※本記事は2022年8月20日に三才ブックスから発売された書籍『ぜんぶ同時に出来上がる! 飯盒2型絶品定食レシピ』の内容に加筆・修正を加え再構成したものです。
戦闘飯盒2型ってなに?自衛隊の装備品をベースにした、実用重視の調理ギアを大解剖!
戦闘飯盒2型とは、いったいどんな道具なのでしょうか。
一見、何の飾り気もない金属製の弁当箱のように見えますが、実は非常に機能的で使い勝手抜群の調理器具なのです。まずはそのスペックから紐解いていきましょう。
戦闘飯盒2型は現在国内3社から発売されている、アルミ製の万能クッカー
戦闘飯盒2型は、自衛隊で使われている「戦闘飯ごう(=飯ごう ,2形)」を、民間企業が一般向けに製品化・販売したものです。
現在市場に流通している飯盒2型は、ロスコ・MOOSE ROOM WORKS・エバニューの3つのメーカーからそれぞれ販売されており、絶妙なサイズ感と使い勝手のよさから人気を集めています。
さらに、2023年にはロゴスもこの「戦闘飯盒2型市場」に参入予定と、選択肢は増える一方です。
ちなみにエバニューが販売している製品は、ロスコの「戦闘飯盒2型」と同一の金型で製造されていますが、「山岳飯盒弐型」という名称で店頭に並んでいます。
材質はアルミニウムで、一度に最大2合のお米を炊くことができます。
サイズは、幅17.5cm、奥行き10cm、高さ10.5cm。重量は400gです(サイズはロスコ製の「戦闘飯盒2型」の数値。メーカーによってサイズは多少異なります)。
戦闘飯盒2型は、丸型飯盒や兵式飯盒とどこが違う?
「飯盒」と聞いて最初に思い浮かぶのは、林間学校などでもお馴染みの「兵式飯盒」でしょう。
ソラマメ形の大ぶりな飯盒で、中蓋(中子)はすり切り1杯で2合、外蓋(上蓋)は3合のお米を計量でき、本体では4合のお米を炊くことができます。本体は深さがあるので3~5人分のカレーや煮込み料理を作るのにも最適です。
丸型飯盒は、兵式飯盒を円筒状にしたもの。容量はほぼ同じですが、円筒という形状により内部に熱がムラなく伝わり、炊飯しやすいと言われています。
その一方、本記事で紹介している戦闘飯盒2型は、前述の兵式飯盒の本体の高さを約半分に縮め、2合炊きサイズにした製品。
ただし、中蓋(中子)と外蓋(上蓋)は高さが増しており、調理器具や食器としても使いやすくなっています。
加えて、戦闘飯盒2型は中蓋にスリットがあるため、兵式飯盒や丸型飯盒に比べて中蓋に蒸気が回りやすいという特徴があります。
主な構成パーツは「外蓋・中蓋・本体」の3つ。フライパン、鍋、食器と用途はさまざま
戦闘飯盒2型を構成するのは、外蓋・中蓋・本体3つの部位。それぞれの特徴を生かすことで調理のバリエーションを広げることが可能です。
外蓋は容量620ml。取っ手が付いているので、フライパンとして使えるほか、熱いスープなどを飲むための器としても重宝します。
アルミ素材なので熱伝導率が高く、弱火でも素早く食材に火を通すことができる点も特徴のひとつです。
中蓋は容量500ml。内面に330mlの目盛り線があり、米1合を焚く際の水量の目安になります。炊飯以外の調理用途でも使えますし、器として利用してもOK。
外蓋と同様にフライパンや小鍋として活躍するほか、外蓋を小鍋として使う際には落し蓋としても機能します。
本体は容量1200ml。内面に700mlの目盛り線があり、米2合を焚く際の水量の目安となります。
外蓋や中蓋に比べると深さがあるので、「沸かす」「煮る」といった作業時に重宝しますが、多めの具材を「焼く」「炒める」といった用途でも活躍してくれます。