「ソロライトグリル」×「ピコグリル」比較してみます
それではソロライトグリルと、軽量コンパクト型焚き火台の元祖ピコグリル(398)を、さまざまな観点から比較してみようと思います。
形状の比較
ピコグリルを組んでみますが、火床も開くだけこの驚異的な簡単さにはどこも敵わないと思いますが、完全に組み上げたときの安定感はというと、これが一気に変わってきますね。
ピコグリルはものが乗った時形を支えてるのって、ほぼ四隅にある爪なんですよね。
ここが引っかかっているおかげでずれない。
逆にいうと1箇所外れるとをグイーンとずれていってしまいますので、この四隅がしっかり引っかかっているというのが前提です。
さらにこの前後の面は火床は宙に浮いています。
左右の側面を見ると横のバーがあるので曲線の一点で支えているんですね。
荷重がぐっとかかった時にこのフレームが支えてくれている。
もしこれがなかったら、薪が乗った状態で沈んでいってしまって外れてしまうと思いますので、最低限四隅の爪と両サイドの細いフレーム1点ずつでこの火床を支えている。
これで結構な量の薪を乗せても耐えてくれるんですよ。
だから、高度なバランス感覚で焚き火台としての機能を果たしてくれる、まさしく「軽量コンパクト性」と「実用性」をかなり高いレベルで実現させている焚き火台じゃないかなと思います。
一方で…
ソロライトグリルは、まず火床がピコグリルと比べると厚みがあってフラットな板になってドンと乗ってる感じ。
そしてペラペラじゃないが故に、ある程度全体に均等に重みをかけています。
ピコグリルと同じように四隅に溝がありますが、ここ自体が荷重を支えているというよりは横ずれを防ぐような位置を安定する役割になってますね。
重みを支えるのはもちろん、サイドにも太めのフレームが入っていますが、前後もゆるいVの形でしっかりとフレームが入ってます。
そしてこのフラットな板が前後左右のフレームにストーンと乗っていて、天板をぐるりと一周のフレームで支えてるという構造になっていますね。
薪を載せたときの火床全体の耐荷重というのは書いていません。
五徳1本あたりは1kgというのがありますが、全体の火床の耐荷重はありません。
構造を見る限り火床に厚みがあって全体で支えているし、フレームの幅も広い、そして重心はピコグリルよりも低い。
こういうこと考えると少なくともピコグリルよりも弱いということはないと思うし、しっかり支えてくれる構造に見えます。
もちろんずっと焚き火で酷使しているとガタガタにはなってくると思うんですけど、軽量コンパクト型の焚き火台の中では組み上げてみると割としっかりした焚き火台だなという印象でした。
重量の比較
重量を計っておきたいと思います。
特にこの火床、ピコグリル166g に対してソロライトグリルは347gと倍以上あり、フレームも加えると本体重量は738gでした。
五徳2本加えて875gこれが本体の総重量です。ケースも入れると969g。
ちなみに、ピコグリルの本体重量はケース抜きで442g、ケース込みでは489gですので、ソロライトグリルはピコグリルの倍くらいの重さがあるということになります。
五徳の比較
続いて五徳です。
ピコグリルのスピットと同じかと思いきや、串にはなってないので食材を刺したりはできません。
ただ、両側が繋がっていて溶接部分が出ているので、落ちにくいようにできているかもしれませんのでおいてみましょう。
結構遊びがありますが間違って前後にずらしても落ちないようになっています。
左右に動かしても真ん中に1本支柱が入っているので、この範囲内で自由にスライドして動くようになってますね。
ソロライトグリルは、高さが細かく3段階に調整可能となってます。
対して、ピコグリル398は高さ調節ができないので(もう一回り大きいピコグリル498は2段階に高さ調節が可能)、ソロライトグリルの方が自由度が高いと思います。
幅はスピットとそこまで変わらなくて、そんな大きなものはおけないと思いますが、ソロキャンプで使うクッカー類なら問題なく対応できるでしょう。
あとは五徳2本合わせて2kgまでという制限にはなりますが、同じ高さに2本合わせれば少し大きな鍋を置いても安定感はありますね。
ちなみに、ピコグリル用に売っているキャンピングムーンの安いステンレス五徳がありますが、3本フレームになっているので安定感も高いんですよね。
この五徳は、ソロライトグリルにも使うことできちゃいます。
▼キャンピングムーンの五徳
デザインとサイズ感の比較
ピコグリルは展開の簡単さと究極的に削ぎ落としたような機能美があると思いますが、ソロライトグリルは直線的な美しさがあると思います。
フレームの幅が広がって火床が広く、低くなったことで角張ったデザインも相まってきれいな形に見えます。
ただ、火床が低いということで地面へのダメージは絶対あると思いますので、ステンレス板自体がかなり熱くなると下には熱がいきます。したがって、ソロライトグリルは、草木の生えてない地面を選んでやる必要があります。焚き火シートはもちろん使用した上で…ですね。
地面からの高さで言うとピコグリルは一番低い位置で8.5cmくらいなんですが、ソロライトグリルは8cmちょっとですね。
一番低い位置の高さはそこまで大差ありませんでしたが、全体的な火床の位置はピコグリルよりもかなり低くは見えます。
あとこだわってるのは横幅の長さでしょう。
ピコグリルは長い薪を1本おけるイメージがありますが、実は約38cm。
40cmの薪を使うと実は少しはみ出ますが、なんだかんだ言って置けてしまうのがピコグリル。
ソロライトグリルは41.5cmありますので、40cmとして売られている針葉樹の薪をおいてみるとほぼ火床内におさまってくれました。
ピコグリルは実はハミ出るんですよね。
ただ、ピコグリルは真ん中に熾がたまりやすい形状になっていて、中心部がよく燃えてうまいこと収まっていきます。
ソロライトグリルも平らなようでゆるいV型になっているので、真ん中に隙間はしっかりあります。
スリットは開いていませんが、この形状なら前後左右から空気が入り込んでしっかり燃えてくれるように見えますけど…。
これはまずはやってみましょうということですね。
ちなみに、ピコグリルにもソロライトグリルにも「焼き網」は付属してません。
ピコグリルでよく使われているのがセリアの脚付きの網が使えるかなと試してみたところ、ギリギリの幅で中に入り込んでくれました!
直接火床に足が乗る形になりますけど、グリルとしては使えそうですね。
一番上にだけ載せることもできます。
<ソロライトグリルとピコグリル398の比較まとめ>
ソロライトグリル | ピコグリル398 | |
---|---|---|
火床の形状 | V字型 | U字型 |
本体重量 | 875g | 442g |
火床高さ | 約8cm | 約8.5cm |
火床の高さ調整 | 3段階 | 無し |
火床の横幅 | 約41.5cm | 約38cm |
ここまでソロライトグリルを一通り見てみましたが、機能とともに全体的な見た目をこうして眺めてみると私としてはなかなか美しいフォルムをした焚き火台だなぁと思いました。