は電力のロスがあるので、ぴったり1時間は使えません)
容量が大きければ大きいほど、たくさんの電気を使えるので、車中泊が楽になります。
しかし、基本的に容量と重量は比例するため、大容量なポータブル電源だと、サイズが大きく、重たいものになってしまいがち。目安として、1,000Whのポータブル電源で10〜13kg程度の重さのものが多いです。
一方で、300Wh程度のものだと軽くて扱いやすいですが、車中泊で使うには少し物足りなさを感じてしまいます。
容量と重さのバランスを考え、500~2,000Wを目安に選ぶのが大切です。私も、500~2,000Wh程度の容量のものをよく使っています。
出力:理想はAC出力1,500W以上、最低でも500W

筆者撮影 電子レンジをポータブル電源で動かす
ポータブル電源を選ぶ際にもう一つ気にしたいのが、出力です。出力が大きいものほど、消費電力の大きな電化製品を使うことができます。
目安として、最低でも500Wの出力ができるものが必要で、1,500Wの出力が可能なポータブル電源であれば、かなり快適に車中泊ができるでしょう。
私が車中泊でよく使っている電化製品の消費電力は以下のとおりです。
- 扇風機 :10W〜50W
- 電気毛布:50W〜75W
- ポータブルIH:300W~1,000W
- 電気ケトル:900W~1,400W
- ドライヤー:1,200W
- 電子レンジ:1,000W~1,200W
消費電力は製品によって異なるので上記はあくまでも目安ですが、1,200W程度の出力があれば、多くの電化製品を使えます。
家のコンセントの出力は1,500Wなので、1,500Wの出力があるポータブル電源であれば、ほぼすべての電化製品を使えるようになります。そのため、1,500W以上出力できるポータブル電源だと理想的です。
ただ、電気毛布や扇風機、ポータブルIHなど消費電力の少ない電化製品しか使わないのであれば、500Wまでしか出力できないポータブル電源でも、車中泊で十分活躍してくれると思います。
私も数年前までは、500Wのポータブル電源しか持っていませんでしたが、十分快適に車中泊楽しめました。
高出力なポータブル電源は高価格になる傾向があるので、使いたい電化製品や予算を考えて出力をチェックしましょう。
真冬の北海道でも大活躍!車中泊におすすめポータブル電源ベスト3
それでは、私が普段から愛用している、車中泊におすすめのポータブル電源をベスト3紹介していきます。
どれも前述の「車中泊で使いやすいポータブル電源の選び方」で紹介したポイントを押さえている商品ですので、ぜひ参考にしてください。
【1】EcoFlow『DELTA 2(デルタ 2)』

筆者撮影 DELTA2と専用エクストラバッテリー
- AC出力 :1,500W(X-Boostモード時1,900W)
- 容量:1,024Wh(2,048Wh、3,040Whに拡張可能)
- 重量:12kg
- サイズ:400×211×281mm
- 充電時間:0→100%で80分(1,200W入力)
- 寿命:3,000サイクル後に初期容量の80%以上を維持
- USB-C:2(100W)
- USB-A:4
- 使用可能温度:-10度〜45度
車中泊に一番おすすめなポータブル電源が、EcoFlowの『DELTA 2(デルタ 2)』です。
2022年に発売されたばかりの新製品で、長寿命で発火しにくいのが特徴の「リン酸鉄リチウムイオン電池」がバッテリーに採用されています。
1,500Wの高出力で、家庭で使う家電製品はほぼすべて使えます。
また、電圧を下げて1,900Wまで使えるようにする「X-Boost機能」も付いているのが特徴。消費電力が1,500Wを超える電化製品はかなり少ないですが、複数の家電製品を使う場合には役立つ機能かもしれません。(電圧が下がるので動かなくなる家電製品がある点には注意)
サイズも、取っ手が飛び出している部分で40cmなので、本体はかなりコンパクトで使いやすいです。
さらに、容量は1,000Wh以上。別売りの専用拡張バッテリーをコードで繋げることで、最大3,040Whまで容量を拡張できます。
パワーも容量も十分でありながら、重量は12kgとそこまで重くないので、扱いやすく万能なポータブル電源です。
大きな出力で使う場合や充電時はややファンの音が気になりますが、小さな出力で使う場合はさほど気にならず、電気毛布や扇風機くらいならほぼ無音に近い状態で使えます。
USBが多い点やアプリにも対応している点など、細かな部分も高性能・高機能で、どんな人でも使いやすいでしょう。私もかなりお気に入りのポータブル電源です。

【わずか50分で80%まで充電可能 業界屈指の爆速充電スピード...
【2】OUKITEL『P2001』

筆者撮影 OUKITEL P2001
- AC出力 :2,000W(2分間のみ3,000W出力可能)
- 容量:2,000Wh
- 重量:22kg
- サイズ:393×279×330mm
- 充電時間:0→100%で120分(1,100W入力)
- 寿命:2,000サイクル後に初期容量の80%以上を維持
- USB-C:2(100W)
- USB-A:4
- 使用可能温度:-10度〜40度
OUKITELの『P2001』は、通常の出力は2,000Wまでですが、2分間限定で3,000Wまで出力可能なモンスターマシン。
大容量ということもあり、重さが22kgあります。しかし、安全性も高く寿命も長い「リン酸鉄リチウムイオン電池」が搭載されていることを考えたら、同スペックのポータブル電源の中では比較的軽い部類です。
また、サイズもコンパクトなほうなので、車中泊でも使いやすいですよ。私も電気を沢山使うときはこれも必ず持って行っています。
他のポータブル電源にはない、コードを入れるスペースがあるのも便利です。

筆者撮影 P2001のコード入れ
充電スピードも速く、高出力時でもファンの音が静かで、文句なしの性能です。USBも豊富で、コスパの高い、理想的な製品だと感じています。
ただ、アプリに対応していない点と、容量の割には軽いとはいえ、女性には持ち上げるのが難しい重さである点は気になるポイント。前に紹介したDELTA 2に比べると使う人を選ぶので、容量重視で選びたい人向けかと思います。

【2,000Whの大容量・2,000Wの高出力・同時に出力入力】OUKITEL P2001大容量ポータブル電源様々な生活家電や電子機器を長時間ストレスなく利用できるだけでなく、災害時の緊急電源としても大きな力を発揮します。AC出力x6、USB-Ax2、USB-A(急速充電)x2/USB-C(100V)x2、DCx2(センタープラス)、XT60x1の各出力ポートを装備、様...
【3】EcoFlow『RIVER Pro(リバープロ)』

EcoFlow RIVERProと専用エクストラバッテリー
- AC出力 :600W(X-Boostモード時は一部電化製品のみ1,200Wまで可)
- 容量:720Wh(1,440Whまで拡張可能)
- 重量:7.2kg
- サイズ:289×185×235mm
- 充電時間:0→100%で96分(660W入力)
- 寿命:800サイクル後に初期容量の80%以上を維持
- USB-C:1(100W)
- USB-A:3
- 使用可能温度:-20度〜60度
EcoFlow『RIVER Pro』は容量が720Whと、これまで紹介したDELTA 2やP2001に比べると容量が小さめ。その分、サイズもコンパクトで、重さが7.2kgと、女性でも片手で持ち運べる手軽さが魅力です。
通常の出力は600Wですが、X-Boost機能により、一部の電化製品であれば最大1,200Wまでのものを使えます。
私が手持ちの家電製品を試した限りだと、電子レンジは使えませんでしたが、1,200Wのドライヤーや1,000Wの電気ストーブ、900Wの電気ケトルなどは問題なく動作しました。
拡張バッテリーを繋げることで、容量を1,440Whまで拡張できるので、たくさん電気を使いたい時にも便利です。満充電まで2時間かからず、USBも豊富で使いやすさはバッチリ。
また、DELTA 2やP2001は放電可能温度が最低-10度でしたが、RIVER Proは最低-20度と寒さに強く、北海道の真冬でも十分使える性能です。
ファンの音も、電気毛布や扇風機くらいなら気になりません。
ただし、「三元系リチウムイオン電池」が使われているので、「リン酸鉄リチウムイオン電池」に比べると寿命が短く、安全性もやや落ちるのが弱点です。サイズや価格の安さを重視して選びたい人に向いています。

【1時間以内に0%から80%まで充電】EcoFlowの特許申請中のX-Streamテクノロジーにより、1時間もかからない0%から80%まで高速充電して、1.6時間で完全に充電されます。
【完全正弦波の安全な...